コンプライアンス
体制の整備・充実、組織への理念浸透で企業価値を守ります。
基本的な考え方
法令を守ることは、企業として存続していくうえで必要不可欠です。ANAグループでは、「法令および法令の趣旨またはその目的となるもの、ならびに法令に基づき発せられる通達等を遵守すること」をコンプライアンスと定義しています。コンプライアンスが会社経営において重要な位置を占めていると認識し、ANAグループの全役職員を対象とした行動準則である「社会への責任ガイドラインPDF 新しいウィンドウで開く。外部サイトの場合はアクセシビリティガイドラインに対応していない可能性があります。」においても、「各国・地域の法令やルールを守る」ための行動を定めています。
推進体制
事業活動に係る法令やその他の規範の遵守を促進するため、「ANAグループ・コンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス体制を構築しています。取締役会の諮問機関である「グループESG経営推進会議」のもと、各社・各部署においては、ESGプロモーションオフィサーが推進責任者として、ESGプロモーションリーダーが牽引役として、ANAグループ全体のコンプライアンスに対する意識の強化を図っています。重要な事項については、チーフESGプロモーションオフィサーから取締役会に付議、報告しています。
主な取り組み
贈賄防止
贈賄防止対策に関しては、各国の贈賄禁止法に対応するために「ANAグループ・贈賄防止規則」を設定し、グローバルレベルでの法的リスクを極小化し、企業価値の低下につながる事態を予防する体制を整備しています。併せて、違反行為が発見された場合の対応についても定められています。また、ANAグループでは、取引関係先との契約において、贈収賄防止・汚職防止への取り組みを条件としています。
法令遵守に関する教育の実施
グループ役職員一人ひとりが各種法令に関する正しい知識を身に付け、適切な判断に基づき行動することができるよう各種教育を実施しています。契約実務、労務、航空運送に関連する法令については、定期的にセミナーを開催し、業務に必要な知識の向上を図っています。また、海外で働くグループ役職員に対しても、競争法や航空運送に関するセミナーを開催し、グローバルレベルでの法的リスクの極小化にも注力しています。併せて、グループ各社や部門のニーズに応じてテーマや内容を調整したオーダーメイド型のセミナーも随時行い、リーガルマインドの醸成を図っています。オンライン上で行うセミナーを充実させるとともに、イントラネット上に教育資料や説明動画を掲載することで、世界のどこからでもグループ役職員が法令について学べる環境を整備しています。
情報発信
イントラネット上にあるコンプライアンスに関するウェブサイトでは、グループ役職員が共通して守るべき行動を示した行動準則を掲載し、「とるべき行動」や「してはいけないこと」を具体的に説明するとともに、社内の研修等で活用できる教材も用意しています。また、当該ウェブサイトには、各種法令・規則等のマニュアルやガイドラインを掲載し、グループ役職員がいつでも確認できる環境を整えています。併せて、法令にかかわる質問についてもウェブサイトから簡単に行うことができるよう整備し、グループ役職員が法令を遵守した適切な判断ができるようサポートしています。上記に加えて、法令改正情報、労務や契約の実務における留意点などをテーマに取り上げ、適宜発信しています。
ハラスメント防止への取り組み
新任管理職研修など各種研修において、職場のハラスメント防止に向けた教育や啓発を実施しており、グループ各社からの要望に応じて、自身の職場に潜むハラスメントの発生リスクと対応策について、より具体的に考える研修も実施しています。加えて、全グループ役職員を対象にeラーニングを通したハラスメント防止教育を実施し、グループ役職員一人ひとりがハラスメントの正しい理解を深め、グループ全体でハラスメントを許さない、より働きやすい職場環境になるよう努めています。
グループ各社におけるコンプライアンスに関する調査の実施
年に1度、全グループ各社において、各種法令の遵守状況に関するセルフチェックを行い、グループ各社およびグループ全体としての課題を点検しています。調査の結果を確認した上で、必要に応じて各社のフォローアップを行い、課題解決につなげています。
グループ各社との連携強化
グループ全体のコンプライアンス体制の強化を目的として、当社法務部門と各グループ会社との連絡窓口を明確化し、双方向でコミュニケーションを取りやすい体制を構築・運用しています。
内部通報制度
「ANAグループ・内部通報取扱規則」に基づき、グループ内およびグループ外(弁護士事務所)に通報窓口(ANAアラート)を設置し、グループにおけるコンプライアンスにかかわる情報の把握および課題の解決に努めています。この通報窓口は、派遣社員などを含むANAグループの業務を担っている全役職員、退職者に加えて取引先の役職員も利用可能で、相談者およびその関係者のプライバシーが保護され、相談または事実関係の確認に協力したことを理由に不利益な取り扱いが行われないことが約束されています。これにより、社内のリスク情報を可及的速やかに把握し、自浄作用を発揮することができます。また、イントラネット上にある内部通報ウェブサイトから直接通報することができるよう通報フォームを導入したことにより、利便性が向上し、通報件数は増加傾向にあります。2023年度は、グループ全体で273件の通報があり、信頼性・実効性のある内部通報制度としてグループ内に浸透しています。
コンプライアンス違反が認められた場合
コンプライアンス違反が認められた場合には、グループ各社で定めている規程に基づき、懲戒処分を行うなど、厳正に対処しています。
内部監査
ANAグループ監査部門は、グループの事業運営における管理・運営の制度および業務の遂行状況を合法性、合理性、企業倫理の観点から評価することを目的として内部監査を実施しており、コンプライアンスについても内部監査の中で各社・各部門の推進体制や運用状況等を監査、評価しています。