冬からがシーズンイン
寒さの厳しい北海道では、冬の間、多くの河川や湖沼が結氷する。その中で、ルアー&フライフィッシングのファンが通うのを楽しみにしている貴重なフィールドの1つが洞爺湖である。
洞爺湖は札幌からも比較的近い支笏洞爺国立公園にあり、全国でも屈指のカルデラ湖である。水深があり、水の容積が大きいことから、厳冬期でも凍らない。そして、北海道では珍しく、ニジマスや湖沼型サクラマスといったマスの仲間が漁業権対象魚種になっており、その規則によって、12月1日が冬期の釣り解禁日と決められている。
国内最大サイズに最も近い湖
洞爺湖は洞爺湖町と壮瞥町の2町にまたがり、有珠山、昭和新山、洞爺湖温泉など周囲の自然が豊富。2008年にはその恵まれた環境から、『G8北海道洞爺湖サミット』の開催地にもなった。さらに2009年には、『洞爺湖有珠山ジオパーク』が世界ジオパークに登録された。
釣り場としては、長くヒメマスが釣れることで有名だったが、近年は湖水の性質の変化からヒメマスの資源量がかつてほどではなくなった。その代わり、国内では最大クラスといってよい大きさに育つ、湖沼型のサクラマス(湖で大型化するサクラマスのこと。普通のサクラマスは海に降って大きくなる)や、やはり大型に育つニジマスがいて、釣り人の人気を集めている。
サクラマスについては、2006年2月、82cm・6.7kgという巨大魚が漁業者の網に掛かり、大きな話題になった。これほどの大きさのものは例外的だが、洞爺湖なら60~70cmは珍しくない。今では全国の釣り人から、国内最大クラスのサクラマスをねらうなら、冬の洞爺湖が最も可能性があるといわれている。
キーワードはワカサギ。防寒対策は万全に
洞爺湖にはこれらの魚のほかにも、アメマスやブラウントラウトがいる。いずれもマスの仲間だが、共通しているのは、ワカサギを主なエサにしている点だ。そこで洞爺湖では、ルアーやフライもワカサギを意識したものが定番になっている。
ちなみに、洞爺湖の釣りは、12/1~3/31の冬期のほか、6/1~8/31の夏期も解禁期。ただし、夏期はマスの仲間が好まない高さまで水温が上昇するため、釣りの好適期は短い。そのことからも、洞爺湖の釣りといえば冬がハイシーズンになる。
結氷しないとはいえ、北海道の冬の湖のこと。防寒対策はもちろん万全にしておく必要がある。そして、釣りを終えたら、湖畔に数多くある温泉に浸かって体を温めるのが最高のリフレッシュ。実際、洞爺湖を訪れる釣り人にはアフターフィッシングの温泉を楽しみにしている人が多い。
なお、洞爺湖から車であれば短時間で移動できる支笏湖も同じ国立公園内にあるカルデラ湖で、同じように冬でも結氷せず、ニジマスやブラウントラウトがねらえる。1日のうちに2つの湖で釣りをするのも大いにありだ。
この釣り場へのアクセス
新千歳空港からレンタカーを利用。道央自動車道千歳ICから虻田洞爺湖ICを経由しておよそ1時間30分。
釣り場情報
〈洞爺湖/サクラマス、ニジマス ※洞爺湖漁協の遊漁規則(陸釣り)による〉
シーズン | 12月1日~3月31日、6月1日~8月31日 |
遊漁料 | 日券1,200円、年券20,000円 |
釣り時間 | 午前4時~午後7時 |
問合先 | 洞爺湖漁協(http://www.ltfa.info/) |
- 釣り場情報は2016年10月現在のものです。