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温暖な中、楽しむ都市観光とビーチリゾート
年末年始の時期が、温暖で過ごしやすい観光のベストシーズンに当たる国があります。その中でも、都市観光とビーチリゾートの両方が楽しめるタイ、ベトナム、メキシコの旅をご紹介します。
タイ(バンコク&プーケット・クラビ)
写真提供:タイ国政府観光庁
タイの首都であるバンコクのクリスマスや年末年始は、乾季のベストシーズンにあたり、気温は25~30℃前後で湿度も低く、観光に最適です。市内のショッピングモールやホテルではイルミネーションやクリスマスデコレーションが施され、トロピカルな雰囲気の中でユニークな“南国のクリスマス”を楽しめるのが魅力です。
バンコクといえばアジアの美食都市。ミシュラン掲載店から屋台グルメまであり、多くのレストランがクリスマス特別メニューを提供。ガラディナーが開催されるレストランもあります。高層のルーフトップバーのきらびやかな夜景も人気で予約必須です。
また、チャオプラヤー川沿いのホテルやクルーズ、美しい夜景を眺めながらタイ料理や世界各国の料理が楽しめ、カウントダウン花火も観覧できます。
写真提供:タイ国政府観光庁
タイのビーチリゾートは12月~1月が乾季のピーク。晴天が続き、海も穏やかで透明度が高く、絶好のバカンスシーズンです。プーケットとクラビのおすすめビーチをご紹介します。
プーケットでにぎやかな雰囲気のビーチとナイトライフを楽しみたいなら、バトンビーチがおすすめです。年末には特設ステージが設けられ、ビーチパーティーや花火大会が開催されます。家族連れや落ち着いた滞在なら、カタビーチやカロンビーチ。比較的静かでサンセット観賞やシーフードレストランでのディナーが楽しめます。
クラビで秘境感たっぷりのビーチで絶景を楽しみたいなら、ライレイビーチ。美しい夕焼けと断崖絶壁の景観が広がり、ロマンチックな新年の幕開けに最適です。利便性が良く活気があるのは、アオナンビーチ。年末にはライブ音楽と花火、バーでのカウントダウンパーティーも行われます。
ベトナム(ホーチミン市&フーコック島)
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年末年始にベトナムに行くなら、ホーチミン市をはじめとした南部地方がおすすめ。ホーチミンは一年中30℃くらいの夏のような気温ですが、12月〜1月は乾季のはじまりで涼しく過ごしやすい気候となり、観光におすすめです。
ベトナムの経済の中心地であるホーチミン市は、1区にフランスの植民地時代の景観が残り、統一会堂やノートルダム大聖堂、中央郵便局などが美しい街並みを形成しています。ローカルな方面に進むと、ベンタイン市場や福海寺などベトナムらしい活気のあるランドマークもあります。
ベトナムは旧暦でお正月を祝うため、年末年始でのレストランや観光地の休業による影響は少なくなっています。ただし、1月1日は休業するところが多いので注意が必要です。
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フーコック島の11月〜4月にかけては雨季が始まっておらず、なかでも12月〜1月にかけては人気のハイシーズン。フーコック島はベトナムで最も美しい島の1つとして知られ、真っ白なビーチと澄んだ海、ゆったりとした雰囲気があります。ビーチでゆったりと過ごすのはもちろん、国立公園へハイキングしたり、地元の生活を垣間見られたりするエリアもあり、多彩に過ごすことができます。
メキシコ(メキシコシティ&カンクン・ロスカボス)
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メキシコシティは11月〜4月にかけて乾季にあたるため、観光のベストシーズンです。12月の最高気温は24℃になりますが、メキシコシティは高地にあるため、日中と夜の気温差があり、最低気温は10℃ほど。上着を持っていくのがおすすめです。
メキシコシティでは古代アステカ文明の遺跡やスペイン植民地時代の建築が融合したエリアを巡ることができます。世界的に有名なレストランやアートギャラリーもあり、観光にはうってつけです。
12月16日から24日まで各地でクリスマスを祝うための「ポサダ」と呼ばれるお祭りが開催され、街中がイルミネーションやポインセチアの花で埋め尽くされます。街角や教会にはキリストの誕生を人形で再現した「ナシミエント」が飾られ、1月6日までお祝いが続くため、年明けまでクリスマスの雰囲気を楽しむことができます。
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メキシコのビーチリゾートの12月〜1月は乾季にあたります。温暖で過ごしやすく、海の透明度も上がるハイシーズンです。カンクンとロスカボスのおすすめの過ごし方をご紹介します。
