記念となる第50回大会を迎えた今年のANAオープン。最終日の朝には小雨が降ったものの、初日から好天に恵まれ大勢のギャラリーが勝負の行方を見守りました。
最終日、トータル17アンダーの単独トップでスタートしたのはプロ17年目で初優勝をめざす永野竜太郎選手。その永野選手を2打差で追うのはトータル15アンダーのS・ノリス選手、さらに1打差のトータル14アンダーの岩﨑亜久竜選手と金子駆大選手でした。
小雨の中で我慢のプレーを強いられた永野選手は12番ホールまでスコアが動かず、13番ホールでようやくバーディーを奪うも、続く14番ホールではボギー。16番ホールではさらにバーディーを獲るも、結果はトータル18アンダーにとどまりました。
Position | Score | Player | Total |
---|---|---|---|
1 | -20 | 岩﨑 亜久竜 | 268 |
2T | -18 | 金子 駆大 | 270 |
2T | -18 | 永野 竜太郎 | 270 |
中盤から順調にスコアを伸ばしたのが岩﨑亜久竜選手。2番ホールでダブルボギーをたたくも、その後5番ホールから11番ホールまでに4つのバーディーを重ねます。そして続く12番ホールのイーグルをきっかけに一気に単独首位に躍り出ました。その後17番ホールでさらにバーディーを奪い、トータル20アンダーで最終の18番ホールを迎えます。岩﨑選手はティーショットを左の林に入れてしまうも、見事なリカバリーショットでグリーン右サイドにもっていきパーセーブ。トータル20アンダーでフィニッシュし、最終組のプレーを見守ります。その後、1打差の19アンダーで追いかける金子駆大選手が最終18番ホールをボギーとして、岩﨑選手のANAオープン初優勝が決まりました。
この勝利で岩﨑選手は今シーズン初優勝、そしてツアー通算2勝目を挙げました。自身のツアーデビュー戦となった2021年の本大会では惜しくも予選落ちとなりましたが、3年後の今年に見事栄冠を手に。優勝スコアのトータル20アンダーは、1994年大会で尾崎将司選手が記録した大会レコードに並びました。
毎年多くの選手がすばらしいプレーを見せるANAオープン。来年はどのようなドラマが生まれるのか──
1年後の輪厚が今から楽しみです。
──優勝が決まった瞬間の気持ちを教えてください。
決まった時は湯本キャディと一緒にいて、2人で喜びを共有できました。とてもうれしかったです。
──去年の初優勝からどのように過ごしましたか。
去年の日本オープンで勝った後はずっと調子が悪くて、今年の横浜ミナトでやっと自分のゴルフができるようになってきました。2勝目できるのか自分でもわからない状態だったので今日優勝できて良かったです。
──2番のダブルボギーの後、どのように気持ちを切り替えたのでしょう?
ダボのことは気にせず、自分ができることをコツコツやりました。
──途中でリーダーボードは見ましたか?
前半は自分のスコアも良くなかったので、そこまで気にせず目の前のことだけに集中してプレーしていました。後半の11、12番でスコアを伸ばせたので、ボードを見ました。自分の位置を把握して、キャディと相談しながらプレーできたと思います。
──今日はほとんどドライバーを使わなかったようですね。
昨日のラウンドでだいぶドライバーの自信を失くしていたので、前半は一度も使ってないです。成功するイメージが鮮明なところだけ使いました。フジサンケイも洋芝で練習していたので、ラフからのショットがうまくなり、それが今週うまくいきました。飛びすぎないように、ラフに負けないよう振ることを意識しています。
──7Wはいつも入れているのですか?
フジサンケイから入れています。洋芝のラフから200ヤード残った時など、アイアンだときついときに楽になると思っています。
──18番、ティーグラウンドに立った時の心境はどうでしたか。
アゲンストで難しかったのですが、「ここでバーディを獲ったら確実」とキャディと話していました。今週はドライバーに不安があったのですが、ここでも力が入ってしまいました。打った瞬間は「やっちゃった・・・」とショックでしたね。林に行くと前がたまたま開いていて、残り208ヤードだったのでクラブは5Iを選択しました。木の間は1mちょいくらいで、右ラフでいいかなと思って打ったらうまく抜けてくれました。
──18番の2打目についてくわしく教えてください。
優勝したい気持ちでいっぱいでした。練習場でやっていた低いドローをイメージ通り打てました。
──18番でパーパット決めた瞬間はどうでしたか。
まだ金子選手が19アンダーだったので、まだわからない状況でした。
──通算20アンダーはジャンボ尾崎さんに並ぶレコードです。
日本の代表するプレーヤーの記録に並ぶことができて夢のようです。とてもうれしいです。
──湯本キャディとのタッグはどうでしたか。
小さいころから仲が良くて、なにも気にせず話せる友達です。今週は特にグリーン上で助けられました。後半のスタートでジャンボさんの記録を考えて、「20とったらいけるよ」と二人で話していました。後半は最終組のプレーを気にせず自分のプレーに集中できるよう、20アンダーまでもっていけるよう、守りに入らないようにサポートしてくれました。
──岩﨑選手は2021年のANAオープンがツアー初出場です。記憶はありますか?
マンデーを通って出場して、そこで1打で予選落ちて・・・悔しい思いをした記憶があります。
──そこから3年を経て優勝しました。
フェアウェイキープ率とか今週は本当に悪かったと思います。ラフからの対応とか、パッティングでは成長したと思います。
──海外ツアー志向はありますか?
小さいころから見ていたので出たいですね。アメリカに行きたいです。PGAツアーは見ていて楽しいですから。
──伸ばしていかなければいけないと思っているところはありますか?
ティーショットの精度、球筋のコントロール、スピンコントロール、ショートアイアン、微妙な距離のコントロール、パター・・・たくさんあります(笑)
──次の目標は?
まだ賞金王争いに加われる順位ではないと思うので、残りの試合で優勝して、最後までランキング争いを楽しめる位置までいきたいです。
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