県下でも指折りのアユ釣り場
神流川は群馬県の最南端、上野村にある三国山から流れ出し、群馬と埼玉の県境付近を流下する中小河川。最下流部は群馬県の玉村町で利根川支流の烏川に合流する。釣り場として人気があるのは、上流の神流湖(下久保ダム)に注ぐまでの渓流区間だ。
神流湖から上流の渓流部は、さらにダム寄りの神流町(南甘漁協)と上流の上野村(上野村漁協)が管轄する2つの区間に大きく分かれる。川はどちらも小砂利と岩盤が入り混じる渓相であり、水の透明度が高いのが特徴だ。
アユは南甘漁協と上野村漁協のどちらもでも釣れる。いずれもダムの上流にあるため、釣れるアユは放流されたものが主体だが、南甘漁協の区間では年によって神流湖からのダム遡上(放流されたアユがダム湖で自然繁殖し翌年に遡上するタイプ)が釣れることもある。
アユ釣りの解禁は例年6月。下流の南甘漁協のほうが早く(第一土曜日)、そのあと上野村漁協(第二土曜日)が続く。解禁当初は小型の数釣りが主になるが時に20㎝クラスの良型もまじり、その後もアユの成長はよく、8月頃になると25㎝を超える大型も期待できる。
開けた流れが続く南甘漁協区間
南甘漁協のおすすめ釣り場を挙げると、まず1つは神流町役場からも近い、森戸橋~生利大橋のエリア。ここは神流町の中心部にあたるエリアで、川全体にまばらではあるが大石が散らばっている。その周りを1つ1つていねいに探っていくとよい。森戸橋より上流は適度な淵と瀬の組み合わせが続き、特に淵の前後の瀬やチャラ瀬でよくアユが掛かる。
また、上流へしばらく進むと、南甘地区のシンボル的な「丸岩」があり、この付近は比較的深い淵や大岩が存在して型のよいアユが釣れるが、1ヵ所での連発は少ないので、こまめに移動しながら釣る必要がある。
ヤマメ釣りでも人気の上野村漁協区間
上流域の上野村漁協区間は、アユ釣りに関しては上野村役場付近に架かる興和橋を中心に、上流は乙母橋、下流は川和橋までのおよそ2㎞区間が例年友釣り専用区になっていて人気のポイント。初期から後期まで比較的安定して釣れる場所で、思わぬ大ものも潜む。そして、上野村漁協は、春からの渓流釣りにも非常に力を入れている。
全国に先駆けて「キャッチ&リリース(釣れた魚を持ち帰らず再放流する)」を漁協がルール化したことでも知られ、元々ヤマメが多数放流されて人気の釣り場となっていたが、現在は最上流域の本谷と中ノ沢に予約制(基本的に1日7人まで)の「毛ばり釣り専用区」も複数設置され、他の釣り場ではなかなか出会うことが難しい、30㎝を超える尺上イワナや大型ヤマメを釣るチャンスが多くの人に提供されている。
最上流部の本流(本谷)や支流(中ノ沢)には予約制の毛ばり釣り専用区がある。上野村漁協はこうした新しい漁場管理にも積極的だ
また、通常の渓流釣りシーズンが終了する秋以降には、ニジマスがねらえる冬季釣り場(「神流湖」参照)も設置しており、こちらも毎年多くの釣り人に親しまれている。なお、上野村漁協の事務所は「上野村ふれあい館(川の駅 上野)」の中にあり、日釣券販売機が置かれているほか、地場産のお土産なども豊富。釣りをする際は一度立ち寄るとよいだろう。
この釣り場へのアクセス
東京国際(羽田)空港からレンタカーを利用。神流町または上野村方面へ
釣り場情報
〈神流川/アユ〉
解禁期間 | 6月の指定日~ |
遊漁料 |
(南甘漁協)1日2500円、年券1万500円、(上野村漁協)1日2500円、年券1万1000円+送料 |
管轄漁協 | 南甘漁協(http://blog.livedoor.jp/kannamachi/) 上野村漁協(https://www.ueno-fc.com/wp/) |
オトリ店 |
天野刃物工房(南甘/http://www.kannamachi.jp/~a-hamono/) 不二野家(上野村/https://m-fujinoya.com/) |
〈神流川/ヤマメ、イワナ〉
解禁期間 | 3/1~9/20(冬季釣り場は漁協HP参照) |
遊漁料 | 1日2000円(毛ばり専用区は3500円、冬季釣り場は3000円)、年券1万1000円+送料 |
管轄漁協 | 上野村漁協(https://www.ueno-fc.com/wp/) |
- 釣り場情報は2020年8月現在のものです。