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心身を癒す世界屈指のラドン泉

2021.12 体験レポート

Photo by Natsuki Endou

開湯850年以上、白狼伝説が残る鳥取県中部の名湯・三朝温泉。世界屈指のラドン含有量を誇る放射能泉として古くから人々の体を癒し、「三たび朝を迎えると元気になる」と言われてきました。近年、三朝温泉地区は、岡山大学大学院(医学部)の温泉健康調査で、90歳以上の割合が全国平均の6倍、がん発生率が全国平均の半分以下という結果が発表され、健康効果の高い温泉として認められています。三徳川の両岸には温泉旅館の街並みが続き、温泉街はどこか昭和レトロな雰囲気。三朝橋のたもとの河原では名物の「河原露天風呂」から湯煙が立ち上ります。

文化財の旅館にチェックイン

宿泊するのは明治元年(1868)創業の老舗旅館「木屋旅館」です。明治、大正、昭和と温泉街の発展とともに増改築を重ねた館内はまるで迷路のよう。貴重な木材をふんだんに使った建物は、国の有形文化財に登録されています。お部屋もそれぞれに趣が異なり、今回は明治・大正の和洋室に宿泊です。

三朝のお湯の楽しみ方は4つある!?

ラドンとはラジウム鉱石から生じる微弱放射線を出すガスのことで、源泉付近の空気中や温泉水の中にあるそれを呼吸や飲泉で取り込むと新陳代謝が活発になり免疫力や自然治癒力が高まる「ホルミシス効果」が期待できます。ゆったりお湯に浸かる以外に「吸う(熱気浴)」、「飲む(飲泉)」、「寝る(オンドル)」方法で温泉を楽しめると聞いて、さっそく浴衣に着替えて温泉へ向かいます。

木屋旅館は足元湧出の自家源泉を持ち、42℃以上の高温泉、中性の水質、火山ガス皆無という特徴があります。地下の「ホルミシスルーム」では源泉の真上でラドンオンドル体験ができ、25℃の温かい床に寝転んでいると思わずウトウト。1回あたりの目安は10~30分です。温熱効果で体が芯から温まり、目覚めると体がすっきりとします。「穴ぐらの湯」ではラジウムミストセラピーといって、ラジウム源泉のミストサウナが体験できます。乾式サウナと違って呼吸が楽にでき、お肌もしっとり!

 

最後は効能吸収率の良い飲泉でラドンの効能を体内細胞へダイレクトに届けます。

季節の素材を使ったおもてなし料理を堪能

その土地の料理は、旅の楽しみのひとつ。木屋旅館では契約農家の野菜や日本海の海の幸を中心に、新鮮で安心・安全な食材を使った料理を提供しています。春は山菜、夏は岩ガキや白イカ、秋は栃餅やシマダイ、そして冬は山陰の味覚の王様・松葉ガニやノドグロなど、季節を感じる旬のお料理は、味はもちろん見た目も華やか!

川音が心地よい足湯でリラックス

温泉街には、三徳川の河原にある「河原の湯」、温泉街の神様「お薬師さん」が祀られている広場の「薬師の湯」、かじか橋の中央にある「かじかの湯」の3ヵ所の足湯があり、誰でも利用できます。散策の途中で見つけた「かじかの湯」で川のせせらぎを聞きながら足湯に浸かると、足元から体の芯が温まっていくようです。

5〜7月には三朝川に生息する「かじか蛙」の鳴き声が聞こえます。かじか蛙は三朝温泉のシンボルです。街を歩くと様々なオブジェに出あうことができます。

昭和レトロな温泉街を散策

レトロな雰囲気が漂う温泉街にある「泉娯楽場」は昭和36年に開業してから、昔と変わらぬ営業を続けています。射的、スマートボール、手打ちパチンコなど、浴衣姿で昔ながらのゲームを楽しんでいると、まるでタイムスリップしたかのようです。昭和レトロブームで若いお客さんが増えているのだとか。

近くには足湯「薬師の湯」があり、帰りがけにもう一度体を温めました。

三朝温泉を満喫!チェックアウト

温泉情緒をたっぷりと堪能し、宿に戻って体を休めます。「ホルミシス効果」のおかげか、夜はぐっすりと眠ることができ朝の目覚めもすっきりです。今回さまざまな方法で温泉を楽しみ、心も体もすっかりリフレッシュできました。またゆっくりと訪れたい癒しの湯です。

木屋旅館

住所

鳥取県東伯郡三朝町三朝895

 

アクセス

JR倉吉駅から車で約15分

 

URL

三朝温泉観光協会/三朝温泉旅館協同組合

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