まだ真新しいワカサギ釣りフィールド
生野銀山湖は兵庫県姫路市で瀬戸内海の播磨灘に注ぐ二級河川・市川の上流部にある。名前の由来となっている生野銀山は、平安時代の初期、大同2年(807年)に開坑したと伝えられる歴史ある鉱山。室町時代以降、本格的な銀石の掘り出しが行なわれるようになり、織田信長、豊臣秀吉の両雄が直轄地としたあとは、徳川幕府の天領、明治政府の官営鉱山となって全国にその名が知られるようになった。
昭和48年(1973年)、生野銀山は閉山により長い歴史に幕が下りたが、その前年に完成し、鉱山の名が冠せられた近くのダム湖は、近年、西日本のワカサギ釣りファン注目のフィールドとなっている。
湖内にはもともとコイやヘラブナが生息していたが、10年ほど前から、ワカサギの稚魚が試験的に放流されるようになった。そして2014年の秋にレンタルボート店の桟橋などで、限定的にワカサギ釣りができるようになった。西日本にはまだ少ないワカサギ釣り場としての拡大が期待される中、2015年末にはドーム桟橋(冬の寒さをしのげるビニールの屋根が設置された桟橋)が完成。着々と釣り場の整備が進んだ。
シーズンは春先まで。電動タックルがおすすめ
現在、生野銀山湖のワカサギ釣りは、12月頃から翌年の3月いっぱいまでがおすすめのシーズン。11月には気の早いワカサギファンが少しずつ訪れるが、ワカサギは魚食性の強い他の魚に食べられやすい性質があり、それらの魚の活性が低くなる低水温のほうが釣りやすい。
生野銀山湖は湖の形状にも特徴がある。岸から沖にかけてが急こう配になっており、陸からすぐ近くでも水深が30m前後あるのだ。そのため、タックルは仕掛けの上げ下ろしが素早く行なえる専用の小型電動リールを使ったものがおすすめになる。
この小型電動リールに、深い場所でワカサギがエサをくわえてもアタリが分かる高感度の扁平穂先、水の抵抗が小さい2号クラスの重めのタングステンのオモリ、深場に向いた市販のワカサギ仕掛けを組み合わせてねらうというのが、生野銀山湖のワカサギ釣りの基本スタイルだ。
めざすは大ものねらい
北日本や東日本の他のワカサギ釣り場と比べて、年間の水温が高いためか、生野銀山湖のワカサギは非常に大きく育つ。シーズン初期の秋口は特大サイズといえる15cmオーバーも珍しくない。10cmオーバーなら当たり前に釣れる。そこで、イトはあまり細くせず、ハリスは0.3号以上、ハリの大きさも2号以上が安心だ。湖には良型のオイカワも多くいるので、それが食いついた時の対策にもなる。
2016年末からは、さらに新たなワカサギ釣り専用の桟橋が設置された。充分な釣りのスペースも確保され、これまで以上にワカサギ釣りを楽しみやすくなっている。
関西の奥座敷的な立地の生野銀山湖だが、周辺は美人の湯として知られる黒川温泉や、全長約1000mで現代と江戸時代の坑道を一度に体験できる史跡生野銀山などもある。食べて美味しいジャンボサイズのワカサギ釣りと歴史散策を組み合わせ、のんびりと休日を楽しむことができる。
この釣り場へのアクセス
伊丹空港から中国自動車道を利用。福崎ICから播但連絡道を北上し、生野ICを降りて左折。生野の信号で左折し、R312を北に進んで最初の信号を右折。R429で生野銀山方面へ向かう。
釣り場情報
<生野銀山湖/ワカサギ>
シーズン |
12月~翌年3月 |
遊漁料 |
ワカサギ釣り料金は遊漁料込みで、桟橋、ドーム、レンタルボートいずれの場合も1人2500円。エサのベニサシ、シロサシ、ブドウムシなどは湖畔のボート店に常備されている。手巻きリールであればレンタルタックルもある |
問合先 | レンタルボート湖畔(TEL:079-679-2852) |
- 釣り場情報は2017年2月現在のものです。