神話と釣りの島
国産み神話でイザナギ・イザナミが創造したとされる淡路島は瀬戸内海最大の島。東側に大阪湾、西に播磨灘、南に紀伊水道と特徴が異なる3つの海に面し、四季折々の魚介類が豊富だ。また3つの海の接点は明石海峡、鳴門海峡、紀淡海峡と急潮で知られる海峡筋になっており、明石ダイ、明石ダコ、鳴門ダイ、由良のハモなど全国的にも有名なブランド魚の産地となっている。そんな淡路島は、明石海峡大橋から大鳴門橋に至る神戸淡路鳴門自動車道が縦貫し、京阪神地区から近いこともあって、年中、何らかの魚をねらう釣り人が訪れる。なかでも陸からの釣りを中心に、最も盛り上がるのが秋だ。
ピクニック気分で楽しむ
子ども連れでも安全、気軽に楽しめ、今も昔も人気なのが各漁港でのサビキ釣り。秋空の下でお弁当を広げるピクニック気分で、仕掛けには小アジやカタクチイワシが鈴なりになる。そのサビキで釣った小アジをエサに、ブリの若魚であるツバス(ワカシ)やハマチ(イナダ)をねらうノマセ釣りもスリルがあって楽しい。10月を過ぎれば投げ釣りでカレイもねらい頃。イシゴカイやオキアミをエサにウキ釣りをすれば小型のグレ(メジナ)も遊んでくれる。さらに秋が深まると、地元のエサ販売店で売っているノリエサで30cm前後の中型グレが射程に入る。
淡路島はキャスター天国。キス、キュウセン、カレイ、アイナメなどを求めて古くから投げ釣りファンが集う。明石海峡大橋が間近の松帆海岸も大ガレイのポイントだ
秋から釣期を迎えるのがノリエサをエサにウキフカセでねらうグレ。20cmクラスの小型が多いが、時には30cm前後の中型がサオを引き絞ることも
ルアーフィッシングも人気
近年はルアーフィッシングの人気も高い。アオリイカ、メバル、アジなどの夜釣りが盛んで、朝夕のマヅメ時に小型のミノーを投げてみると、ツバスのほかにカマスやメッキなどの小ものが追いかけてくる。重たいルアーであるジグで海底を叩けば、高級魚のヒラメを手にする幸運も珍しくない。そして近年、抜群の人気魚種となっているのがタチウオ。ワインドと呼ばれるルアーでの釣りから、ドジョウやキビナゴをエサにする引き釣り、ウキ釣りと好みの釣り方で、島の東岸を中心に夜な夜な釣りを楽しむことができる。
離れ島に渡ってさらなる釣り三昧
なお、島内の土生港の沖、紀伊水道に浮かぶ沼島(ぬしま)は淡路島周辺の釣り場の中でも別格の場所。定期船も通うが、渡船でしか渡れない島南岸の荒磯はイシダイ、マダイ、グレ、チヌ(クロダイ)と、紀伊半島や四国に負けない磯魚の宝庫だ。さらに秋は人気抜群のメジロ(ワラサ。大きめのブリの若魚のこと)が、小アジをエサにするノマセ釣りや、ルアーで釣れる。50cmまでのハマチクラスが多い日もあるが、60~70cm、ときには80cmクラスが豪快にヒットする。なおこの時期は、アオリイカねらいの餌木釣りファンも多数来島する。ノマセ釣りのアジに専用の掛けバリをセットして、メジロとアオリイカの二刀流を楽しむこともできる。
この釣り場へのアクセス
関西国際空港、大阪空港から淡路島へ釣りに行くならレンタカー利用が便利。関空からは阪神高速湾岸線、同神戸線、第2神明道路、神戸淡路鳴門自動車道を経由、大阪空港からは中国道、阪神高速北神戸線、神戸淡路鳴門自動車道利用で淡路島へ。島内各インターから釣り場へアクセス。淡路島南部へは徳島空港からレンタカーで大鳴門橋経由が近い。
釣り場情報
〈淡路島〉
シーズン | 通年 |
問合先 | エサピチ(淡路市。http://www.esapichi.com/) |
※釣り場情報は2014年度のものです。