

第18-003号
2018年4月27日
平成30年3月期決算について
ANAホールディングスは、本日4月27日(金)、平成30年3月期決算を取りまとめました。詳細は「平成30年3月期決算短信」をご参照ください。
1.平成30年3月期の連結経営成績・連結財政状態
- (1)概況
- ・当期のわが国経済は、企業収益及び雇用環境の改善が続く中、個人消費の持ち直しが見られる等、景気は緩やかに回復しました。航空業界を取り巻く環境は、国内・海外経済の緩やかな回復が続く中で、訪日外国人の増加等により、需要は概ね堅調に推移しました。
- ・機内や空港サービスにおいて、お客様利便性の向上と競争力の強化に努めた結果、英国スカイトラックス 社から、顧客満足度で最高評価となる「5スター」に6年連続で認定されたことに加え、米国エアトランスポートワールド社から、航空業界において最も権威ある賞「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。また、「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」において、航空運送分野としては、初めて内閣総理大臣表彰を受賞しました。
- ・経済産業省と東京証券取引所から、従業員の健康管理を経営戦略的に取り組んでいる企業として「健康経営銘柄2018」に初めて選定された他、女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」に3年連続で選定されました。
- ・主力事業である航空事業において、旺盛な需要に支えられ、国際線旅客、国際線貨物が好調に推移したことや、当期から連結子会社となったPeach・Aviation(株)の収入が加わったこと等により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも3期連続で過去最高を更新しました。
結果として、平成30年3月期の連結経営成績は売上高が1兆9,717億円、営業利益は1,645億円、経常利益は1,606億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,438億円となりました。
- (2)航空事業
①国内線旅客- ・10月に発生した台風や本年1月及び2月の降雪の影響を受けたものの、需要に応じた各種割引運賃を設定したことに加え、訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
- ・6月から中部=宮古線を新規開設し、夏季の一部期間において羽田=沖縄線のギャラクシーフライトを運航した他、ウィンターダイヤからの広島空港の運用時間延長に伴い、羽田=広島線の最終時間帯に増便する等、需要の取り込みを図りました。また、地域活性化、訪日旅客増加を目的に、国内外に発信するプログラム「Tastes of JAPAN by ANA -Explore the regions-」を12月から開始しました。
- ・新たに9月より運航開始したエアバスA321neo型機には、全席にタッチパネル式パーソナルモニターを完 備した他、10月よりプレミアムクラスにおいて、羽田発着の一部路線のメニューを一新するとともに、昼食のご提供時間を拡大する等、機内サービスの充実を図りました。また、新千歳空港では、9月に隈研吾氏監修のもと、国内線プレミアムメンバー向け最上級ラウンジ「ANA SUITE LOUNGE」と「ANA LOUNGE」が新しくオープンした他、11月からは、出発カウンターのレイアウトを変更し、自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」サービスを導入する等、お客様の快適性、利便性の向上に努めました。
結果として、国内線旅客収入は114億円の増収(前期比1.7%増)となりました。
- ②国際線旅客
- ・国際線ネットワークの拡充に伴い、日本発ビジネス需要が好調に推移していることに加え、旺盛な訪日需要を取り込んだこと等により、旅客数・収入ともに前年同期を上回りました。
- ・8月から羽田=ジャカルタ線、10月から成田=ロサンゼルス線を1日2便へ増便し、首都圏発着のビジネス需要に加え、国内地方空港やアジア=北米間の接続需要の取り込みを図りました。ホノルル線にフルフラット・シートの「ANAビジネス・スタッガード」と「プレミアムエコノミー」を提供し、旺盛な需要の取り込みに努めました。また、訪日需要の更なる喚起に向けたプロモーション活動を強化する等、新規の需要喚起に努めました。
- ・6月より国際線のファーストクラス・ビジネスクラスで提供するワイン・シャンパンのメニューを刷新した他、 9月より国際線全路線のエコノミークラスに日本酒の提供を拡大したことに加え、お客様からの投票で選ばれた機内食の人気メニューを、12月から日本発のプレミアムエコノミーとエコノミークラスで提供する等、サービスの向上に努めました。また、食物アレルギーを持つお子様が、より安心な空の旅をお楽しみ頂けるよう、本年3月よりお子様向けのアレルゲン対応機内食の提供を開始しました。
結果として、国際線旅客収入は806億円の増収(前期比15.6%増)となりました。