メキシコ随一のビーチリゾートカンクンは、ビーチリゾートでのリラクゼーションやアクティビティに最適です。足をのばして周辺のマヤ遺跡やグランセノーテを訪れたり、マリンパークでのアクティビティを楽しんだりすることもできます。
バハ・カリフォルニア半島の最南端に位置するリゾート・ロスカボスでは、ホエールウォッチングが12月から4月にかけてシーズンを迎えます。太平洋とコルテス海が交わる地形によって育まれた、生態系豊かな自然に親しむマリンアクティビティやエコツーリズムが盛んです。
ヨーロッパでの特別な体験
クリスマスや年末年始のヨーロッパは、伝統のお祭りが開催されるなど特別な雰囲気が感じられます。今回は、ニューイヤーコンサートが開催されるウィーン、オーロラ体験ができるスウェーデン、クリスマスマーケットが開催されるドイツの旅をご紹介します。
ウィーン(ニューイヤーコンサート)
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ウィーンのクリスマスから年末年始にかけては、街全体がロマンチックなムードになります。11月中旬〜クリスマス頃まで「ウィーン・ドリーム・クリスマス・マーケット」「ベルヴェデーレ宮殿クリスマス村」「マリア・テレジア広場のクリスマス村」などが開催。美しい建物や宮殿が華やかに彩られ、屋台料理や手工芸品が並びます。
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大晦日から新年にかけてのウィーンは街中がお祭りさわぎ。旧市街で開催される年越しイベント「ジルヴェスター街道」は、プンシュやスパークリングワイン、食べものを出すスタンドが並び、ワルツやロックなどさまざまなステージが気分を盛り上げます。なかでもグラーベン通りはワルツの即席レッスンが行われ、街は舞踏会場に早変わり。真夜中になると、市庁舎前広場はカウントダウンとともにイベントが開幕。音楽バンドの演奏がスタートし、集まった人々はワルツを踊りながら新年を迎えます。
元旦には、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが開催。抽選で当たらなければ生では見られませんが、ジルヴェスター街道の一角やプラーターの大観覧車の前でもライブ中継があります。
スウェーデン(オーロラ、クリスマスマーケット)
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スウェーデンのオーロラシーズンは9月から4月にかけて。年末年始にスウェーデンに行くなら北スウェーデンに行くのがおすすめです。なかでもアビスコはNASAが認める「世界で最も晴天率が高いオーロラ観測地」の1つ。オーロラ・スカイ・ステーションでは解説付きの観測もできます。
キルナは北極圏内にある都市で、市内から徒歩数分離れるだけで光害が少なく、オーロラが見えやすくなっています。オーロラ観測と観光やショッピング、グルメを同時に楽しめるのがメリットです。ユッカスヤルヴィは有名な「アイスホテル」があり、宿泊しながらオーロラ観測ができる人気スポットです。
スウェーデンのオーロラ観測のベストタイムは、ちょうど夕食後のデザートが終わる頃からスタート。深夜まで夜更かししなくても、十分に楽しめるのが魅力です。
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スウェーデンでも、ストックホルムやヨーテボリなどでクリスマスマーケットが開催されています。ストックホルム旧市街・ガムラスタンでは、中世の町並みに小さな屋台が並び、手作りの雑貨やスパイシーなホットワインが楽しめます。ストックホルムのスカンセン野外博物館では、伝統的な家屋や衣装の中で楽しむ、昔ながらのスウェーデンのクリスマスが満喫できます。ヨーテボリのリセベリ遊園地のクリスマスマーケットは、500万戸もの美しいライトに彩られた幻想的な空間が魅力。雪の中で思い出に残るクリスマスマーケットを体験できます。
ドイツ(クリスマスマーケット&バーゲン)
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ヨーロッパ各地で開催されているクリスマスマーケットですが、その発祥とされているのがドイツです。ドイツ3大クリスマスマーケットといわれるのが、最古の1つとされるドレスデン、最大級の規模を誇るシュトゥットガルト、最も知名度の高いニュルンベルク。そのほか、ドイツの玄関口・フランクフルトのクリスマスマーケットも歴史があります。
クリスマスマーケットの屋台では、地元のソーセージはもちろん、町の名物料理やスパイスの利いたスイーツや香ばしいナッツ類、ホットワイン、クリスマス飾り、伝統の木のおもちゃ、デザインの可愛いロウソクなど心惹かれる品が並びます。ホットワインのカップは町ごとにオリジナルのデザインがあり、返却すればデポジットが戻りますが、あえて返却せず訪れた町の数だけカップを集めるのもおすすめです。
