“これはこれ日本一の鮎どころ”
高津川はダムのない清流であり、平成22年~25年まで4年連続で水質日本一の川に選ばれた。
“水質日本一”とは、国土交通省が一級河川を対象に実施している水質調査ランキング。この調査はBOD(生物化学的酸素量)またはCOD(科学的酸素量)の環境基準満足度や、ダイオキシン濃度などの水質だけではなく「人と河川の豊かなふれあい」、「豊かな生態系」などが確保されているかといった、川と生物と自然、そして流域住民との“ふれあい度”にまで及んでいる点に特徴がある。つまり高津川は単に水がきれいというだけではなく、流域住民の生活風土と一体となった川だといえる。特にアユと流域住民との関わりは深い。
道の駅では「鮎めし」や「鮎うるか」が販売され、緑に囲まれた川のあちこちでは、釣り人が立ち込んで夏の光の下でアユ釣りに興じる。日本海から源流近くまで天然アユのソ上は豊富だ。無声映画の時代に弁士として一世を風靡した徳川夢声は高津川が潤す益田市の生まれで、故郷の川を「これはこれ日本一の鮎どころ」と称賛している。
アユ釣りを楽しむなら
アユ釣り場となるのは、上流は柿木村周辺から益田市の支流匹見川との合流点付近までの広範囲。中でもシーズンを通じて人気のエリアは、『道の駅シルクウエイにちはら』周辺だ。裏はチャラ、ザラ瀬、荒瀬、岩盤の深トロと変化の多い釣り場だ。
また匹見川もアユが釣れる。透明度が高く、掛かるまでの一部始終を目の当たりにできる。アユの引き、身のヌメリが強く感じられる。本流との合流点付近の開けたポイントが入川しやすく、白岩トンネル付近や豊川発電所下の瀬が人気のポイントだ。
本流も支流も、天然アユは7月からが本番だ。最盛期は川一面がポイントとなり、チャラ瀬でも入れ掛りになる。
固有のイワナ、ゴギを捜す
また、高津川や匹見川の上流部では、ゴギと呼ぶ西日本の一部の地域に生息するイワナが釣れる。ゴギはイワナにある黄色い虫喰い模様が、背中だけでなく頭頂部にまでくっきりと入っているのが特徴。かつては開けた里を流れる川で30cm近い大ものも釣れたが、現在は支流のさらにまた支流といった細流で釣れることが多く、サイズ自体は20cmあれば充分に大きいという状況だ。それでも釣れれば澄んだ流れに磨かれた小さな宝石のような輝きを放っており、地元の釣りファンには「ゴギは小さくても愛らしい大切な魚」という人が多い。釣ってその姿を目に焼き付けたら、静かにリリースしてほしい。ゴギがねらいやすいのはだいたい6~7月頃だ。
なお、高津川の流域は夜の星空の美しさも有名。益田市、美都町、匹見町、柿木村、六日市町、津和野町、日原町の各流域市町村は、「星ふる里」や「星ふる町」として、連携しながら高津川流域の豊かな自然をテーマに「清流の文化」を探究することを目標としている。キャンプ釣行や家族での観光を兼ねた旅行先としても、うってつけの地域といえるだろう。
この釣り場へのアクセス
萩・石見空港からレンタカーを利用。高津川に沿って走るR9に沿って上流部へ
釣り場情報
〈高津川/アユ〉
解禁期間 | 6/1~ |
遊漁料 | 1日3,200円 |
管轄漁協 | 高津川漁協(http://www.takatugawa.or.jp/) |
〈高津川/ゴギ・ヤマメ〉
解禁期間 | 3/1~ |
遊漁料 | 1日2,200円 |
管轄漁協 | 高津川漁協(http://www.takatugawa.or.jp/) |
問合先 | かめや釣具店浜田店(浜田市/釣具店。http://kameya-fishing.com/) |
- 釣り場情報は2020年7月現在のものです。