NEWS ANA

第12-001号
2012年4月2日

2012年度ANAグループ入社式の実施について
〜「グループ一丸」の象徴としてグループ統一社章・社旗を導入します。 〜

 
1.伊東グループCEO挨拶概要

 昨年は、東日本大震災直後で、入社式の開催も危ぶまれましたが、何とか実施することができました。改めて被災された方に対し、お見舞い申し上げ、被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。今後もANAグループとして、「息の長い復興支援活動」に取り組んでいきます。

 
◆当社を取り巻く環境について〜自らを変革していくこと以外に道はない〜

 リーマンショックにより2009年度大きな損失を計上し、ようやく2010年度は回復したと思った矢先の大震災、そして、その後の大変な需要の落ち込みと、ここ数年存続の危機とも言える、過去にない厳しい状況を経験してきました。しかし、グループ全員で懸命に需要を喚起し、品質向上やコスト削減、また様々な改革に邁進することで、2011年度は、何とか目標利益を確保し、この先を見渡せる段階にまで辿り着くことができています。その道程は決して順風満帆ではありませんでしたが、グループ全員の弛まぬ努力で、私達は難局を乗り越えてきました。
 そして今、航空業界は、まさに大転換期に突入しています。
 国内・海外のLCCの参入や、日本航空の再生、競合他社の勢力拡大、そして今後予定されている首都圏空港容量の拡大等により、競争環境は更に大きく変化しています。お客様の求めるものは益々厳しくなる一方で、アジアをはじめとして、国境を越えた客貨の動きは益々活発になっていきます。
 この環境下で発展を遂げる為には、お客様や社会の変化に柔軟に適応し、品質やサービス、そして収入・コストの両面で、日本はもとよりグローバルに戦えるレベルに自らを変革していくこと以外に、道はありません。
 こうした認識のもと、年頭挨拶で私はグループ創立60周年という節目の年を「生まれ変わる年にしよう」と申し上げました。純粋な民間航空会社であることに誇りを持ち、幾多の困難を、グループ全員で乗り越えてきた私達ですが、「自らを自らの力で生まれ変わらせること」、これは新たな挑戦です。
 様々な経営改革を実行し、「攻めと守り」の両面で、ANAグループの更なる発展に繋げていかなければなりません。この大転換期の中で、どこまで強くなれるかに、この先の飛躍の成否がかかっています。
 私達はこの激動の時代をチャンスと捉え、着実に将来に向けた準備や投資を行なっています。その一つが、ANAグループが世界で最初に導入した787です。昨年9月に受領し、現在5機が国内・国際線で稼動しています。ボーイング社と一緒に開発する中で、私達は多くのことを学び、ANAグループの世界におけるプレゼンスも飛躍的に向上しました。また、1999年にスターアライアンスに加盟して今年で13年目ですが、ユナイテッド航空や、ルフトハンザ航空とのジョイントベンチャー事業でお客様の利便性を向上させ、顧客を増やしています。世界のエアラインに勝てる、競争力のある様々な準備を、常に時代を先取りして進めています。こうした準備を成果に繋げる時が、いよいよ来ています。

 
◆経営の基盤である「安全」について

 ANAグループの経営理念の「基礎」としていることは「安心」と「信頼」、即ち「安全」と「お客様や社会からの信頼」です。 既にご承知のとおり、昨年秋以降、ANAグループは不安全事象を連続して発生させ、お客様や社会の信頼を大きく損ねる事態に陥りました。これらの厳しい経験を通じ、私達はお客様や社会の期待の高さ、安全の尊さ、そしてプロとしての責任の重さを再認識しました。
 グループ安全理念では「安全は経営の基盤であり社会への責務である。」と謳っています。私達は「公共交通機関としての責任」を負っています。24時間、私達は安全と向き合っています。航空機の運航だけでなく、グランドハンドリングにも整備にも、機内食でも、ビルメンテナンスでも、ANAグループの全ての仕事において、「安全」と「お客様や社会からの信頼」は、最も大切な価値感であり、何ものにも代え難いものです。
 安全は、グループ全員の意思疎通や、信頼関係の上に成り立つものであることを、是非肝に銘じてください。

 
◆価値ある時間と空間の創造」と「世界の人々に夢と感動を届ける」ということ

 今一度私達は、「お客様の視点や経験」を第一に考え、全ての仕事を見直そうという運動を進めていますが日本航空をはじめ、競合他社に、私達は絶対に負けるわけにはいきません。
 お客様のお気持ちを察し、何をして差しあげられるのかを考え、時にマニュアルの枠を越え臨機応変に、期待される以上のことをして差し上げる。接客部門以外もお客様に繋がる仕事です。「お客様の立場、気持ち」に立って、予約から空港、機内、定時の出発、到着後まで、グループの全部門が協力しなければ、本当のお客様満足は実現できません。
 お客様の為に、そのお客様の笑顔や感動を生み出すフロントラインの為に行動し、ANAグループだからこそ出来る「夢や感動」を、沢山作って頂きたいと思います。

 
◆いつもお客様にとって身近な存在であるということ

 私達は、「世界の旅客・貨物輸送を担う、アジアを代表する企業グループになる」というグループ経営ビジョンを掲げています。今や日本のマーケットもグローバル競争に突入しようとしています。私達が出資しているエアアジア・ジャパンや、日本航空が出資するジェットスター等のLCCをはじめとして、首都圏発着枠拡大を機に、外国航空会社が更に日本への就航を拡大しようとしており、私達はグローバル競争のまさに渦中にいます。
 このような環境の中で、私達は、アジアは勿論、世界の中でもっと存在感のある会社になっていかなければなりません。その為には、もっとお客様に身近な存在であること、即ちANAとしてネットワークを広げ、出来る限り沢山の方に、ANAグループを体験して頂く機会を充実させる。国内・国際共、様々な地点を結ぶ中で、人やモノの流れを作り、地域や国を活性化し、新たな価値を生み出すお手伝いをしていかなければなりません。しかし、そのためには世界のお客様に選んで頂ける「ANAグループならではのサービスや品質」を確立し、生産性やコストの競争力も向上させることで、激しい競争を勝ち抜いていく必要があります。

