TEAM ANA

安全、そして正確な“手荷物の旅”を支えるバゲージサービスの連携力
この10月から、ANAは『スター・ウォーズ』とのスペシャルプロジェクトを開始した。その第1弾が、米国で製造されたボーイング787の特別仕様機『R2-D2TM ANA JET』の就航。10月17日、お客様を乗せた遊覧フライトの模様は、日本を始め世界のメディアで報じられた。今回はその模様をレポートしながら、プロジェクトに携わったANAスタッフの胸の内に迫ろう。
Text : Masayuki Kishu Photo : Masahiro Kojima

チェックインから始まる、手荷物の長い旅

空港に着いたら、チェックインするとともに、トランクなどの手荷物を預けることが多いだろう。グランドスタッフは、預かった手荷物に行き先の書かれたタグを付ける。人はもちろん、荷物も同じ空を旅するのだ。持ち主から離れたそれらが、どんな旅程を経ていくのかを見ていこう。

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「後ろのレールから手荷物を流します。中には重いものもありますが、お客様の大切な手荷物ですから、慎重に扱いますよ。ときにはアート作品といったものもお預かりしますから、取り扱いの引き継ぎは慎重に行うようにしています」

この日、チェックインカウンターでの業務を担当する長島かよ子はこう語る。チェックインも自動化が進む折、ANAではこの7月から他の国内航空会社に先駆け、完全自動で手荷物を受け付ける「ANA Baggage Dropサービス」も羽田空港内で稼働している。

ANA エアポートサービス グランドスタッフ 長島 かよ子

「そうしてお預かりしてから飛行機に積むまで、実は結構長いんですよ。トレイに載せられた手荷物は、チェックインカウンターと手荷物仕分け場を結ぶ巨大なベルトコンベアのレーンに乗り、運ばれていきます」(長島)

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確実に、そして安全も確保しながら手荷物の旅は続く

「荷物のなかに不審なものがないか機械で確認するんです。X線によるレントゲンチェックが行われます」(長島)

また、手荷物の状況をモニタリングしてスタッフに指示を出す手荷物仕分けコントローラーの田畑春奈はこう語る。

「ときおり、トレイに荷物が2つ重なることもあります。そういったときは、スタッフがレーンに赴いて問題を解決します」

東京国際空港 コントローラー チーフ 田畑 春奈

さらに刻一刻と変化する運航状況にも、リアルタイムで対応する。

「たとえば便に応じてお客様の乗客数は変わります。機材の遅延など様々な情報を集約して、スタッフを割り振ったり、コンテナの増減を行うんです。またペットの動物を大切に扱ってほしいといった情報も、しっかりと申し送りますよ」(田畑)

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実際に手を動かすスタッフとはもちろん、グランドスタッフとも密に連携をとる。

「AMC(Airport Management Center)と呼ばれるコントロールルームがあるんです。そこでは羽田空港におけるANA全体の手荷物の管理を、電話と専用端末を駆使して、より包括的に行っています」(長島)

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ロストバゲージを防ぐため。機械と人、両輪で回す丁寧な作業

手荷物の大半はレーンを無事に通過し、メイクと呼ばれるエリアに到着する。メイクとは、1周20mほどのベルトコンベアで、各飛行機の荷物室に入れるコンテナに手荷物を詰め入れるための“乗り換え地点”だ。そこで続々と流れ込む手荷物の仕分けを行う笠原孝太に、作業の内容を聞いた。

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「お客様からお預かりした手荷物にあるタグを目視確認し、バーコードをHHTと呼ばれるリーダーで読み取って、間違っていないか確認します。そのうえで便ごとに用意されたコンテナに積み込んでいきます」

行き先が違うものを読み込むと、HHTがバイブレーションとアラームで知らせる。手荷物が違う目的地に行くことを未然に防ぐのだ。

東京国際空港 メイク責任者 笠原 孝太

「特に夏休みや年末年始はご旅行のお客様が多くなります。慎重に、そして丁寧に積まないと荷物があふれてしまいます。それこそブロックゲームのように、隙間なくしっかりと積んでいくことが大切ですね」(笠原)

コンテナに入らなかったものや特別に管理が必要なものは“バルク”と呼ばれるスペースに積載される。笠原の手を離れた荷物は、運搬車両に載せられ、機内へと積み込まれていくのだ。

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手荷物ひとつにもおもてなしの思いを込めて

海外旅行などで手荷物を預けるときに、一抹の不安を感じることはないだろうか? 傷はつかないか、紛失しないか。――だがANAの場合、高い確率で杞憂に終わることだろう。

「確かに海外の航空会社に比べて、破損や未着は少ないと思います。システムの面ではさほど大きな違いはないと考えられますので、人の手でいかに丁寧に扱うかが大切です」(長島)

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「慎重に扱うのと同時に、確認行為は徹底して行います。そうしないとミスが起こる可能性がありますからね」と笠原は続ける。実際、今回の取材中で手荷物を投げ入れるような場面には一度も遭遇しなかった。ひとつひとつコンテナにきっちりと詰め入れ、柔らかい荷物は加重による負担の少ない場所を選んで入れる。それは機械にはできない、人の思いやりによるひと手間だ。

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「たとえば雨の日には濡れている手荷物があることも少なくありません。そのまま預かって流してもいいのですが、タオルで拭き取って次の工程に送ります。滑って手荷物を落としたり、到着した空港でお客様が不快な思いをされてはいけませんから」(長島)

また旅先で手に入れたステッカーなどが貼られた手荷物は、ことさら大切に扱うのだそう。お客様の旅の思い出を、旅程自体が壊してしまっては元も子もないのだから。

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