第 9− 5号

全日空、FANS装備機の運航を開始


 全日空では、FANS(将来航空航法システム)用機器を装備したボーイング747−400型機の初号機を、来る2月19日より北米線(東京〜ニューヨーク、ワシントン)に投入いたします。

 FANSは人工衛星を利用した新しい航法システムであり、21世紀初頭の本格導入に向けて準備が進められています。周回衛星を利用した自機の位置測定と、静止衛星を介して地上局と行う各種の通信により、慣性航法および長波での音声通信という従来の方式と比較して、運航の精度と効率を飛躍的に向上させるものです。

 本年秋には、FANS実用化の一環として、北太平洋の航空路で管制システムの試行運用が予定されており、今回のFANS用機器の装備開始はこれに対応するものです。

 FANS対応装備の初号機(JA8958)は、2月19日の東京〜ワシントン便から運航を開始します。従来の音声通信に加え、自機の位置情報などについて太平洋上の通信衛星を経由して米国内の試験端末との間でデータ通信を行い、通信状況を確認する予定です。その後7月には2号機を投入するとともに、北太平洋ルートで唯一FANS専用航空路が設定されているロシア極東上空の飛行についても諸準備を進め、北米〜東京間で最大40分程度の飛行時間短縮を目指します。

 今後の本格的なFANS時代の到来に備え、弊社では、平成11年度(1999年度)末までにボーイング747−400型国際線機材全機に同様の装備を予定するとともに、ボーイング767−300ER国際線機材へのFANS対応も決定いたしております。

 弊社では今後とも、安全性・効率性に寄与する新技術を積極的に導入し、旅客サービスの総合的な向上を図ってまいります。

以 上