- ③貨物
- ・国内線貨物は、需要が好調な国際線との接続貨物を取り込んだ他、沖縄=羽田線の貨物臨時便を設定する等、増収に努めましたが、航空貨物需要全体が低調に推移したことや、宅配貨物の取り扱いが減少したこと等により、輸送重量、収入ともに前期を下回りました。
- ・国際線貨物は、北米・欧州向けの自動車関連部品や電子機器などの旺盛な貨物需要を背景に日本発海 外向けは好調に推移しました。海外発において、アジア・中国発の日本向け貨物が好調に推移したことに加え、中国発北米向けの三国間貨物を取り込んだ結果、輸送重量・収入ともに前期を上回りました。
結果として、国内線貨物収入は1億円の減収(前期比0.5%減)、国際線貨物収入は247億円の増収(前期比26.5%増)となりました。
- ④その他
- ・マイレージ附帯収入、バニラ・エア(株)の収入、当期から連結子会社となったPeach・Aviation(株)の収入、機内販売収入、整備受託収入等で構成される航空事業におけるその他の収入は、2,859億円(前期比36.9%増)となりました。
- ・バニラ・エア(株)では、機材を前期より3機増機して15機での運航体制とし、国際線では本年3月から福岡=台北線を新規開設しました。当期におけるバニラ・エア(株)の輸送実績は、旅客数は2,677千人(前期比25.7%増)、座席キロは4,981百万座席キロ(同18.0%増)、旅客キロは4,260百万人キロ(同17.6%増)、利用率は85.5%(前期差0.3%減)となりました。
- ・Peach・Aviation(株)では、機材を前期より2機増機して20機での運航体制とし、国内線では、9月から仙台=札幌線、札幌=福岡線、本年3月からは関空=新潟線を新規開設しました。国際線では、仙台=台北線、札幌=台北線を新規開設しました。当期におけるPeach・Aviation(株)の輸送実績は、旅客数は5,120千人、座席キロは6,851百万座席キロ、旅客キロは5,951百万人キロ、利用率は86.9%となりました。
- (3)航空関連事業・旅行事業・商社事業・その他
- ・航空関連事業では、羽田空港、関西空港における空港地上支援業務の受託増等により、当期の売上高は2,843億円(前期比7.5%増)、営業利益は106億円(同28.0%増)となりました。また、国際物流を担う(株)OCSは、拡大する需要を取り込むために新たな物流拠点「東京スカイゲート」を9月に開設しました。
- ・旅行事業では、国内旅行は集客が伸び悩んだこと等により、売上高は前期を下回りました。海外旅行は、ハワイに加え、北米方面の取扱高が好調に推移したこと等から、売上高は前期を上回りました。また、訪日旅行では競争激化の影響により取扱高は前期を下回りました。これらの結果、当期の売上高は1,592億円(前期比0.8%減)、営業利益は37億円(同0.1%増)となりました。
- ・商社事業では、リテール部門は国際線旅客数の増加や訪日旅客の嗜好変化にあわせた商品の充実等により、加えて航空・電子部門で半導体の取扱高が増加したこと等から、売上高は前期を上回りました。当期の売上高は1,430億円(前期比4.6%増)、営業利益は45億円(同2.8%増)となりました。
- ・不動産関連事業や航空保安警備事業が堅調に推移したこと等の結果、当期のその他の売上高は387億円(前期比11.3%増)となり、営業利益は27億円(同102.3%増)となりました。
- (4)連結財政状態
- (5)連結キャッシュ・フロー
2.平成31年3月期の見通し
- ・今後の経済の見通しについては、海外景気の下振れ、通商問題の動向、欧州・中東におけるテロや紛争等、景気を下押しするリスクが懸念されるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果等もあり、緩やかに回復が続くことが期待されています。
- ・このような状況の下、ANAグループでは、今年2月に策定した「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」を確実に遂行し、「世界のリーディングエアライングループを目指す」という経営ビジョンの実現達成を目指します。
- ・フルサービスキャリアにおいて、国内線では既に実施している機内Wi-Fiインターネットの無料化や、本年10月よりシンプルでわかりやすい運賃ラインナップへの変更を実施します。国際線では本年6月から羽田=バンコク線を1日3便へ増便する他、本年10月よりアリタリア航空とのコードシェアの実施、2019年春にホノルル線へのエアバスA380型機の導入予定など新しいサービスの導入、販売促進等に努めていきます。また、貨物事業では新たな需要の取り込みを図り、引き続き収益基盤の強化を目指します。
- ・LCC事業では、2019年度末までにバニラ・エア(株)とPeach・Aviation(株)の統合を完了し、お客様満足・マーケットシェアにおいて「アジアのリーディングLCC」を目指していきます。
これらにより平成31年3月期の連結業績見通しは以下の通りとなります。なお、配当につきましては、 1株につき70円を予定しております。
以上
添付資料: