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環境に寄り添う暮らしから学ぶ、
上勝町ワーケーション体験

徳島県上勝町は人口約1,500人のとても小さな町。ごみを出さない暮らしを目指す「ゼロ・ウェイスト宣言」や、料理に添えられる葉や花などの「つまもの」を収穫し、販売する「彩(いろどり)事業(通称葉っぱビジネス)」など新たな取り組みに挑戦し続ける地域として注目を集め、その事例に学ぼうと多くの団体や企業が視察に訪れています。また、県外からの移住者も積極的に受け入れている上勝町には、数日間仕事をしながらの滞在を可能にするコワーキングスペースも新設中。先進的な取り組みに刺激を受け、食事は絶品イタリアンから地元食材を使ったヘルシーな定食まで楽しめる、魅力いっぱいの上勝町を紹介します。

Text by
Atori Hagiwara (minimal)
Photo by
Hiroshi Nakata

「HOTEL WHY」でごみを最小限に抑えたクリーンな宿泊体験を

上勝町の「ゴミステーション」を紹介してくれたのは、施設を運営する株式会社BIG EYE COMPANYの大塚桃奈さん。東京都内の大学を卒業後、上勝町に移住した
上勝町の「ゴミステーション」を紹介してくれたのは、施設を運営する株式会社BIG EYE COMPANYの大塚桃奈さん。
東京都内の大学を卒業後、上勝町に移住した

2003年に日本の自治体で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、ごみを45種類に分別している上勝町。2021年現在、リサイクル率は80%にまで達しました(全国平均は約20%)。残りの20%は使い捨ての紙おむつやカイロ、素材が密着したスニーカーなど消費者だけでは分別できない製品だといいます。ここ「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」は、そうした製品の生産者を巻き込み、社会全体でゼロ・ウェイストを目指すために設立されました。施設には、主に町外からの利用者がゼロ・ウェイスト活動を体験できる宿泊施設「HOTEL WHY」、町民が実際にごみを分別しに来る「ゴミステーション」などが併設されています。

奥に見える円形の建物が宿泊施設。手前には交流ホール、ラボラトリーなどが入る
奥に見える円形の建物が宿泊施設。手前には交流ホール、ラボラトリーなどが入る

今回紹介するのは「HOTEL WHY」。利用者は上勝町のごみの歴史とゴミステーションでの分別方法についての説明を受け、さらに希望者はチェックアウト時にごみの45分別を体験することができます。

アメニティの石鹸は自分で切り分ける。普段、どれだけの石鹸を消費しているか想像を巡らす
アメニティの石鹸は自分で切り分ける。普段、どれだけの石鹸を消費しているか想像を巡らす

「HOTEL WHY」のユニークな点はごみの分別体験だけではありません。チェックイン後、宿泊部屋へと向かう前、受付で渡されたのは石鹸とカッター。ごみ削減のため、客室にはシャンプーやコンディショナー、ボディーソープ以外の、歯ブラシなどの使い捨てアメニティを置かず、石鹸も自分で使う分だけカットして持ち込む決まりです。

マウンテンビュールーム。宿泊人数は1~4人まで、料金は朝食つきで1人12,000円~
マウンテンビュールーム。宿泊人数は1~4人まで、料金は朝食つきで1人12,000円~

客室は上勝町の山々をのぞむマウンテンビュールーム2室とロードビュールーム2室の全4部屋。各部屋4名まで宿泊可能なメゾネットタイプです。ソファやカーテンなどの家具もリユース品が使われるなど、随所に環境への配慮が感じられます。

マウンテンビュールームの2階部分。山に囲まれた静かな環境で仕事にも集中できる
マウンテンビュールームの2階部分。山に囲まれた静かな環境で仕事にも集中できる

1階にはデスクワークに最適な備え付けのテーブルがあるほか、2階にも読書やパソコン作業を行うのに十分な広さのスペースが。数日間滞在する際は、気分を変えながら仕事や作業ができるのもうれしいポイント。

「ロングステイプラン」を利用すれば、無料のWi-Fiを完備したオフィススペース「ラボラトリー」も利用可能。リモートワークの拠点におすすめです。

朝食のメニュー。部屋に直接届けられる
朝食のメニュー。部屋に直接届けられる

食事は、ホテルからほど近くにあるクラフトビールの醸造所兼店舗「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」のメニュー。パンに特製のアチャールソースを塗り、輪っぱ弁当に詰められた徳島名物のフィッシュカツやレタス、トマトなどの野菜、チーズを挟んでいただきます。ビールの製造過程で出たココナッツや上勝町の特産品である晩茶を使用したナッツグラノーラ、オリジナルのミネストローネも。

部屋に置かれたカゴの中には、ごみを分別するための6つの容器
部屋に置かれたカゴの中には、ごみを分別するための6つの容器

滞在中、気をつけなければいけないのがごみの処理です。「HOTEL WHY」の客室にはごみ箱がありません。プラスチックごみは汚れているものときれいなものを分け、ビン・缶・ペットボトルは中をゆすいで乾かしておきます。コーヒーのカスなどの生ごみは透明の容器に入れるなど、すべてのごみを6種類の容器に分別。チェックアウトまでに受付に持参し、スタッフの方の案内でゴミステーションへと向かいます。

分別カゴごとに、そのごみがどこで何に生まれ変わるのか、リサイクル業者が買い取る値段、あるいはリサイクルにかかるコストが記載されている
分別カゴごとに、そのごみがどこで何に生まれ変わるのか、リサイクル業者が買い取る値段、
あるいはリサイクルにかかるコストが記載されている

ゴミステーションでは、ビンは色ごとに、缶はアルミとスチールに分け、新聞やチラシなどの紙類をまとめるための紐も同じ紙の素材を使用するなど徹底して分別します。上勝町では生ごみを回収していません。各家庭で堆肥にしているため、いやな匂いがしないのもゴミステーションの特徴です。

生ごみはホテルのコンポストへ。木箱の中には、生ごみを分解してくれる菌を含んだ土壌が詰められている
生ごみはホテルのコンポストへ。木箱の中には、生ごみを分解してくれる菌を含んだ土壌が詰められている

宿泊者が出す生ごみは施設内で堆肥化します。徹底したごみの分別は気持ちが良いものであると同時に、とても大変な作業。こうした体験を通し、いかにごみを「生み出さない」生活ができるかを考えさせられます。

小学生のアイデアから生まれた、くるくるショップ
小学生のアイデアから生まれた、くるくるショップ

また、敷地内にある「くるくるショップ」はリユースのための施設。ここに並べられているのは、すべて町民が持ち込んだ不用品です。町内外の人はここにあるものを無料で持ち帰ることができます。

どこか懐かしさを感じる食器類が並ぶ。お気に入りを見つけたら持ち帰って大切に使おう
どこか懐かしさを感じる食器類が並ぶ。お気に入りを見つけたら持ち帰って大切に使おう

ショップには食器類のほか衣類や本、中にはトロフィーや電池、インクなどの雑貨も。ものを捨てるのではなく、「くるくる」と循環させて使い続けることの大切さを伝えています。

ホテルで使われていた中古の椅子や、廃棄予定だったタイルを活用した空間
ホテルで使われていた中古の椅子や、廃棄予定だったタイルを活用した空間

こちらは町内外の誰でも利用可能な交流ホール。この施設全体の特徴でもある、壁面にはめ込まれたたくさんの窓枠は町民から回収したものだそう。かつては林業で栄え、現在は人口減少により空き家が増えている上勝町。そんな現状に対し、窓枠という象徴的なアイテムを通して、かつての家々の灯火をここに再び集めたいという願いが込められています。

企業研修や視察旅行など、セミナーやワークショップ、会議に利用できるラボラトリー
企業研修や視察旅行など、セミナーやワークショップ、会議に利用できるラボラトリー

上勝町ではゼロ・ウェイスト活動の次なる目標として、企業連携の促進、ゼロ・ウェイストを担う子どもたちへの環境教育の実施、ごみ分別などによる町民の負担を軽減し豊かな暮らしを実現するという3つの柱をもとに、2030年の実現を目指した新たな町の計画が立てられる予定だそう。ここ「ゼロ・ウェイストセンター」を拠点とした持続可能な社会の実現に向けた活動が、ますます注目を集めています。

KAMIKATSU ZERO WASTE CENTER
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7-2
TEL:080-2989-1533
アクセス:徳島阿波おどり空港より車で約20分
営業時間:9:00~17:00
URL:https://why-kamikatsu.jp

上勝町の視察ツアーに参加し「彩(いろどり)事業」に学ぶ

視察では25分ほどの事業紹介DVDを視聴
視察では25分ほどの事業紹介DVDを視聴

上勝町でエコツアーや教育観光などのサービスを提供する合同会社パンゲア。日本中から注目を集める上勝町のもうひとつの取り組み「彩(いろどり)事業」の視察ツアーも行っています。

「彩事業」は通称「葉っぱビジネス」とも呼ばれ、料亭などの料理に添える葉や花などの「つまもの」を栽培・販売する事業のこと。昭和30年代に林業が衰退して以降、人口減少や高齢化、経済状況の悪化に直面していた上勝町の地域活性化に貢献した産業です。現在、上勝町の彩農家の80%は65歳以上の高齢者で、そのうち6割を女性が占めています。

合同会社パンゲアのCEO 野々山聡さん。つまものを栽培している彩山(いろどりやま)にて
合同会社パンゲアのCEO 野々山聡さん。つまものを栽培している彩山(いろどりやま)にて

「彩事業がスタートしてからは町の高齢者のみなさんが生き生きと働き、心身ともに健康になりました」と合同会社パンゲアのCEOである野々山さんはいいます。徳島県全体と比較すると、上勝町の高齢者は病院にかかる頻度、回数、重症度が低いのだとか。高齢者自ら産業に従事し、体を動かすことで福祉につなげる「産業福祉」の成功例として全国の自治体の参考となっています。

葉わさびの栽培風景。食用のほか敷葉として出荷される
葉わさびの栽培風景。食用のほか敷葉として出荷される
ひいらぎの栽培風景。上勝町は土地の88%を山林が占める
ひいらぎの栽培風景。上勝町は土地の88%を山林が占める

320品目にものぼるつまものは季節によって収穫する種類が変わるため、1年を通して仕事が途切れることはありません。また、町では「いろどり農業研修」など、上勝町で彩農家として事業をスタートしたい人のサポートを実施。積極的に移住者を受け入れています。

パンゲアフィールド内にあるプレイルーム。奥の部屋はコワーキングスペースとしてオープン予定
パンゲアフィールド内にあるプレイルーム。奥の部屋はコワーキングスペースとしてオープン予定

今回視察を行った場所は、合同会社パンゲアが運営する施設「パンゲアフィールド」。エリア内にはキャンプ用のテントサイトやコテージ、バーベキューサイトなどがあり、家族連れにピッタリのスポットです。

現在準備中のコワーキングスペース。さらに奥の部屋ではクライミングも楽しめる
現在準備中のコワーキングスペース。さらに奥の部屋ではクライミングも楽しめる

2021年4月からコワーキングスペースとして生まれ変わる予定のこちらのスペース。設備等の詳細については2021年4月以降に公式サイトで順次公開予定です。

例えば、半日を仕事時間に当て、残りはキャンプやバーベキュー、川遊びなど自然を目一杯満喫する。都心では叶わないような開放感の中、地域活性化ビジネスのアイデアに触れながら仕事をする、そんなステイプランをここ上勝町で計画してみては。

上勝町 視察のご案内(申込方法)
http://www.k-pangaea.com/wp-content/uploads/2020/06/上勝町視察のご案内.pdf

パンゲアフィールド
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字川北4
TEL:0885-46-0345(アウトドアDiv)、0885-46-0371(ツアーDiv)
アクセス:徳島阿波おどり空港から車で約1時間
URL:http://www.k-pangaea.com

移住者・百野大地さんに聞く上勝町の暮らし

上勝町で彩農家として働く百野大地さん。移住者の彩農家は他に10名ほどいるという
上勝町で彩農家として働く百野大地さん。移住者の彩農家は他に10名ほどいるという

上勝町内にある百野さんの自宅から車を5分ほど走らせると、南天を栽培するハウスに到着。ここを仕事場にする彩農家の百野大地さんは、7年前に大阪府の難波から移住しました。もともと、葉っぱビジネスを始めようと徳島に移住を決めたのはお母さん。その話を聞いた息子の大地さんは、初めて聞く葉っぱビジネスについて知るために彩農家のインターンに参加。これが移住のきっかけになりました。

出荷準備が整った南天のパック。似た形状・サイズのものが10枚ずつ詰められている
出荷準備が整った南天のパック。似た形状・サイズのものが10枚ずつ詰められている

インターンに参加して気づいたのは、多くの彩農家が70~80歳の高齢者であること、そして若い後継者がいないことでした。その後しばらくして、上勝町で農業未経験者かつ移住者の人を対象とした、彩農家の育成事業が発足。百野さんはその事業に賛同し、先駆として一から葉っぱビジネスをスタートさせました。現在は彩農家として働きながら、自身の経験をもとに移住者向けのマニュアルを作成しています。

白いビニール上の南天は廃棄され、黒いビニール上の南天はこれから選別される
白いビニール上の南天は廃棄され、黒いビニール上の南天はこれから選別される

前日に収穫した草花を選別し、午前中には荷造りをして出荷。午後から畑の手入れを行い、夕方には翌日の出荷のための準備に取り掛かります。扱う商材は15~20種類ほどで、通年出荷できるものと季節ごとに出荷するものと大きく2種類。主要なものはサクラ、紅葉したもみじ、ウラジロ、松の葉、南天などです。

「美的感覚が試される選別の作業に、この仕事の面白さがある」と百野さん
「美的感覚が試される選別の作業に、この仕事の面白さがある」と百野さん

彩農家では、収穫した草花を選別する際に大部分を廃棄してしまいます。普段から立地や土の特性に気を配り、畑を管理していますが、実際に商品になるのは細部まで綺麗さにこだわって選ばれた一掴みのみ。大きさや色、形の美しさなどを一つひとつチェックする過程で各農家のこだわりが現れます。

自身が栽培する南天のハウスにて
自身が栽培する南天のハウスにて

都会・難波から徳島県の小さな町へと大きな環境の変化を経験した百野さん。最後に、上勝町の魅力について語ってくれました。

「2人の子どもを連れて歩くと、必ず誰かが声をかけてくれます。そのおかげで人見知りをしない活発な子に育ちました。夜はネオンの代わりに月明かりでお酒を飲み、夏は蛍を見ることもできます。そういった自然環境もこの町の魅力だと思います」

里山の暮らしに溶け込む、絶品イタリアン

ペルトナーレのオーナー・表原シェフと奥さん、娘さん
ペルトナーレのオーナー・表原シェフと奥さん、娘さん

温泉施設やカフェが建ち、近くには清流・勝浦川が流れる場所に「ペルトナーレ」はあります。オーナーの表原シェフは有名イタリアン「アル・ケッチャーノ」の東京店で修行し、その後淡路島の「リストランテ・スコーラ」で2年働いた後に独立。出身地の徳島県で自身の店をオープンしました。

こだわりは、自然と人が共生する上勝町の里山で、人々の暮らしに馴染んだイタリアンを提供すること。人の手が少し加わることで、森林がより豊かに育つ里山の環境。町外からやってくるお客さんに、食材や料理を通してこの町の生態系を感じてほしいといいます。

古民家をリノベーションした落ち着きのある店内。和室と洋室の2部屋ある
古民家をリノベーションした落ち着きのある店内。和室と洋室の2部屋ある

コース料理が基本の本格的なイタリアンレストランですが、店内はまるで友人宅に招かれたようなカジュアルな雰囲気。旬の食材を使い、その時々の素材に合った料理が続々と運ばれてきます。

フキノトウのフリット
フキノトウのフリット
温野菜のサラダ
温野菜のサラダ

今回はランチのコース「Pranzo B」(4,620円・税込)の中から5皿を紹介。前菜で登場したフキノトウは上勝町で採れる品種で、12月末からが旬です。パリパリっと軽い食感のフリットに豚の塩漬けの脂とパルミジャーノが振りかけられた一品。フキノトウの微かな苦味に塩味が合わさった上品な味わいです。温野菜のサラダはカリフラワーペーストにディップしていただきます。毎日10種類以上の野菜が盛り付けられ、味わいの変化が楽しくてあっという間に平らげてしまいます。

