「熊本県・天草」釣り旅の記録
“世界文化遺産・三角西港で歴史散策”
楽しい釣りの時間は本当にあっという間に過ぎてしまう。
天草でのタイラバを充分に満喫した二人は、
宿に戻ってもう一度お風呂に浸かりさっぱりと汗を流すと、帰り支度を整えた。
熊本空港に向かう途中、ぜひ行ってみたいと立ち寄ったのはシーボスの母港でもある宇土半島の三角港。
その中でも、観光名所として一躍注目を集めている三角西港だ。
2015年、東港と西港がある三角港のうち、より古い歴史を持つ三角西港が「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つとして世界文化遺産に登録された。
明治の三大築港の1つにも数えられるこの港は、オランダ人技師ローエンホルスト・ムルドルによる設計と、天草の熟練した石工たちの施工により築かれ、756mにおよぶ石積みの埠頭や水路が今も残る。
欧風のモダンな建築が並び、古きよき時代の華やかさと歴史を経た落ち着きを今も漂わせている。
世界遺産というとなんだか堅苦しいイメージも抱いてしまうが、1世紀以上も前に築かれた港湾には、散歩を楽しむ地元の人の姿や、水揚げ作業をする漁師の姿があり、週末には釣り人も少なくない。
海や歴史的な建造物を見ながらの散策は実に気持ちがよく、事前に予約すれば、現地のボランティアガイドによる施設案内も受けられる。
今は一部がレストランとして利用されている「旧三角海運倉庫」、平成10年に復元工事が完成した「旧高田回漕店」、日本人大工による洋風建築技術の習得を伝える「旧宇土郡役所」など、敷地内の建物は建築ファンもうならせる。
秋丸さんも岡田さんも情緒漂う港町の風情をしっかり楽しんだ。
天草といえば、キリシタン文化に関わる見どころも多い。なかでもおすすめは、フランシスコ・ザビエルがキリスト教を布教した時代から、天草四郎が生きた江戸時代初期までを、資料やジオラマで学べる大矢野島の「天草四郎メモリアルホール」。
大矢野島は三角港のある宇土半島と渚亭のある上島の中継地点になっている島である。
元気な魚たちが泳ぐ海に囲まれ、歴史と文化が薫る島々。 天草には旅好き・釣り好き女子なら何度でも訪れたい、 尽きない魅力があふれている。
アクセス&釣り情報
羽田空港から阿蘇くまもと空港まではANAの定期便で約1時間45分。
阿蘇くまもと空港から天草まではレンタカーを利用。
九州自動車道の益城熊本空港ICから松橋ICを経てR218、R3、R57、R266号を走り上天草市内まで2時間半ほど。
釣り情報
〈マダイ〉
釣期は早春から晩秋までと長い。
水温が低い時期ほど小型が少なくなり、80㎝オーバーの大ものもねらえる。
タックルはタイラバ専用のものが適しており、特にロッドは穂先が繊細な専用のものが必要。
ラインはPE0.6〜0.8号、リーダーはフロロカーボン4〜5号。
リールはラインを200〜300m巻けるベイトキャスティングリールが一般的。
タイラバは80〜120gの重さを揃え、オモリやラバーの色をできるだけ多く持参したい。
詳しくは遊漁船「SEA BOSS(シーボス)」まで。事前の予約が必要で、波高や風の状況によっては出船できない場合もある。
〈コウイカ〉
釣期は秋から冬にかけてと春。
釣り場は砂地や砂泥底のエリアがよい。波が穏やかな湾内や入江、漁港周りでねらえる。
アオリイカ釣り用の餌木がそのまま使えるが、餌木の号数はその時に釣れているコウイカの大きさに合わせる。目安としては2〜3.5号。
その他のタックルも一般的なアオリイカ用のロッド、リール、ライン(エギングタックル)がそのまま使え、ラインはPE0.5〜0.6号、リーダーはフロロカーボン1.8〜2.5号がおすすめ。
〈スズキ〉
釣期は長く、1〜2月を除くすべてのシーズンでねらえる。
特に秋から年内いっぱいは産卵に向けて荒食いをするので大型を釣るチャンス。
生きたアジやコノシロをエサにする泳がせ釣り、ゴカイなどをエサにした投げ釣りなどさまざまな釣り方があるが、最近はルアーでねらうのが人気。
シーバス用ルアーの7〜15㎝までを使うことが多いが、秋から冬にかけては大きめの魚をエサにしているので、12〜15㎝のミノー、リップレスミノーが適している。タックルはシーバス用タックルが適し、PEは1〜1.2号、リーダーはフロロカーボン4〜6号。
今回の釣り場を含む上天草の釣り情報は、大矢野島の釣り具店「山本釣具センター大矢野店」が詳しい。
上天草市大矢野町中4555-1 年中無休24時間営業 。
- このコンテンツは、2016年10月の情報をもとに作成しております。