釣り人の楽園
島根半島の沖約50kmに浮かぶ隠岐諸島は、大小180もの島々から成る。そのうち、人が住み規模も大きなものは西側に位置する知夫里島(ちぶりじま)、中ノ島、西ノ島の通称島前三島(どうぜんさんとう)と、東側に位置する島後(どうご)の4つだ。いずれも対馬暖流の影響を色濃く受け、夏冬の気温差が少なく、樹齢数百年を超えるスギの大木も茂るなど自然が色濃く残されている。
そんな島を取り囲む海は、魚が豊富なだけでなく、サイズがワンランクもツーランクも上のスケールで、釣り人には楽園とも言える環境が待っていることから多くのアングラーを惹きつける。
エサでねらうマダイやイシダイ
昔から有名なのは、磯からエサでねらうマダイやイシダイの釣りだ。マダイは、春から初夏(5~7月)の乗っ込みシーズンと、秋から初冬(10~11月)の2シーズンがある。西郷湾ならびに水深の比較的ある漁港や地磯、沖磯、そのほか船からのフカセ釣り、ジギングでねらうことができる。特に春の乗っ込みシーズンには、サイズ・数とも好釣果が期待できる。
遊漁船からのトップゲームやエギングも
また、近年はショアジギングや遊漁船からのトップゲームで青物ねらいも人気を高めており、良型のヒラマサ、ブリ、ハマチなどがターゲットだ。
さらに、アオリイカを餌木で釣るエギングでは、黒潮エリアほどのモンスタークラスは出ないものの、本州では憧れの2kgオーバーまでの数釣りを堪能できる。
その際、春の大型アオリイカシーズンを例にとると、隠岐諸島は本土よりも海水温の上昇が1~2ヵ月遅くなる傾向にあるため、山陰エリアのシーズンが5~6月なのに対し、隠岐では6~7月が本番になる。
アオリイカを餌木で釣るエギングは、今や多くの島民も通年気軽に楽しんでいる。本土からの遠征組も多い
30cmオーバーのメバル、50cmオーバーのアジ
また、ロックフィッシュと呼ばれる根魚をねらう釣りでは、人気の対象魚であるメバルの30cmオーバーと高確率で出会える。さらに、アジをねらうアジングでも50cmオーバーの超大型がねらえる。いずれの釣りも週末を利用して1泊2日で気軽に遠征してくる人、より長期に滞在して本格的な釣りに取り組む人、どちらも多いのが隠岐諸島の釣りの特徴だ。
フェリーや高速船の乗り場は、七類港と境港の2ヵ所。料金は、本土から隠岐のフェリー2等で3,240円、高速船で6,170円。フェリーで車を持ち込む場合は、5m未満で22,450円(運転手1名と2等運賃含む)。車なしで行く場合は、クーラーやエサなどは車輌甲板所定の場所へ持ち込む
この釣り場へのアクセス
隠岐諸島へのアクセスは米子鬼太郎空港から。接続バスまたはJR境線で、境港または七類港まで約10分。そこから高速船(約1時間)もしくはフェリー(約2時間半)を利用して隠岐の各港に入る。
釣り場情報
〈隠岐諸島〉
シーズン | 春~初冬(台風などにより釣りが不可能な日もあり) |
問合先 | フィッシングショップ・エビス堂(島後/釣具店/島後での磯釣りなど渡船の斡旋をしてくれる。TEL:08512-2-6855) ※店主のブログで生の情報をチェックできる(http://ameblo.jp/ebisu-do/) |
- シーズンは、対象魚や台風などの影響により変動あり。予約や釣果情報に関しては、釣具店などに事前に問い合わせが必要。
- 釣り場情報は2014年度のものです。