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    【鳥取県・八東川】山陰の山里を穏やかに流れるアユと渓魚の川

    生き生きとした川でのんびりオトリを泳がせる

    関西でも人気のアユ釣り場である兵庫県・揖保川。その山崎地区から、国道29号線を鳥取方面へ北上。曲がりくねる急坂を上り下りし、いくつかの峠を越え、山間の集落を抜けると、四方を山に囲まれた緑と清流の町・若桜に出る。

    中国山地の山間にたたずむ若桜の街並み

    若桜は「わかさ」と読む。東に氷ノ山(1510m)、西に東山(1338m)、北に扇ノ山(1310m)という1000m級の山々が控え、その間を清冽な八東川が流れる。八東川は日本海に注ぐ千代川の支流にあたる小河川だが、10余りの支流を集めて水量は豊富。その急流が岩を洗い、美形のアユを育てる。透明感のある水と生き生きとした川の姿、緑の風景、そして釣れるアユの美しさは、岐阜のアユ名川として全国に知られる馬瀬川に比肩する。そのためアユ釣りファンの中には、「山陰の馬瀬」とその心地よさをたたえる人もいる。

    豊かな水量の川に明るい褐色の石がいくつも入っており心が洗われる
    黄色い追い星がくっきりと出た八東川の美アユ
    民家のすぐ脇を澄んだ水が流れる

    町内のアユ釣り有望エリアは、若桜駅近くの赤松橋から上流の神直橋付近まで。石は大きく、0.2号程度のフロロやナイロンでじっくり泳がせる釣りもよいし、水量豊富な赤松橋周辺の瀬ではメタルラインを使用した引き釣りでも香りのよい黄色いアユが追ってくる。

    釣れたアユを手に取るとスイカのような甘い香りが鼻腔をくすぐる
    清冽な流れに立つアユ釣りはまさに夏の遊び

    上流に足をのばして渓流釣り

    八東川の上流域は渓流釣りも楽しめる。地元の漁協により、ヤマメ、アマゴ、イワナ、ニジマスなどが放流されているが、上流部の支流でよく釣れるのはイワナ。こちらは上空に木の枝が茂っている比較的狭い場所が多いので、7フィートクラスの短めのフライロッドを使い、#16程度のあまり大きすぎない毛バリ(ドライフライ)でねらうとよい。なるべく魚を驚かさないように静かにポイントに近づき、周囲よりも水量がある小さな落ち込みにそっと毛バリを浮かべると、岩の陰からスーッと黒い影が毛バリに近づいてひと呑みにする。

    上流部の支流ではイワナやヤマメなどの渓流魚もねらえる
    7月に釣れたイワナ。河畔林から水面に落ちる陸生昆虫などを捕食している

    しっとりとした宿場町

    若桜の町は、戦国時代は城下町、江戸時代は山陰の日本海沿岸〜京都・大阪・伊勢神宮をつなぐ宿場町として栄えた。町の西方の小高い山に残る「若桜鬼ヶ城跡」に登ると、眼下に箱庭のような町が見下ろせ、八東川の流れも垣間見える。
    町を歩くと、宿場町らしいしっとりとした雰囲気。蔵が建ち並ぶ「蔵通り」、昔の商家が残る「カリヤ通り」などの散策も楽しい。商家は屋根のヒサシが1.2mと長く張り出し、主に雪よけ用。また雨の日は笠(傘)いらずで、江戸期のアーケードの役割だった。
    町中には網の目のように小川が流れ、そこで飼われていたコイの料理が名物。若桜鉄道・若桜駅は昭和5年の開設当時のままのレトロな建物が残り、蒸気機関車を構内に展示していて見学や運転体験もできる。釣りはもちろん、家族との旅行先として訪れても、実りの多い時間を過ごせるはずだ。

    観光地でもある若桜町にはゆったりと落ち着ける旅館やペンションもあり宿泊にも困らない
    旧家の白壁土蔵群が300mに渡って残る蔵通りは格好の散策スポット

    この釣り場へのアクセス

    八東川

    鳥取空港または伊丹空港からレンタカーを利用。鳥取空港からはR29で若桜町方面へ。大阪方面からは中国自動車道・山崎ICを下りR29で若桜町方面へ。

    釣り場情報

    〈八東川/アユ〉

       
    管轄漁協 千代川漁業協(http://www.hal.ne.jp/sendai-n/
    解禁日 6/15〜(若桜地区)
    入漁料 日券3500円、年券9000円

    〈八東川/イワナ、ヤマメ〉

       
    管轄漁協 千代川漁業協(http://www.hal.ne.jp/sendai-n/
    解禁日 3/1〜
    入漁料 日券3500円、年券5500円
    • 釣り場情報は2016年10月現在のものです。

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