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TEAM ANA 今できる、すべてをここに。

ANA トップクラスの実力を備える客室乗務員のおもてなし術 Read more ANA トップクラスの実力を備える客室乗務員のおもてなし術 Read more
お客様の予想を超えるおもてなしをチームワークで提供する ANAの機内サービスを担当する客室乗務員に委ねられた責任は重大だ。お客様の期待に応える、細やかで良質な機内サービスは当たり前。そこから「さらに何ができるか」が、おもてなしの神髄といえる。ANAのなかでもトップクラスの評価を得た客室乗務員の仕事ぶりを見てみよう。
Text : Masayuki Kishu    Photo : Masahiro Kojima
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客室乗務員 佐藤 由貴乃

「それぞれの役割分担をしっかり行いながら、全体の作業を把握している必要があります」

今回話を伺った3人のなかでもっともキャリアの短い佐藤由貴乃はこう続ける。限られた時間内。舞台裏はかなりの慌ただしさだ。目的地に到着してもそれは続く。鹿児島空港に到着した飛行機は、約30分のインターバルののち、羽田行き622便として引き返すのだ。同じチームの谷村綾香によると、国内線は「スピードが大事」だという。

「私たちは国際線も担当していますが、国内のフライトもあります。国内線であれば、今日のような往復2フライトの日があり、行きも帰りも同じクルーが担当します」

羽田発鹿児島行きのフライトに密着 機内サービスの舞台裏とは

取材日は12月中旬。胸にクリスマスのオーナメントを付けた客室乗務員たちが、足早に乗り込んだ飛行機は、ANA619便鹿児島行き。早朝の出発だったが、機内は多くのお客様で混雑している。定刻から少し遅れて離陸した。

「今朝は4時起きでした。かなり早い方だと思います」

こう語るのは、客室乗務員の辻尾祐香。機長も含めた離陸前のブリーフィングののち、離陸後はいよいよ忙しい。国内線であればドリンク、国際線であれば機内食を、ギャレーのワゴンからお客様にサーブする。サービスの手順は決まっており、慣れた手つきで作業をこなしていく。

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今日が初フライトの新人であっても、高いクオリティのサービスを提供する

帰りの便は、折からの低気圧接近により強風のなかでのフライト。機体はかなり揺れた。コーヒーがこぼれないように、離席時には客室乗務員がさっとフタをしてくれた。

「天候トラブルはまれにあります。そういったときは、状況に適したサービスを行います」(佐藤)

「また今日は、実はOJT(実務トレーニング)が明けたばかりの新人クルーがふたり乗務していました。通常の業務に加えて、彼女たちのフォローも必要でしたので、細心の注意を払って仕事に臨みました」(谷村)

客室乗務員 谷村 綾香
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たとえ新人だからといって、サービスに抜かりはない。先述のフタをするちょっとした気配りは、新人クルーによるもの。だがそれは、当たり前かもしれない。というのも、2ヶ月にわたる座学と、社内の試験を経てここに臨んでいるのだから。

「自分たちの新人時代より、なんだかすごくしっかりしている気がします(笑)」(佐藤)

「最初のころは失敗ばかりでした。先輩に気を遣うことに必死になって、自分で率先して仕事をしようとした結果、逆に先輩の仕事を増やしてしまったり。それでもお客様にご迷惑をおかけしないことは、新人時代からずっと気をつけてきました」(谷村)

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おもてなしコンテストで優勝した高い意識と深い知識

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コンテストでは、ビジネスクラスでのお客様へのサービスを、機内を再現したモックアップで披露する。約1時間30分にわたり、本番に準じたサービスの段取りを見られるのだという。「歩き方、チーム内でのアイコンタクトなど審査項目は数十項目あります」と佐藤は語るが、見られるのはそればかりではない。

「お食事に合うワインの知識や、お客様へのプレゼンテーションの方法など、マニュアルに載っていないことも審査の対象になります。そのため自主的に勉強しないといけません」(谷村)

3人とも口を揃えて「優勝した実感はない」というが、運良く彼女たちのサービスを受けられることになったお客様は、きっと実感いただけるに違いない。そのことは、優勝チームだけに与えられた、胸元に光るピンバッジが証明している。

一人前の客室乗務員としてこのフライトを担当した新人は、もしかしたら幸せかもしれない。実は今回話を聞いた3人は、ANAが毎年開催する「おもてなしコンテスト」で出場30チームのなかから見事優勝を飾ったのだ。

「いい機会だからと、上司に勧められてエントリーすることになりました。正直自信なんてまったくありませんでした」(辻尾)

客室乗務員 辻尾 祐香
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日本人らしいサービスとは?またANAを選んでいただくために

当然のことだが、コンテストの優勝を目的として日々仕事をしているわけではない。これらの知識ひとつひとつはANAのノウハウとなり、お客様へのサービスへと還元されていく。

「ANAはフルサービスキャリアですから、お客様の期待値は高いものと考えています。それを超えて『また乗りたい』と思っていただくために何ができるか、常日ごろから考えるようにしています。たとえば国際線の場合、渡航先にステイするのですが、そこで得られた経験はお客様にご紹介できるとっておきの情報になります」(佐藤)

そういったスタンスは、現場のスタッフ一人ひとりに共通しているようだ。

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「お客様の気持ちにより添うことが前提だと考えています。日本人らしい、さりげなく行き届いたサービスが理想だと思うのです。また一方で、基本も大切です。身だしなみには、特に気をつけています」(谷村)

「毎日違うメンバーと仕事をしていますから、どれだけ早くチームワークが作れるかがカギだと思っています。お客様へはもちろんですが、機内のクルー同士も笑顔であいさつするなど、円滑に仕事ができることが大事だと思います」(辻尾)

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最後に、ひとりの乗客として乗りたいかどうかを訪ねると、全員口を揃えて、「はい」という。いささか気恥ずかしそうだったが、他ならぬ彼女たち自身が、自分たちの提供するサービスに自信を持っていることの現れといえるに違いない。

  • 客室乗務員辻尾 祐香/佐藤 由貴乃/谷村 綾香
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