NEWSANA

第 10-29号
平成10年4月3日


全日空、EGPWS装備開始
〜最新の対地接近警報装置の装備を開始します〜

 全日空は4月5日(日)に運航を開始するB777−200(JA704A)に強化型対地接近警報装置(EGPWS:Enhanced Ground Proximity Warning System)を日本で初めて装備いたします。今後、A321を始めとして、他の機種への装備も積極的に進める予定です。

従来型の対地接近警報装置(GPWS:Ground Proximity Warning System)は電波高度計を利用し機体と地表の接近率に基づき必要により警報を発します。このGPWSは、地表への接近・衝突の防止に世界的な効果を上げておりますが、切り立った崖などに対しては回避操作に必要十分な時間的余裕を持って警報を発することができない場合もありました。

機能強化型のEGPWSには、世界中の地表の約95%をカバーした地形データが登録されており、これと飛行管理装置(FMS:Flight Management System)などで計算された自機の位置データを使って、水平方向の障害物に対しても警報を発することができるなど大幅な機能の強化が図られおります。もちろん従来型のGPWSの機能も備え合わせております。 EGPWSは、正常に機能している航空機が自機位置の認識を誤ることにより地表に衝突する事故(CFIT:Controlled Flight Into Terrain)の防止に威力を発揮するものと期待されています。

EGPWSで追加された新しい機能は以下の通りです。

  • Terrain Awareness Alert機能
登録された地形データと飛行管理装置が計算した航空機の位置と速度に基づき、衝突の可能性がある地形を検知し、音声と表示を使ってパイロットに警報を発します。
  • Terrain Display機能
飛行中の周辺地形が操縦室内の航法表示ディスプレーまたは気象レーダーの画面に、飛行高度と地形標高の差に応じて色分け(赤、黄、緑)して表示します。
  • Terrain Clearance Floor Alert機能
滑走路からの距離と高度で定義される仮想の空間(Terrain Clearance Floor)に進入した場合に警報を発します。着陸直前の事故の防止に効果を発揮するものと期待されてい ます。

以 上