「北海道・渚滑川」釣り旅の記録
“日本のゲームフィッシングをリードする川”
東京国際(羽田)空港から、ANAの直行便で1時間45分。
6月下旬のオホーツク紋別空港には、東京とは違うサラリと心地よい風が吹いていた。
レンタカーに乗り替え、まず走るのは、冬になれば流氷の押し寄せる海岸に沿った国道。
そこから内陸の滝上町へ向かう。
まっすぐな一本道が続く道中、頭上に広がるのはどこまでも開けた北の大地の空だ。
最北のイメージもある北海道のオホーツク沿岸地域だが、実際は梅雨や台風の影響を受けることが少なく、道内でも温和な気候に恵まれている。
夏はフェーン現象による高気温に見舞われる場合もあるが、月の平均気温は20℃前後と冷涼で、雨も年間800mm 程度と少なく、
つまり北海道の中でも爽やかな気候の中で釣りができる。
そのオホーツクエリアを流れる渚滑川に、日本で初めての「キャッチ&リリースエリア(C&Rエリア)」が設定されたのは平成7年。
以来、地元の滝上町では定期的にニジマスの放流を行ない、訪れる人が駐車スペースや入川ルートに迷わないようにサポートする看板の設置なども進めてきた。現在は「NPO法人渚滑川とトラウトを守る会」がその事業を引き継いでいる。
北海道にはフライロッドやルアーロッドがぞんぶんに振れる川がいくつかあるが、一方で地元の人でなければ川へのアクセスが分からなかったり、魚影の多さにムラがあってビジターには魚を手にするのが難しいフィールドが実は多い。
そうした中、「誰が来ても、いつ来ても、北海道のニジマス釣りを満喫できる」フィールドを作ろうという努力が今日まで続けられてきたのが渚滑川だ。
- このコンテンツは、2014年7月の情報をもとに作成しております。
写真:津留崎 健