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年末年始にドイツに行くなら、バーゲンもおすすめ。近年、時期が早くなっており、クリスマス前にスタートしているお店も。ブランド品や家電、オーガニックコスメなど、普段安くならないものを購入してみましょう。
12月31日の大晦日はジルベスターといって、カウントダウンや花火とともに新年を祝ってにぎやかに過ごします。ベルリンのブランデンブルグ門やケルンの花火によるジルベスターが有名。ケルンのジルベスターは、荘厳な大聖堂とライン川上空に花火が打ちあがります。カウントダウンと町中で上がる花火のパノラマを楽しみましょう。
各地のカウントダウン
12月31日から元旦にかけては、世界各国でカウントダウンイベントが開催されています。なかでも盛り上がりを見せる台北、ニューヨーク、シドニーのカウントダウンをご紹介します。
台北(台北101カウントダウン&夜市)
画像提供:台湾観光庁
アジアだけでなく世界各国から旅行者が集まるのが「台北101のカウントダウン」です。台北101は台北で一番高いビルなので、市内のさまざまなところから花火が見物できます。毎年テーマが設定され、華やかなエンターテインメント性の高い花火が上がります。カウントダウンの開始前には、台北市政府前の市民広場では芸能人やパフォーマンス団体が出演するイベントがあり、カウントダウンの雰囲気を盛り上げます。
画像提供:台湾観光庁
カウントダウンにあわせて台北を訪れたら行ってみたいのが台湾の夜市です。士林夜市は台北市で最大規模を誇るナイトマーケット。大餅包小餅、石頭火鍋、士林ジャンボソーセージなどのB級グルメが充実しているほか、インテリアショップ、ブティックなどがあります。全体に価格も手頃なので、路地散策で穴場のお店を見つけるのも楽しいものです。
ニューヨーク(タイムズスクエアのカウントダウン)
世界から100万人もの方が訪れる年越しイベントとして知られるのが、ニューヨークのタイムズスクエアで開かれるカウントダウン。メインステージでは18時ごろから世界的なアーティストのパフォーマンスが会場を盛り上げます。そして、目玉イベントといえるのが「ボールドロップ」。
イベントの始まりの合図は、高層ビル「ワン・タイムズスクエア」のクリスタルボールの点灯。23時59分にクリスタルボールが動き出すとスクリーンは数字がカウントダウンされ、新年を迎えた瞬間に花火と大量の紙吹雪が舞います。現地を訪れたら願いごとを書いた紙吹雪をボールドロップとともに舞い上げるのが醍醐味。一生に一度は体験したい興奮の瞬間が訪れます。
この秋はワン・タイムズスクエアに「タイムズ・トラベル」という体験型の展示がオープンし、ますます注目を集めること間違いなしです。
ニューヨークの年末年始はイベントが盛り沢山。80年以上の伝統があるロックフェラーセンターのクリスマスツリーは、1月中旬まで設置。ツリーの下でアイススケートを楽しむことができます。
ラジオ・シティでは1月4日まで「ROCKETTES」による伝統のクリスマス・ミュージカル・ショーを開催。きらめき輝く衣装、楽しい歌、一糸乱れぬラインダンスが魅力のショーは期間中、毎日公演されています。
このほか、ニューヨーク・シティ・バレエによる「くるみ割り人形」。ブロンクス動物園のホリデー・イルミネーション・フェスティバルなども開催されています。
シドニー(カウントダウン、夏の年末年始)
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シドニーハーバーのカウントダウンも世界中の観光客を魅了しています。花火は午後9時にスタート。真夜中にはハーバーブリッジ、オペラハウスのほか、ハーバー各地に停泊している船から次々に絢爛な花火が打ち上げられ、感動の一言。花火の合間には、海岸や王立植物園で新年を祝うエンターテインメントやアクティビティが開催されます。
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クリスマスや年末年始のシドニーは夏に当たるため、その楽しみを満喫できるのも特別な体験です。夏のシドニーでやりたいことといえば、ビーチリゾートを楽しむこと。サーフィンで有名なボンダイビーチや家族連れにおすすめのクージービーチなど20以上のビーチがあります。海岸沿いには遊歩道やウォーターアクティビティがあり、海辺を歩くだけでもゆったりした夏時間が過ごせます。
また、オーストラリアはテニスのワールドツアーが始まる場所でもあります。各地で行われる全豪オープンの前哨戦に先駆け、シドニーとパースでは男女混合チームによる国別対抗戦「ユナイテッド・カップ」が開幕。各国を代表するスター選手のシングルスとミックスダブルスはお祭りのような盛り上がりをみせるでしょう。
クリスマスや年末年始を過ごすのにおすすめの9つの国や都市をご紹介しました。どのエリアも日本とは違う自然環境や伝統文化があって、特別な体験になるはずです。ぜひ、海外へ羽をのばしに出かけてみませんか。
- 記載の内容は2025年7月現在のもので、変更となることがあります。
