CONVERSATION4
貨物・物流
ANA 人事部
ANA人財大学 業務推進・
採用チーム
キャリア採用担当
土方 さやか
株式会社ANA Cargo出向
グローバルマーケティング部門
グローバルマーケティング部
マーケティング企画課
マネジャー
今岡 和哉
株式会社ANA Cargo出向
グローバルマーケティング部門
グローバルマーケティング部
ネットワーク企画課
アシスタントマネジャー
田中 研一
2019年・2020年に
現在、貨物・物流部門で働いている 2名の社員にお話を伺います。
Chapter 1
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土方 さやか
(以下:土方)入社後~現在の仕事内容を教えてください。
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今岡 和哉
(以下:今岡)現在の主な仕事は、①航空貨物のマーケティング活動(顧客ニーズの把握や市場調査・ 分析 )で、顧客であるフォワーダーや荷主、関連団体へのヒアリングなどが中心の業務となっています。
また、②航空貨物の商品・サービスの開発・改良にも取り組んでおりまして、特殊商材(直近では医薬品や動物輸送)の更なる取り扱い拡大のため、新たなサービスの企画、既存商品改良・ラインナップの拡充、対外PR強化(HP、業界媒体への広告、販売ツールの開発)などを行っています。
また、 コロナ禍においては、③特定商材のプロジェクト企画・推進が、大変重要な仕事になりました。具体的には、新型コロナワクチンや治療薬の輸送です。これまでANAでは取り扱いのなかったマイナス70℃で大量なドライアイスを必要とする新型コロナワクチンの輸送は大きな挑戦でしたが、 自分自身が『新型コロナワクチン輸送プロジェクト』のリーダーとして、関連部署と連携し輸送を実現させることができました。
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田中 研一
(以下:田中)私は2020年4月から半年間は今岡さんと同じマーケティング企画課に所属し、9月から現在までネットワーク企画課に所属しています。主な仕事は、①自社/他社の運航実績の分析、事業戦略の策定です。路線ごとの特性や収支を分析・予測することで「月次・年度・中期の事業戦略を練り、機材リソースの最大活用を考えること」が最も主要な業務となっています。
その際に重要な、②貨物機やNO PAX便(旅客搭乗のない貨物搭載のみの旅客機)の運航コスト管理や収支試算の業務も担っています。同じ課の運航計画チームが需要 × 路線 × 機材 の最適な組み合わせが見つけられるよう努めています。
また③貨物事業に関する投資家向けのIR情報の作成業務も大切な業務です。コロナ禍において貨物事業が大きく成長したことを受け、投資家からの注目が非常に高まっています。実績だけでなく今後の市況見通しや当社のアピールポイントを正確にお伝えしています。
Chapter 2
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土方
前職の仕事内容と、当時転職を考えたきっかけを教えてください。
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今岡
前職は、自動車生産に必要な自動車部品のサプライチェーンに関する仕事をしていました。具体的には、自動車メーカーや部品メーカー向けに対し、部品の輸出入・海外間調達における「商流・物流の最適なサプライチェーン」の提案を行い、受注後は部品及び物流の品質管理と共にジャストインタイムの供給を実現し、国内外の自動車生産に対して力を尽くしてきました。
私が転職を考えたきっかけは、前職には約10年間在籍して多くを経験し学びましたが、この先20年、30年を考えたときに、将来像を描きにくくなっていたことです。
新卒時に海外勤務の希望を持って前職に就職したのですが、在職中にその夢が叶ったことも転職を考えたきっかけの一つです。「仕事のステージを変えて、次の夢を追ってみたい」という気持ちが次第に強くなりました。
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田中
前職は、航空・海上・ロジスティクスで物流を支える国際総合物流企業(フォワーダー)で、日本ではNo.2のシェアを誇る会社で働いていました。
前職時代に成田空港で勤務していた時期があり、ANAは取引先の航空会社の一つでした。当時ANA側の担当の皆さんが私と同年代ということもあって仲良くさせて頂いていました。 その後転勤となり成田から離れたのですが、2019年8月頭、その中のお一人と数年ぶりに東京で食事をしました。その時、冗談交じりだったと思いますが会話の中で「田中さんもANAに来てくださいよ~」と言われまして、帰宅後に何気なく調べてみました。すると、なんとその日がキャリア採用のエントリー締切日だったのです。運命的なものを感じ、急いでエントリーシートを作成・提出。WEB適性検査も受けて、締め切りの2時間前に駆け込みエントリーしたことを覚えています。エントリーのための作業をしながら、子供の頃から航空機が好きだったこと、国際物流業界に今までとは別の視点・立場からも携わってみたい(フォワーダーから航空会社へ…)、前職で航空畑のキャリアを歩んできたから知識・経験が活かせるのでは…? 等々、短い時間で色々なことを考えました。
