(左)講師 大塚さん (右)ANA CX戦略部 岡野さん
2023年9月19日
2023年8月、第1回 ANA Future Promiseフォーラムを開催し、対面・オンライン視聴も合わせて、120名を越えるANAグループ社員が参加しました。
ANAグループが掲げている、環境に関する中長期目標の達成に向けて、一人一人がESGを自分事として捉え、行動をおこすきっかけを得ることを目的に、今年度より新設しました。
外部の方を講師としてお招きし、日常の業務の中では得ることが難しい新たな知見から、自分にできること、ANAグループができることを皆で考えます。
記念すべき初回は、徳島県にて上勝町ゼロ・ウェイストセンターの運営に携わる大塚 桃奈さん(株式会社BIG EYE COMPANY)にご登壇いただきました。
大塚さんは神奈川県出身の26歳。
元々ファッションデザインに興味があり、高校在学時のファッション留学を通じて服を「捨てる」行為が当たり前になっている社会に疑問を持ったのと同時に、憧れのファッションを通じて社会問題の加害者になりうることにショックを受けたそうです。
それからは、服を作るのではなく服のサステナブルなあり方を学びたいと大学へ進学します。在学中に徳島県上勝町と出会い、ゼロ・ウェイスト(ごみ・無駄・浪費をゼロにする概念)に強く共感し、卒業とともに上勝町へ単身で移住するという大きな決断をされました。
上勝町は2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」をした町です。
町にゴミ収集車は走っておらず、全町民がゴミをゴミステーションに持ち込み45分別して資源化しています。
自治体の協力に加え、スタッフによる分別サポートの体制や、資源化しやすいものを持ち込むと貰える「ちりつもポイント」制度、分別後の回収先や処理コストの明記など、地道な工夫によって町民を巻き込んできたといいます。
ゼロ・ウェイストはゴミをなくすことが目的なのではなく、ゼロ・ウェイストを通じて私たちの生活をより豊かで心地よいものにしていくための概念。
日常生活を制限するものでは決してないということを強調されていました。
3R(Reduce、Reuse、Recycle)に加えて、Renewable(再生可能)、Responsible(責任)の2つを意識し、一人一人が消費行動に責任をもつことで、どうやったら自分たちの暮らしを長く続けていけるのかを考える仕組みを整えることが第一歩であることを学びました。
講演後には、機内でお客様に提供しているアイテム(機内食、アメニティ、雑誌等)を上勝町式に分別する体験会を実施しました。
同じプラスチックに見えてもプラマークの有無で処理コストが100倍違ったり、汚れの有無で分別先が異なったりと、普段の「ゴミ捨て」とは全く異なる体験で、上勝町のすごさを実感すると同時に、自分ができることやANAグループができることを考えるきっかけになりました。
参加したANAグループ社員からは、
「ゴミはゴミではない、まだ生きている資源と思い大切にしていこうと思いました。」
「今回お話を伺う中で自分も社会問題の加害者の一人であるという事に気づかされ、他人事だと思っていたと痛感しました。」
「実際に上勝式の分別方法を体験してみて、分別の大切さに気付くと同時に難しさも感じました。昔はゴミであふれていた上勝町の変化を通じて『やればできるんだ』という事も気づきでした。」
といった感想が寄せられました。
「今の上勝町の取り組みはベターチョイスであって、ベストではありません」と大塚さんは話します。
よりよい未来のために、ANAグループも一丸となってこれからもさらに上を目指し、ANA Future Promiseの取り組みを進めてまいります。