ジェンダー平等に関する取り組み
2023年のグローバル・ジェンダーギャップ・ランキングでも日本は125位にとどまり「女性が社会の様々な場面において意思決定に関わる」という点では、世界の国々に比べ課題があると言えます。そのような環境下、ANAグループはダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを経営戦略の一つとして捉え、企業文化や意識の変革、定量的な目標設定、支援体制の整備などに取り組んでいます。
ANAグループではダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの推進によって、世界で働く社員がお互いを尊重し、ジェンダーやその他の多様性に関わらず、個々の力をチームとしての成長と価値創造の源泉にする企業を目指しています。
私たちはこれまでも、ジェンダー平等の視点に基づいたマーケットとのコミュニケーションやアスリートやアーティストへのサポートに取り組んできました。
社内においても、女性比率が低い技術系の仕事についてはその向上を図るとともに、国際航空運送協会(IATA)の25BY2025プログラム*に参画し、中期的ゴールを設定しています。今後は、次世代を担う女子学生が理系も含めた幅広い領域に関心を持つためのプログラムや、情報発信にも更に力を入れていきます。
仕事と生活の両立において育児や介護などの負担が大きくなりやすい女性が、より自分らしく社会で活躍するために、私たちはEquityを尊重し、公正な支援と機会の提供に向けて行動していきます。
- 2025年末までに女性の少ない部門(技術・運航)における女性社員数を2019年比で25%増加
ANAホールディングス株式会社
代表取締役社長
芝田 浩二
私たちの目標
2021年6月、ANAグループでは意思決定の場における女性比率の向上について中期目標を策定しました。
2020年代の可能な限り早期における女性役員・女性管理職比率30%以上の実現に向け、多様なグループ会社や部門、それぞれの職場に応じた人事・サポート制度の見直しや能力開発・意識醸成といったアクションを進めています。
中期目標:2020年代の可能な限り早期における30%の実現
(2024年4月現在)
※ANAグループ:ANAホールディングス+マネジメントルール適用37社 計38社
主な取り組み
-
管理職向け研修の実施
女性社員を含む多様な社員一人ひとりの能力を活かしチームや組織の力に変えていくため、管理職を対象に部下育成やコミュニケーションのヒント、チームの在り方など具体的な行動化について学ぶ研修を実施しています。
-
キャリア支援に向けた取り組み
社員の成長支援策として、女性リーダー(課長)層を対象としたスポンサー制度や成長支援プラットフォーム(各種研修、ロールモデル紹介、異業種交流等)を構築しています。
-
「仕事と育児の両立支援セミナー」開催
仕事と育児の両立支援の一環として、育児休職中の社員とパートナーも参加可能なセミナーを年に2回開催しています。セミナーでは、各種制度の説明や企業内保育園の紹介、ロールモデルインタビュー、復職後の育児体制や両立の工夫点、外部支援の利用方法等について紹介しています。登壇者からのアドバイスを通じて、両立への不安払拭を行い、円滑な職場復帰に備える機会としています。
-
ジェンダー平等について考える機会づくり
国際女性デーを機に、トップマネジメントによる航空業界におけるジェンダーバランスについてのパネルディスカッションの実施や、社内食堂において国際女性デーをイメージした食事提供と共にジェンダー平等実現に向けた社員からのメッセージやアイディアを共有するイベントを開催しました。
-
ICAO Global Aviation Gender Summit 2023に参加
ICAO(国際民間航空機関)グローバルアビエーションジェンダーサミットでは航空行政や企業・団体から約1,000名が参加し、SDGs目標とICAO のジェンダー平等プログラムの実現に向け議論が実施されました。ANAグループは、今回サミットにてDEI推進やジェンダー平等に関する取り組みと成果について発表しました。
-
国連グローバル・コンパクト Leaders Summitに参加
ANAグループのジェンダー平等に向けた取り組みについては2021年6月の国連グローバル・コンパクトLeaders Summit(180ヶ国から約22,000名が参加)で発表の機会を得ました。
-
IATA ダイバーシティ & インクルージョン アワードを受賞
DEIの推進を通じて航空業界の活性化に積極的に取り組む企業として、2021年10月には、国際航空運送協会(IATA)が主催するダイバーシティ&インクルージョンア ワードの「D&Iチーム賞」を本邦航空会社として初めて受賞しました。
外部イニシアティブへの参画
ANAグループは、社員一人ひとりの能力を最大限発揮するための環境整備に積極的に取り組み、よりよい社会づくりに貢献しています。グループ全体での女性活躍推進体制を加速させるために以下の組織の取り組みに参画しています。
-
女性のエンパワーメント原則(WEPs)に署名
国連グローバル・コンパクトとUN Womenが進める、企業経営者のリーダーシップによるジェンダー平等の促進等を示した、「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」に2017年に署名いたしました。
-
「30% Club Japan」に加盟
企業の持続的成長を促進するために、重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目指して活動する 「30% Club Japan」の趣旨に賛同し、加盟しています。
-
IATA「25by2025」に加盟
ANAは、国際航空運送協会(IATA)の女性活躍推進に関する取り組み「25by2025」に参画しています。
2025年までに上級職や、女性が少数派である分野における職種において活躍する女性の人数拡大を目指しています。