九州に日本で先進的な医療技術を用いた、がん治療施設があることをご存知だろうか。
「九州国際重粒子線がん治療センター（以下：サガハイマット）」。
佐賀県と、同県医師会が設立した財団が運営する、全国初の民間による重粒子線治療施設である。
重粒子線治療は、痛みがなく、身体への侵襲が少ない。
そのため入院は不要で、患者は家庭や職場を中心とした、普段と変わらない日常を送りながら治療を受けることができる。

九州自動車道鳥栖ICから約10分。九州新幹線の新鳥栖駅から徒歩3分と立地も好条件だ。
2013年8月2７日の治療開始から1年間の治療患者数は、目標であった200人を大幅に超え、322人となった。2015年2月末時点では631人を数えており、予想を大きく上回る患者数はサガハイマットへの期待の大きさを表している。
まだ聞き慣れない人もいるであろう「重粒子線治療」。今月は、その治療の特長と可能性について紹介する。