『どうも長引くな』と感じつつ、原因がわからないままつい放置しがちな咳。まだ風邪が治っていないのかと、症状と付き合い続ける方も多いだろう。しかし、この症状には『ぜんそく』の可能性があると聞くと、驚く人もいるのではないだろうか。幼少期にかかることが多いイメージを持たれがちな『ぜんそく』。自分とは縁のないものだと思っている人も多いだろうが、実は成人以降の発症も増加傾向にある。また、ぜんそくであることに自分で気がつかない『隠れぜんそく』の方も多く存在しており、治療をしていなければ、いつ症状が現れてもおかしくないという。

一方で、長年の研究開発によりぜんそくとの付き合い方も少しずつ変わってきており、継続治療で症状を抑えながらコントロールをすることで、日常生活を支障なく過ごすという考え方が定着してきた。そのぜんそく治療において転機となったのが、『吸入ステロイド薬』の登場だ。それまでは息苦しくなる症状の原因を気道の収縮であるとし、気道を広げることを目的とした気管支拡張薬が使われていた。また、治療は吸入薬よりも内服薬が多く使用されていた。しかし、気道を広げるだけではなく気道の炎症を抑えることにも着目し、直接ぜんそくの原因となる箇所に働きかける服薬方法が開発されたことで、患者さんは出てしまった症状に対処するのではなく、症状が出ることを抑える治療を受けることができるようになった。この吸入という手法に着目し、効率的な形を追求してきたのがグラクソ・スミスクライン株式会社（以下：GSK）である。