そして何より、当時の取引先のANAの方々がみな明るく、気持ちの良い性格の人ばかりで「一緒に働きたい!」という期待が膨らみました。「社員一人ひとりの想いを大切にし、挑戦する姿勢を伸ばす社風」であることも自分の価値観と一致していました。
実際に入社してみると、やはり社員の方々は向上心が高く、お客様や会社、航空業界のことを真剣に考えている方が多いと感じました。また、貨物部門の中には想像以上に多くの部門や業務がありました。顧客(前職のフォワーダー)目線ですと、営業部門・予約窓口部門・スペース調整する部門・現場、くらいしか思いつかなかったので驚きました。
Chapter 3
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土方
入社後、やりがいや達成感を感じた仕事を教えてください。
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今岡
これまでで最もやりがいと達成感を感じたのは、自分自身がプロジェクトリーダーとして携わった『新型コロナワクチン輸送プロジェクト』です。情報収集から始まり、安全な輸送のためのハンドリング構築やイレギュラーマニュアルの作成、トライアル輸送、そして本番輸送…。この『新型コロナワクチン輸送プロジェクト』にはANAの多くの関連部署に協力を仰ぎ、これまで大きな問題なく輸送ができています。詳細は、ANA Cargoのホームページにも紹介されていますので、ご一読頂けますと概要や輸送のプロセス、現場の雰囲気なども伝わるのではと思います。
ワクチン輸送の初便は、成田空港で立ち合いをしましたが、失敗はできず…。前日の夜はプレッシャーでほとんど眠れませんでした。ワクチンが航空機から取り降ろされ、お客様に引渡しが完了した時は、非常に安心しました。
一方、世間の注目度も非常に高く、初便は安全と保安上の理由からメディア公開をしない方針であったにも関わらず、大きくニュースに報じられました。また後日、テレビ局からの取材に対応するなど各方面へご説明やフィードバックを行う中で、自分自身の仕事が会社の利益だけでなく、社会の役に立っているのだと改めて気付かされ、大きな達成感を感じました。
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田中
『新型コロナワクチン輸送プロジェクト』は、「安全」「お客様視点」「社会への責任」「チームスピリット」「努力と挑戦」という点で、プロジェクトに関わるメンバー全員の『ANA's Way※』が発揮された、まさにANAらしいプロジェクトでしたね。
(※『ANA's Way』については、こちら をご参照ください。)→一例です
Chapter 4
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土方
それでは、田中さんが「やりがいや達成感を感じた仕事」について、教えて下さい。
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田中
やりがいや達成感ということで、まず思い出すのは、入社してすぐに配属されたマーケティング企画課での出来事です。当時、「日々の輸送商材を分析して営業部門へ報告する」業務を任されました。従来のやり方では「荷主企業名・輸送品名などの実績データを羅列して、営業部門へメール配信する」という作業的な業務だったのですが、その実績データの量が非常に多かったのです。この膨大で貴重なデータを活用しないともったいない、と思いました。
そこで前職の知識を活かして、ターゲット産業のキー企業や商流の特性などの情報を、客観的なデータと主観的なコメントを交えて営業部門へ細かく報告するようにしました。毎日トピックを変えながら記事を書いている感じです。
次の商談や案件獲得に繋げる示唆になるよう工夫したことで、営業担当者を始め社長や海外駐在員など様々な方から反響を頂きまして、大きな達成感を感じました。コロナ禍に入ってからのことになりますと、旅客需要は大きく落ち込みましたが、逆に貨物は活況になりました。人々の移動は止まっても、経済は回り続けるので貨物輸送は止まりません。世界中で旅客便が運休となったことで貨物を輸送する供給量も激減しましたが、マスク・医療品・ワクチン・自動車部品・半導体など毎月目まぐるしく需要が変化し増えていきました。
社内外で貨物事業に対する注目度が上がったことで、貨物部門のリクエストに運航管理部門・整備部門・空港など様々な部門が応えてくれました。このような環境で仕事をすることで、これまで以上に社会的責任とやりがいを感じました。
Chapter 5
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土方
将来、実現したいキャリアや夢を教えてください。
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今岡
