第17‐010号
2017年8月2日

平成30年3月期 第1四半期決算について


 ANAホールディングスは、8月2日(水)、平成30年3月期 第1四半期決算を取りまとめました。詳細は「平成30年3月期 第1四半期決算短信」をご参照ください。

1.平成30年3月期 第1四半期の連結経営成績・連結財政状態

  • (1)概況
    • ・当第1四半期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費は緩やかに持ち直しの動きが続く等、景気は緩やかな回復基調が続きました。
    • ・このような経済情勢の下、旺盛な需要に支えられ、国際線旅客、国際線貨物が好調に推移したことや、当期から連結子会社となったPeach・Aviation(株)の収入が加わったこと等により、航空事業の売上高は前年同期を上回りました。
    • ・英国スカイトラックス社による2017年ワールド・エアライン・アワードにて、昨年に引き続き、「空港サービス全般」と「アジアを拠点とする航空会社の空港スタッフと客室乗務員によるお客様へのサービス品質」の2部門で、最も優秀なエアラインに選ばれました。

これらの結果、航空事業を中心に増収となったことから、売上高は4,517億円、営業利益は254億円、経常利益は247億円となり、それぞれ過去最高となりました。当期からPeach・Aviation(株)を連結子会社としたことによる特別利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は510億円となりました。

  • (2)航空事業
    ①国内線旅客
    • ・ビジネス需要やゴールデンウィーク期間の販売状況が堅調に推移したことに加え、需要に応じた各種割引運賃を設定したこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
    • ・路線ネットワークでは、6月から中部=宮古線を新規開設し、ネットワークの充実を図りました。また、需要に応じてきめ細かく機材の入れ替えを行う等、需給適合を図りました。
    • ・営業面では、様々な旅のシーンに応じた「旅割タイムセール」を定期的に実施し、需要喚起に努めました。

結果として、国内線旅客収入は40億円の増収(前年同期比2.7%増)となりました。

  •  ②国際線旅客
    • ・国際線旅客は、日本発ビジネスクラス需要が引き続き好調に推移していることに加え、前年同期においてテロの影響を受けていた日本発欧州線のプレジャー需要が回復したことや訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
    • ・路線ネットワークでは、羽田=ホノルル線に続いて成田=ホノルル線においても、一部の機材をボーイング787-9型機へ変更し、フルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」と「プレミアム・エコノミー」を提供することで、プロダクトとサービスの充実を図るとともに、旺盛な需要の取り込みに努めました。
    • ・営業面では、ゴールデンウィーク期間においても、きめ細かく割引運賃を設定し、プレジャー需要の喚起に努めました。
    • ・サービス面では、6月より国際線のファーストクラス・ビジネスクラスで提供するワイン・シャンパンのメニューを刷新した他、羽田空港の国際線ANA LOUNGEにおいて、お客様にお食事を直接サービスする「シェフサービス」を毎日実施する等、サービス向上に努めました。

結果として、国際線旅客収入は161億円の増収(前年同期比13.1%増)となりました。

  •  ③貨物
    • ・国内線貨物では、宅配貨物及び国際線との接続貨物が堅調に推移したものの、北海道発の生鮮貨物の取り扱いが減少したこと等により、輸送重量は前年同期を下回りましたが、運賃単価の改善を図ったことから、収入は前年同期を上回りました。
    • ・国際線貨物では、北米・欧州向けの自動車関連部品を中心とした旺盛な貨物需要により、日本発海外向けは好調に推移しました。海外発は、総じて需要は旺盛に推移し、中国・アジア発の日本向け貨物に加え、中国発北米向けの三国間輸送貨物を取り込んだ結果、輸送重量・収入ともに前年同期を上回りました。

結果として、国内貨物収入は微増(前年同期比0.9%増)、国際貨物収入は64億円の増収(前年同期比31.3%増)となりました。

  •  ④その他
    • ・マイレージ附帯収入、バニラ・エア(株)の収入、Peach・Aviation(株)の収入、機内販売収入、整備受託収入等で構成される航空事業におけるその他の収入は664億円(前年同期472億円、前年同期比40.7%増)となりました。
    • ・バニラ・エア(株)では、ゴールデンウィークの高需要期に成田=札幌線を増便すること等により需要を取り込んだ一方で、低需要期には減便する等、需給適合を図りながら収益性の向上に努めました。当第1四半期における輸送実績は、旅客数は651千人(前年同期比45.9%増)、座席キロは1,221百万席キロ(同34.0%増)、旅客キロは1,035百万人キロ(同36.7%増)、利用率は84.8%(前年同期差1.7%増)となりました。
    • ・Peach・Aviation(株)では、6月から関西=上海(浦東)線を増便しました。また、機材を1機受領し19機体制としました。当第1四半期における輸送実績は、旅客数は1,186千人、座席キロは1,611百万席キロ、旅客キロは1,382百万人キロ、利用率は85.8%となりました。
  • (3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
    • ・航空関連事業では、羽田空港、関西空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、外国航空会社から機内食製造の受託が増加したこと等により、売上高は658億円(前年同期比7.3%増) 営業利益42億円(同72.8%増)となりました。
    • ・旅行事業では、国内旅行は、ダイナミックパッケージ商品「旅作」のプロモーション強化により、取扱高が堅調に推移したことに加え、「ANAスカイホリデー」では、前期に発生した熊本地震の影響で減少した九州方面の取扱高が回復したこと等により、売上高は前年同期を上回りました。海外旅行は、「ANAハローツアー」において、ハワイ方面の取扱高が好調に推移したこと等から、売上高は前年同期を上回りました。訪日旅行は、他社との競争激化により、台湾において取扱高が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回りました。
      これらの結果、売上高363億円(前年同期比6.4%増) 営業利益6億円(同13.1%増)となりました。
    • ・商社事業では、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の売上高は前年同期を上回った一方で、食品部門において主力商品の取扱高がマーケットの競争激化により減少したこと等から、売上高は335億円(前年同期比2.6%減) 営業利益9億円(同8.2%減)となりました。
    • ・その他では、建物・施設の保守管理事業や航空保安警備事業が堅調に推移したこと等により、売上高は、88億円(前年同期比5.3%増)、営業利益5億円(同33.9%増)となりました。
  • (4)連結財政状態
  • (5)連結キャッシュ・フロー

2.平成30年3月期の見通し

  • ・わが国経済の先行きについては、海外景気の下振れや欧州・中東におけるテロや紛争等、景気を下押しするリスクが懸念されるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等もあり、緩やかに回復していくことが期待されています。
  • ・平成29年4月28日に発表いたしましたとおり、ANAグループでは本年4月に策定した「2016~2020年度 ANAグループ中期経営戦略(ローリング版2017)」を着実に実行し、サービス品質を極め、グローバルな知名度向上をはかるとともに、コストマネジメントの徹底による強靭な経営体質と、攻めのスピード経営により、「世界のリーディングエアライングループ」としての地位を確立してまいります。
  • ・グループの収益基盤であるフルサービスキャリア事業においては、国内線では需給適合の強化により収益性の堅持に努めつつ、国際線では首都圏デュアルハブモデルを進化させ、ネットワークをさらに拡充するとともに、海外におけるブランド力の向上と販売力の強化をはかってまいります。
  • ・貨物事業では引き続き、収益性の維持・向上に努めつつ、Peach・Aviation(株)の連結子会社化や、ノンエア事業の収益性を高めることにより、ボラティリティ耐性を備えた最適な事業ポートフォリオの構築を目指します。

以上により、平成30年3月期の連結業績見通しの見直しは行いません。

以上

添付資料:

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