東京都大田区。全社員15人という小所帯ながらデザインから施工まですべて一貫して手がける家づくり職人集団「参會堂」には日本全国からの問い合わせが寄せられる。参會堂に家づくりを依頼するオーナーは各々が描いていた夢を形にし、参會堂自体とも長い付き合いの関係を築いていく。そこには1992年の創業以来、社長である海老原がこだわり続けてきた家づくりへの考え方があった。

家づくりの基礎は、社長の海老原が参會堂を設立する前に勤めていた輸入住宅の仕事から学んだ。特にヨーロッパの家は、自分の理想のライフスタイルを実現していて、不思議と醸し出される心地よさがある。ここで出会った住文化や素材観が海老原が家づくりにおいてもっとも大切にする「家の中を流れる快適な空気」と重なった。デザインやスタイルの好みには100人100様の理想があるが、幸せな生活を実現できる空気感は質の高い素材とつくり手の魂が宿った、生きた家だけが持っている。こうしたこだわりから、国内外問わずよい素材だけを扱い、時間をかけて家づくりをする参會堂のスタイルが確立されていったのである。