私は将来、貨物事業だけでなく旅客事業にも携わり、ANAの"世界での知名度"やプレゼンス向上を目指していきたいと考えています。ANAを「世界を代表するエアライン」に成長させ、旅客・貨物共に、価格で選ばれるエアラインではなく、安全や品質でお客様から選ばれるエアラインに成長させたいです。ANAをきっかけに日本に興味を持って訪日する外国人の方々を増やしていきたいと思っています。また、海外駐在や宇宙事業にも興味があります。
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田中
入社以来、多様な業務がある貨物事業のうち私が直接携わったのは"ほんの一部"ですので、多くの部署を経験して見識を広げ、世の中に貢献できる国際物流のプロになりたいと考えております。現在は社内外との接点があまりありません。私はお客様と接する業務や貨物の近くで働くことも好きなので、将来はこれらが揃う海外拠点に挑戦したいです。また同時に航空会社のANAの他事業も深く理解すべく、キャリア採用組としては積極的に社内の人脈を広げたいと思います。
プライベートでの夢は、国内外のANAの就航都市の全てを旅することです。特に、息子(まだ2歳なのですが)とは将来、男二人でユーコン川をカナディアンカヌーで川下りをすることが夢です。ユーコン川は、社会人2年目の時に気心の知れた大学時代の先輩達と訪れたことがあり、カヌーで川下りしながら大自然の中でキャンプ生活した体験は、私の人生のハイライトです。今度は息子と一緒に、あの感動と大自然の素晴らしさを味わいたいです。
Chapter 6
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土方
将来、ANAのグローバルスタッフ(GS)職、その中でも特に、貨物・物流で一緒に働く仲間にメッセージをお願いいたします。
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今岡
ANAに向いている人は、一つは「新しいことにチャレンジし、成長したい人」です。貨物事業は、コロナ禍で事業の重要性が再認識され、現在多くの新しいことに取り組んでいるため自社・他社を問わず色々な経験や専門性を持つ人を必要としています。自分と異なる立場や違う意見・考え方を持つ人と協力し、同じ目標に向かってチャレンジできる人が求められます。
二つ目には「仕事を通じて、社会に役立ちたいと考えている人」です。航空貨物輸送は、社会インフラとして日々の生活に不可欠なものを多く輸送しています。自分自身の仕事が誰かのために役立っていることを感じ、やりがいや達成感に繋がり、さらには次の課題解決へ取り組むときのモチベーションの向上に繋がるからです。
ANAの貨物部門はキャリア入社の社員も多いため、"プロパー社員とキャリア入社組"みたいな垣根は無いので、そこは安心してチャレンジして欲しいと思います。充実した研修制度と、分からないことは誰にでも聞ける雰囲気もありますので、会社や業務に慣れるのに時間は掛かりません。私も初めての転職がANAで、転職後の仕事内容や会社に馴染めるかという点を不安に思っていましたが、その心配は全く不要でした。
貨物事業では「グローバルトップ5」の実現に向け、様々な挑戦を続けています。また、ANA Cargoでは大型貨物機であるB777Fの追加購入が決定しました。こちらにも興味があれば是非応募して、皆さんが持つ色々なバックグラウンドを生かして、ANAを一緒に成長させていきましょう!
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田中
いまANAの社員に求められているのは「自らやりがいを見つけることができ、成長し続けたいと思う力」なのでは、と思います。コロナ禍の前と後では、貨物事業の体制も大きく変わりました。コロナ禍を機に大規模な構造改革を行ったことや、営業戦略を見直したことで着実な成果が出てきたからです。これから、この活況が落ち着いてきた時こそ真価が問われます。その中で「更に事業を成長させようと考え、行動する人」が活躍できると思うのです。
この点を踏まえた上で"ANAに向いている人"とは、まず「相手のことを理解し、チームで協力し合える人」です。ANAでは様々な人や部署、関連会社等と共に仕事を進めることが多いので、これはグループ内で広く求められるポイントだと思います。
また「バイタリティがある人」も"ANAに向いている人"です。これはANAの社風だとも思いますが、社員にはエネルギッシュで明るく何事にも熱心な方が多いです。まさに、ANAの合言葉である「あんしん、あったか、あかるく元気!」に共感できるか、ということがポイントだと思います。
さらに「最初に手を挙げることができる人」である、ということも重要だと思います。学生時代、誰も手を挙げずにシーンとなる場面を経験されたことはありませんか。自信がない、恥ずかしい、誰かが発言してから続きたい、など様々な理由があるでしょう。でもそれを乗り越えて「最初に手を挙げることができる人=自分の意見を持ち、全体のことも考え、自ら率先して動ける」という人が"ANAのGS職として働く人"を表す言葉なのだと思います。
ANAの貨物・物流領域へキャリア入社を目指す方は「航空・物流業界にどんな課題感を抱き、ANAで何を実現したいのか」を、ご自身の中でハッキリさせておくと良いと思います。まだまだ成長の余地があるのがANAの貨物・物流領域です。一緒に盛り上げましょう!