 
◆新グループ社旗と社章に込める想い

 もう一つANAグループには大切な価値観があります。それは、「私達はグループで事業をやっている」ということです。昨年の大震災の際には、出社が困難な状況や、施設・設備の損壊、停電等、様々な困難の中で、公共交通機関としての責任を果たすべく、飛行機を飛ばし、お客様を運ぶことにグループ全員が最大限の努力をしました。
このように「危機において、グループ全員が一致団結して戦い克服する」これがANAグループのDNAであり、強みです。
ANAグループで航空機を飛ばしている運航会社は、ANA・ANAウイングス、エアージャパンの3社ですが、運航会社の力だけでは航空機は飛びません。グループ全員がお互いを信頼し、協力することによって私達の事業は成り立っています。グループ全員で入社式をやるのも、こうした意味があります。
今年度からリニューアルをした、ANAグループの社章や旗は、その象徴です。過去、グループ各社は別々の社章・社旗を持っていましたが、今回、グループの旗として統一しました。グループ全員でANAブランドの航空機・グループを支え、発展させていくことを表しています。
グループは「運命共同体としての仲間」であります。是非、積極的に会社の枠を越えて連携を深めて欲しいと思います。

 
◆最後に〜社会人として〜

 ピーター・ドラッカーは「重要なことは、できないことではなく、できることである」と言っています。「できない」と諦めるのではなく、常に新しい事、困難な事にチャレンジして、「できること」を沢山増やして頂きたい。そのチャレンジ精神こそが私たちが期待しているものです。失敗を恐れず恥も沢山かき、その仕事をマスターする。突き詰めてやれば、将来、皆さんの人生に必ずや役に立つ何かを得、そして成長をしているはずです。
皆さんには、仲間がいます。先輩も、今後入ってくる後輩も居ます。私も先頭に立って、チャレンジしていきます。
是非一緒に、夢のあるANAグループを創っていきましょう。

 
2.グループ統一社章・社旗の導入について

ANAグループ運営体制の変革を推進し、グループでの一体感・結束力を強固なものとし、ANAブランドを背負うグループ役職員が、ANAブランドの価値を高めていくことを目的に、新しいANAグループに「強く生まれかわる」そのシンボルとして、グループ社章を導入することを決定し2012年4月1日から導入いたしました。併せて、グループ社旗も導入しております。

※一部会社は2011年10月から先行導入しています。

 

<参考>
取り巻く環境の激変(世界規模での景気低迷や首都圏空港容量の拡大、航空自由化、LCC参入等)に対応した事業基盤の再構築と経営資源の最大活用による経営効率の向上が必要との認識の下策定した「2010−11年度 ANAグループ経営戦略」及び「2011−12年度 ANAグループ経営戦略」に則って、以下の再編を行っております。

◆航空運送事業    
[1]2010年7月   (株)エアージャパンとANA&JPエクスプレス(株)を統合し、(株)エアージャパンに再編
[2]2010年10月   (株)エアーニッポンネットワーク、エアーネクスト(株)、エアーセントラル(株)を統合し、ANAウイングス(株)に再編
[3]2012年4月1日   当社とエアーニッポン(株)を統合

◆整備事業    
[1]2011年7月   ANAエアクラフトテクニクス(株)(ドック整備)、ANAワークス(株)(ドック整備、エンジン整備)、ANAエンジンサービス(株)(エンジン整備)の3社をドック整備を行うANAエアフレームテクニクス(株)とエンジン整備を行うANAエンジンテクニクス(株)の2社に再編
[2]2012年4月1日   ANAアビオニクス(株)(電子機器整備)、ANAエアロテック(株)(機械機器整備)、ANA長崎エンジニアリング(株)(ランディングギア整備)の3社を装備品整備を行うANAコンポーネントテクニクス(株)へ再編

◆空港地上支援事業    
[1]2010年10月   ANA千歳空港(株)と(株)ANAグランドサービス千歳を統合し、ANA新千歳空港(株)に再編
[2]2010年10月   ANA中部空港(株)と(株)ANAグランドサービス中部を統合し、ANA中部空港(株)に再編
[3]2011年10月   国際空港事業(株)と(株)ANAグランドサービスを統合し、ANAエアポートハンドリング(株)に再編
[4]2012年4月1日   (株)エーエヌエースカイパルを分割し、ANAエアポートサービス(株)及び新関西 エアポートサービス(株)とそれぞれ統合し、ANA大阪空港(株)及びANA関西空港(株)に 再編
[5]2012年4月1日   (株)ANAエアサービス福岡及び(株)ANAグランドサービス福岡を統合し、ANA福岡空港(株)に再編

◆旅行業    
[1]2010年10月   ANAセールス(株)とANAセールス北海道(株)、ANAセールス九州(株)、ANAセールス沖縄(株)を統合し、ANAセールス(株)に再編

「強く生まれ変わる」ことで常にお客様に選ばれ続けるエアライングループとして「アジアを代表する航空企業グループを目指す」という経営ビジョンの達成を目指してまいります。

 
以上
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2012年度ANAグループ入社式の実施について
 

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