アジング、磯釣り、エギングのメッカ
愛媛県の宇和海は、大分と愛媛の間を流れる豊後水道の愛媛県側に位置する。北は佐田岬、南は由良半島に囲まれ、沿岸部は複雑なリアス式海岸となっている広大な湾だ。
内陸から宇和海へ向かうと、国道56号からの峠越えの途中で、宇和海の広い水平線とそこに浮かぶ島々の姿が見えてくる。その光景はまさに絶景。特に夕日に染まる時間帯の景色は神々しいほどである。
海岸線は連続する磯で古くから養殖業が盛ん。海には多くの養殖ブイが見られ、真珠、カキ、のり、ハマチ、マダイ、マグロ……と育てている種類も豊富だ。そして、こういう場所はおのずと釣りの対象魚の魚影も多くなる。
近年、マアジをルアーで釣る「アジング」という釣りが大流行。今も人気は加速している。理由は生息域が広く、足場のよい漁港周りで楽しめるから。大きさは豆アジ(10cmほどの小さなアジ)から50cmを超す大型までいる。手軽ではあるが奥は深く、ベテランの中には船で沖の磯へ渡り、潮の流れの速いポイントで超大型をねらう人もいる。宇和海は現在、アジングファンの間では聖地ともいえる存在になっている。
また、宇和海一帯は古くから磯釣りのメッカでもあり、グレ(メジナ)やマダイ、イサギ(イサキ)、イシダイ、青もの、チヌ(クロダイ)など、季節ごとにさまざまな魚が釣れ、メーカーの釣り大会なども頻繁に行なわれている。 さらにもうひとつ、餌木でアオリイカをねらうエギングも盛んになってきた。現在の宇和海は、5kg、6kgという、とんでもないサイズのアオリイカが釣り上げられるエリアとして注目されている。
グレ(メジナ)釣りも昔から人気がある。30cm前後までなら手軽に漁港でもねらえるが、それ以上を求めるなら渡船を利用して沖磯へ行きたい。オナガとクチブトの両方がねらえる
点在する島々も本土も楽しい
磯釣りでは島を含む各釣り場まで各地にある渡船を利用する。平安時代の海賊・藤原純友が根城にしていたことで知られる日振島、戸島、御五神島などの宇和島沖の島々のほか、南の西海町にある中泊、武者泊周辺などは全国的にも有名な磯釣りのメッカだ。そして近年はアジングやエギングでも、定期船で日振島などに渡って、本土とは一味違うのどかな雰囲気の中で存分にロッドを振る人が増えている。
また、より手軽に本土側で釣りをするなら、佐多岬の付け根にあたる八幡浜でのアジングがおすすめ。八幡浜港は四国一の規模とされる天然の良港で、良型のアジが手軽にねらえる人気のアジングスポットとなっており、港内の「どーや市場」では新鮮な魚介類が浜値で買える。この地方の名産であるじゃこ天(地魚のすり身を使った揚げかまぼこ)も、八幡浜のものは美味しいと評判。身は柔らかく、小骨の食感が少なくて食べやすいので、釣り旅の合間のおやつにもぴったりだ。
複雑に入り組んだ海岸線を持つ宇和海は天候の変化にも強く釣り場の選択肢も多い。ぜひ出掛けてみてはいかだろう。
この釣り場へのアクセス
松山空港から八幡浜までは海沿いを走るR378を利用。松山自動車道を利用する場合は、伊予ICから乗って大洲北只ICを降り八幡浜へ向かう。さらに南の宇和島までは松山道を西予宇和ICまで走り、国道56号を下る。
釣り場情報
〈宇和海/グレ、アジ、アオリイカ〉
シーズン | 秋~冬 |
問合先 | 上州屋宇和島店(宇和島市/釣具店。http://www.johshuya.co.jp/shop/shop.php?s=199) |
- 釣り場情報は2015年10月現在のものです。