BOEING767就航40周年BOEING767就航40周年

2023/08/25更新

ボーイング767フレイターの秘密

ボーイング767にはフレイターと呼ばれる貨物専用機があるのをご存じでしょうか?
あまり馴染みのない機材かもしれませんが、ANAでは2002年の初就航以来20年に渡り、ボーイング767フレイターの運航を続けており、現在でも9機を保有しています。

活躍の場は東南アジアや中国などの中近距離国際線が中心で、コロナ禍で人の移動が制限されていた時期も物流の担い手として大活躍しました。

外見は旅客機とあまり変わりませんが、貨物機ならではの特色がたくさんあります。
今回は、そんなフレイターの秘密の一部をご紹介します。

  • お目に触れる機会が少ない理由
    • フレイターは貨物専用機のため、積むものは貨物のみになります。旅客はご利用いただけないため、旅客ターミナルに駐機する必要はなく、貨物の積み下ろしに便利なエリアに駐機しています。
      旅客ターミナルの展望デッキからも離れた場所に駐機することが多く、皆さまのお目に触れる機会も限られています。

  • フライトスケジュールも通常の旅客便の時刻表には載りません。(貨物機専用の時刻表はありますので、興味のある方はぜひご覧ください)また、旅客便が多く飛行する日中の時間帯ではなく、深夜早朝の時間帯に飛行する便が多いことも馴染みのない理由かもしれません。
  • 旅客機との違い
    • 窓がない

外見は旅客機とあまり変わりませんが、見分けるポイントは窓がないことです。
旅客機で客室にあたる部分はすべて貨物搭載スペースとなっていて、窓は必要ありません。
フレイターには「最初から貨物専用機として造られた機体」と「旅客機を改修した機体」があります。前者には最初から窓はなく、後者も改修の際に窓を塞いでいます。

  • ドアが一つ
    旅客機との外見上のもう一つの違いが、乗降用ドアの数です。
    ボーイング767の旅客機には左右に二つずつ、計四つのドアがあり、翼の上にあたる場所には非常口もあります。
    一方、フレイターには乗降用ドアは一つしかありません。基本的には2名のパイロットしか搭乗しませんので、コックピットへ搭乗するためのドア以外は不要になります。旅客機改修型では窓と同様に塞いでいます。

また、旅客機では緊急脱出の際に展張するエスケープスライドがドアに装備されていますが、フレイターにはありません。緊急脱出の際は天井に据え付けられたワイヤーを使って脱出します。

  • 広い貨物室
    旅客機の客室箇所がすべて貨物搭載スペースになっていて、貨物搭載用の大きなドアがメインデッキに装備されています。

床下の貨物スペース(旅客機の貨物スペースと同じです)と併せて約50トン(運航路線や天候等により異なります)もの貨物を搭載することができます。

  • 操縦室内にキッチン、トイレ完備
    貨物機に客室はありませんので、旅客機では客室に装備されているギャレーやラバトリーも操縦室内に装備されています。
    客室乗務員も乗務しませんので、食事の準備等もすべてパイロットが自分たちで行います。

皆さまのお目に触れることの少ないフレイターですが、ANAのボーイング767機材総数の1/3以上を占め、貨物輸送の需要に応えるべく日夜飛び続けています。
これからボーイング767フレイターにもぜひご注目ください。

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