Interview
ANAならチャレンジできる。
私を見てそう感じてもらいたい
#エキスパートスタッフ職(障がい者採用)
重廣 奈子
ビジネスサポート推進部 給与・厚生チーム
2006年4月入社 環境情報学部卒
Interview 1
合同面接会で勇気づけられた、
ANA採用担当者の一言
私は生まれたときから両耳に障がいがあります。就職活動では障がい者を対象にした合同面接会に参加しました。各ブースで人事部の方々と話をし、「たくさんの人と関わりながら仕事をしたい」という希望を話しました。しかし当時は障がい者採用を行う企業は多かったものの、「当社だとこの部署になります」「会議が多い職種は難しい」という回答が多かったんですよね。面接を受けながら「自分の枠を人に決められるのは嫌だな……」と感じていました。
そんな中、ANAの人事担当の方は「もし当社に入社が決まったら、牧野さんができることを一緒に探して、お互いいろいろなことにチャレンジしていきましょう」と言ってくださいました。すごく嬉しかったのと同時に温かさを感じたのを覚えています。そしてANAへの入社が決まり、ビジネスサポート推進部に配属されました。この職場では現場の社員が安心して仕事ができるよう、制度面からサポートしています。これまでに社会保険や勤務管理、新入社員への説明会の運営などさまざまな業務を担当させてもらい、現在は通勤手当の管理をメインに業務を行っています。
Interview 2
困ったときは私に話して。
私もあなたに助けてもらうから
ANAでは入社後、ほとんどの社員がまず現場を経験します。でも私は耳が聞こえないためいきなり現場に出るのは難しく、同期でひとりだけスタッフ部門で働くことになりました。最初はものすごく緊張しましたし、正直なところかなり心細かったです。その中で私を支えてくれたのが指導担当だった先輩です。「困ったことがあったら公私関係なく、遠慮なく私に話して。その代わり私もあなたの力が必要なときは遠慮せずに頼るから」と言ってもらい、肩の力がすっと抜け、前向きに仕事に取り組めるようになりました。
また、配属された部署には聴覚に障がいがある先輩がいました。この方の存在も大きかったですね。同じ立場なので抱えている悩みも似ていました。お昼休みに二人で食事に出かけて手話で仕事や家族のことなどいろいろな話をしました。私は昨年4月まで2年半ほど育児休職をいただいていました。その間に先輩は退職されましたが、聴覚に障がいがある後輩が配属されました。彼女も仕事をする上で不安はあるはずです。私が先輩に支えていただいたように、今度は私が彼女の力になれたらと考えています。
Interview 3
働きやすい環境づくりに
協力してくれる仲間たち
私は普段補聴器を使用していますが、普通の補聴器だと周囲の声や音をすべて拾うため、会議やミーティングなど多くの人が発言する場面では皆さんの声が重なり聞き取りづらくなってしまいます。入社後、会社は私のために補聴援助システムを導入してくれました。発言する方がマイクを持ってくださることで、私も皆さんの発言を聞きもらさずにすみます。一人ひとりマイクを回す分会議に時間がかかるのにみなさん嫌な顔一つせず協力してくれます。
私が使っている補聴援助システムが古くなり、また部署に新しく耳の不自由なメンバーが入ったこともあり、音声を文字情報に変換してくれるアプリを使ってみたらどうかと上司に相談しました。すると上司は「それは便利だ」と真剣に話を聞いてくれ、すでにそのシステムを導入している会社を見学しようと言ってくださいました。さらに「福祉機器を扱う展示会に行けばもっと便利なシステムが見つかるかも」とまで提案してくださいます。障がいがあっても不便な部分を解決できれば他のメンバーと同じように仕事ができる。それを理解し協力してくれる仲間に恵まれて嬉しく思います。
Interview 4
グループの取り組みで、
環境がどんどん変わっていく
ANAグループは「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」で社員の多様性をグループの強みにしていくことを打ち出しています。障がいがある人、育児や介護……。いろいろな背景をもつ社員が働きやすくなるためにはどうしたらいいか。社員の声を聞きながらグループ全体で取り組んでくれていることを強く感じます。私がANAで働き始めてからの約10年でも本当にいろいろなことが変わっています。テレワークや短時間勤務制度など、一人ひとりの社員が柔軟に働き方を変える環境も整ってきました。
社員の多様性を尊重する取り組みにより、これからもグループには障がいをもった人が入社してくるでしょう。私はANAに入社してから11年半の間にいろいろな仕事を経験し、多くの刺激を受けました。今後は私の経験をモデルに、新しく入られた人がANAグループで活躍できるようになればと考えています。また、私自身がキャリアアップに挑み、その過程を後輩にも見てもらって「自分もチャレンジできる」と感じてもらえたら嬉しいですね。