NEWS ANA

第06‐018号
2006年1月31日


ANAグループ2006〜09年度 中期経営戦略
〜2009年度の羽田再拡張「大競争時代」に向けて本格始動、
「クオリティ&顧客満足と価値創造」でアジアナンバーワンをめざします〜

 ANAグループでは、「グループ経営ビジョン」* を確実に実現するための「経営戦略」として、2005〜2007年度(3ヵ年)の中期経営戦略の進捗状況とその後の燃油価格の高騰などの環境変化を踏まえて、「ANAグループ2006〜09年度 中期経営戦略」(4ヵ年)を策定しました。

 本経営戦略においては、本中期期間を2009年度の羽田再拡張とその後の「航空ビックバン」に向けての、本格的な準備期間と位置づけ、国内線旅客事業はもとより、国際旅客事業、貨物郵便事業という成長分野に資源を集中投下し、収益性の向上と成長分野での事業拡大を図ります。また、収入変動リスクにさらに強い企業体質を目指して、コスト構造改革、フリート戦略を着実に実行し、現下の燃油市況においても利益を創出できる「変動リスクに強い企業体質」を確立します。

 また、グループ全体で安全優先の企業文化の更なる浸透を図るとともに、お客様の声に徹底的にこだわり、ANAらしさである「あんしん、あったか、あかるく元気。」なエアラインを追求することによって、2009年度には「価値創造とクオリティ&顧客満足」でアジアナンバーワンの達成を目指します。

 
 
1.戦略の位置づけ
   安全運航の確保に最重点を置いた上で、クオリティー&顧客満足と価値創造で、『2009年度に「アジアNO.1」を達成する』という*グループ経営ビジョンを確実に実現する目処をつけるための重要な4ヵ年として、競争力を大幅に向上させ、企業体力を増強する。
*ANAグループは、国内および日本とアジア、そして世界の旅客・貨物輸送を担う航空事業を中核として、「クオリティ」「顧客満足」「価値創造」の3つにおいてアジアを代表する企業グループを目指します。 ]
 
2.需要見通し
 
 (1) 国内線: 国内景気については穏やかな回復が続くと期待でき、需要は05年度比±0%〜+3%を見込む。
 (2) 国際線: 欧米:05年度比±0〜+3%の緩やかな伸びを見込む。アジア・中国路線においては、05年度比+2%〜最大+8%の堅調な成長を見込む。
 (3) 貨物郵便事業:国内貨物は+2%程度に留まるものの、国際貨物においては(方面により異なる)、日本発、中国発マーケットで+10%〜+15%の大幅な成長を見込む。
 (4) 米ドル円為替レートは、115円、航空燃油費の指標であるドバイ原油の市場価格については、1バレルあたり55ドル、シンガポールケロシンでは1バレルあたり74ドルを前提とする。
 
3.主な戦略の概要
  (1)経営基盤の強化
  [1] 安全
 安全優先の企業文化の更なる浸透を図り、グループ航空会社が同じ安全レベルを確保できる組織および仕組みを構築することにより、世界最高水準の安全性と安全管理体制を確立する。
  [2] クオリティー&顧客満足
 クオリティー&顧客満足の目標として、お客様の声に徹底的にこだわる人的サービス、キャビン・エアポートプロダクトを高次元で融合させ、ANAらしさである「あんしん、あったか、あかるく元気。」なエアラインを追求する。また、アジアを中心とした外国航空会社との比較や外国人旅客を対象とした新たな顧客満足度調査の仕組みを2006年度中に構築し、2009年度「顧客満足度アジアNO.1」を達成する。
  (2)価値創造経営
  [1] 国内線戦略
 接続利便性の向上や需給適合とレベニューマネジメントの強化により、収益の安定的な成長を目指す。また、スーパーシートプレミアム、ゆったりらくらくシート、総合輸送戦略、e−コマース等、商品競争力の強化を引き続き図るとともに、お客様のニーズにあわせて商品力の強化を図る。
     
  [2] 国際線戦略
 ビジネス需要に特化したスターアライアンスパートナーのハブ空港への輸送力を増強し(「パートナーハブ戦略」)、北米・欧州・中国・アジアの各地域でバランスの取れたネットワークの充実を図る。また、中国、アジア路線を中心にエアバス320、ボーイング737-700などの小型機を投入し、多頻度化による競争力強化と需給適合により、一層の収益性向上を図る。
 成田ではスターアライアンスキャリアとの「接続ネットワーク」の更なる充実を図るとともに、羽田では2009年の再拡張を契機に、首都圏マーケットの需要と国内線接続ネットワークを基盤とした羽田発国際線事業の展開に着手する。
 また、中期期間中に国際線中長距離路線に投入する戦略機材として、世界ではじめてボーイング737-700ER型機を導入する。
     
  [3] 貨物郵便事業戦略
 成長戦略における三本柱の一つを担う貨物郵便事業を基盤強化すべく、関空・中部を活用した「日中・日米・日アジア」基本ネットワークを構築する。また、2008年度までの間、羽田発の国内・国際の組み合わせ運航によるネットワークを構築、2009年度以降の羽田を拠点としたフレーターネットワークの確立につなげる。
 羽田国際化に向け、郵政公社等との提携、貨物運航新会社の設立等による自社フレーター事業の拡充を通じ、グループ利益目標の達成に貢献する。
     
  [4] アライアンス戦略
 2006年6月にスターアライアンス10社が成田空港第1ターミナルビルに集結する。今後、ANAのアジアネットワークと欧米のパートナーとの乗継の利便性の向上、施設(ラウンジ、カウンター、セルフチェックインシステム)の共同利用により顧客利便の向上を図る。また、羽田国際化を睨みスターアライアンスのリソースを最大活用し、「競合他社に対する先行メリット=持続的な競争優位」を確保する。
     
  [5] 価値創造目標と財務体質の改善
価値創造目標と成長戦略を支えるための改善目標を次のとおり設定する。
価値創造目標として、2009年度に売上高15,500億円、連結営業利益1,000億円の達成を目指す。
燃油高騰への対応として、07年度までに間接固定費を現行中期(2005-2007年度)比較で100億円圧縮。09年度までに直接費を現行中期(2005-2007年度)比較で100億円圧縮する。
実質有利子負債を約2000億円圧縮し、自己資本との比率を3倍程度に圧縮。(現行約5倍)。
多角化事業における資産の流動化等に伴う損失計上を約200億円見込む。
  (3)フリート戦略の加速を実現
        機種統合効果による生産性向上を享受できるフリート構成への転換を推進し、経済性の高い新機種(ボーイング737-700シリーズ、ボーイング787型機*)の導入やボーイング747-400型機の退役を開始すること等により、コスト競争力を強化する。
    *ボーイング787型機は、2008年世界で初めて導入。
   
 
4.経営目標
  各戦略の推進を通じて、需要に適合した機材投入を進める中で収益の質を高めつつ、併せてコスト削減を継続して追求する中で、期間中の収益目標を次のとおり設定する。
 
5.その他
 
 
以上
 
 
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