フキノトウのタリオリーニ
フキノトウのタリオリーニ
小松島産天然ナマズのムニエル
小松島産天然ナマズのムニエル

タリオリーニと合わせられたフキノトウは口の中で香りが立ち、前菜のフリットとはまた違った味わいに。そしてメインのひとつ、魚料理はナマズのムニエル。徳島県東部に位置する小松島で獲れた天然もののナマズを使用しています。淡白な味わいで、フワフワととろける身を温めた卵黄ベースのソースと一緒にいただきます。

ストゥルーデルと和三盆のジェラート
ストゥルーデルと和三盆のジェラート
晩茶と上勝産キウイのチョコレート、マカダミアナッツのビスケット
晩茶と上勝産キウイのチョコレート、マカダミアナッツのビスケット

ドルチェにはパスタ生地でリンゴやレーズン、クルミなどを包んだイタリア版アップルパイのストゥルーデル。添えられているのは、徳島県の名産品でもある和三盆のジェラートです。和三盆の繊細な甘さが口の中でひんやりと広がり、ストゥルーデルとの相性も抜群。食後の飲み物はコーヒー、紅茶、晩茶から選ぶことができます。なかでも晩茶は上勝町の特産品。後発酵という製法でつくられ、健康にとても良いことで有名です。

山を背にひっそりと建つ古民家のペルトナーレ
山を背にひっそりと建つ古民家のペルトナーレ

一つひとつの料理にシェフのこだわりと上勝町の魅力が詰まった「ペルトナーレ」のイタリアンは、遠方からわざわざ訪れる人がいるのも納得の味。この日の店内は満席で、賑わいを見せていました。

ペルトナーレ
住所:徳島県勝浦郡上勝町福原字平間62
TEL:080-3165-7153
営業時間:ランチ12:00~15:00(14:00L.O.)、ディナー18:00~22:00(最終入店21:30)/月曜、第二火曜休
アクセス:徳島阿波おどり空港から車で約1時間
URL:http://www.pertornare.com

絶景をのぞむ地元の定食屋さんで、ワンコインランチ!

店内の大窓からは美愁湖を見下ろせる
店内の大窓からは美愁湖を見下ろせる

最後にご紹介するのは、県道沿いに建つ「いっきゅう茶屋」。建物の1階は地元の新鮮な野菜や食品を販売する直売所になっています。こちらでは、食事をしながら山々と湖の絶景を拝むことができます。

いっきゅう定食450円(税込)
いっきゅう定食450円(税込)

名物は景色だけではありません。なんと、ワンコイン以下で食べられる「いっきゅう定食」が地元の人々に愛されています。メニューは近隣で採れた無農薬の野菜を使った煮物や漬物、酢の物など。内容は季節ごとに変わり、この日は肉厚のシイタケやニンジン、ダイコンなどが入っていました。また、珍しい干し柿の煮物も。こちらは近所の農家さんからもらう干し柿を使っているそう。柿のフルーティな甘さをほんのり感じる、まさに地元のお母さんの味です。

三方を窓に囲まれた、見晴らしのいい店内
三方を窓に囲まれた、見晴らしのいい店内

お店を切り盛りするのは地元のお母さんとその娘さんの2人。窓から見える景色のベストシーズンをうかがうと、梅雨の時期は山々に霞がかかってまるで山水画のような美しさとのこと。雪景色もおすすめだそう。

いっきゅう茶屋
住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦76-12
TEL:0885-46-0198
営業時間:8:30~15:00(14:30 L.O.)/火曜休
アクセス:徳島阿波おどり空港から車で約1時間
URL:http://www.ikkyuu-chaya.com

徳島でもっとも人口の少ない上勝町は、高齢者が割合の多くを占める中で「ゼロ・ウェイスト」の先進的な取り組みや、「葉っぱビジネス」などアイデアと刺激に溢れた個性的なエリア。また、町の高齢者も移住者もみな生き生きと暮らしていることや、大自然に囲まれた環境も魅力です。観光で訪れるのもいいですが、可能なら、コワーキングスペースやオフィススペースを活用して長期滞在し、半移住生活を楽しんでみてください。住めば住むほど上勝町に魅了されますよ。

※記載の内容は2021年2月現在のもので、変更となることがあります。
※税抜価格を表示しております。
※掲載画像はすべてイメージです。