道南屈指の観光地は真冬も楽しい
日本新三景のひとつに選定されている大沼は、北海道の道南地方有数の観光地。駒ケ岳の麓、ラムサール条約に登録されている自然豊かな水辺を目的に、毎年多くの人が足を運ぶ。大沼は周辺で一番大きい湖だが、それ単体の名称にとどまらず、国定公園に定められている一帯の総称でもあり、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼なども含めた湖沼群も大沼と呼ばれている。大沼には数多くの淡水魚が生息していて、春から秋はヘラブナやアメマス、湖面が結氷する真冬はワカサギ釣りを楽しむ人で賑わう。
北海道は各地にワカサギが生息する湖や川があるが、道南は道央、道北、道東の他エリアに比べると少なく、管理団体のある氷上釣り場は大沼だけである。それゆえ、函館近郊のワカサギ釣りファンにとっても貴重な釣り場になっている。管理する大沼漁業協同組合は、放流などの資源管理のほか、釣り具のレンタル、全天候対応のビニールハウスの設置など、初心者も気軽に挑戦できる環境を整えてくれているのがうれしい。
魚影が濃くて数釣りもできる
ワカサギ釣りのシーズンは1月上旬~3月下旬。ただし、これは湖の結氷状況に左右される。寒い北海道の中でも比較的温暖な道南エリアにあり、標高もそれほど高くないので、暖冬傾向の近年は氷に乗れる期間が以前よりも短くなることが多い。例年1月中旬~3月上旬ならほぼ大丈夫だが事前に確認したい。
釣り場は主に大沼と蓴菜沼。大沼は東大沼キャンプ場、蓴菜沼はR5沿い、それぞれ湖の東岸に管理棟があり、氷上釣りの場合はその周辺が人気ポイントになっている。大沼はワカサギの魚影がとても多く、初心者でも数釣りができる。ベテランなら一日サオをだせば500~600尾手にすることも珍しくなく、1000尾の大台に達する日もある。
釣れるワカサギは5~7cmの小型が多いが、ポイントや時期によっては10cmクラスの良型ばかりが連発することもある。ワカサギは基本的に食味のよい魚として知られるが、大沼のワカサギは特に味に定評がある。湖畔にワカサギの佃煮や筏焼きを販売する専門店が数軒あり、人気のお土産になっているのがその証拠。美味しいワカサギをいっぱい釣れるのだから、最高に楽しい冬のレジャーだ。
この釣り場へのアクセス
函館空港からレンタカーを利用。R278、道道100、R5で小沼、蓴菜沼の湖畔へ。空港からおよそ1時間。大沼にはそこから道道43経由で10~20分。
釣り場情報
〈大沼/ワカサギ〉
シーズン | 氷上釣りは1~3月の結氷期 |
遊漁料 | 日券大人600円、小人(中学生以下)300円、幼児無料 |
管轄漁協 | 大沼漁業協同組合(TEL:0138-67-2329) ※上記の遊漁規則は大沼、小沼、蓴菜沼、宿野辺川、軍川、苅澗川で共通 |
- 釣り場情報は2017年12月現在のものです。