霊峰・富士を仰ぎ見る絶景
日本を代表する富士山は、第37回ユネスコ世界遺産委員会において、世界文化遺産に登録された。その山麓に位置する富士五湖には、河口湖、西湖、本栖湖、山中湖、そして精進湖がある。どの湖も四季折々、釣りや観光が楽しめるが、精進湖は周囲わずか6.8km。面積にして0.5m²と富士五湖の中で最も小さい。
しかし、明治時代に日本の自然に魅せられ、英国から帰化した星野芳春ことハリー・スチュワート・ホイットウォーズは、1年掛かりで「富士山が一番美しく眺められる場所」を求めてこの湖に出会い、以後、湖畔にホテルを建ててその魅力を世界に発信した。
そんな自然景観を持つ精進湖は、釣り人たちにも人気が高く、ヘラブナ釣り、コイ釣り、そして秋から春にかけてはワカサギ釣りファンが多く訪れる。
1,000尾超えもねらえるワカサギ釣り
富士五湖のワカサギ釣りといえば、室内感覚で気軽に楽しめる通称「ドーム船」の釣りが盛んな山中湖がまず人気だ。しかし、精進湖もポテンシャルはかなり高い。精進湖はプランクトンが豊富な栄養湖のため、ワカサギの育ちがよい。そのため魚影が濃く、この湖をホームグラウンドにする釣り人の中には1,000尾超えの釣果を経験する人もいる。それに留まらず、2,000尾超えが出る年もあるのだ。これには平均水深が12~13mで、釣るべきポイントが絞りやすいという湖の特徴も寄与している。
この大釣りを経験したいと、精進湖には関東だけでなく東海方面からも足を運ぶ人がいる。釣れるワカサギは一尾一尾がとても美しく、味も非常によい。そして船の上から見る富士山の美しさは、朝焼けや逆さ富士もあって幻想的ですらある。
深場ねらいが面白いコイ釣り
精進湖はコイの生息数も多い。コイ釣りファンも多くは近隣の河口湖、西湖などに集中するのだが、その分精進湖は釣りのポイントが先行者で埋まることもなく、のんびりとサオをだすことができる。コイ釣りは4月の下旬から11月の上旬くらいまでがベストシーズン。この期間は湖畔に釣り座を構えれば安定してコイの顔が見られる。大きさは60~70cmがアベレージだが、時おり80cm台、90cm台も釣れる。
ここのコイは冷たい水に育つためか、引き締まった筋肉質の個体が多くよく引く。近くまで寄せてきても、下へ下へと潜り底から引き離せない力強さを見せるので、毎回ハラハラドキドキのやり取りを楽しめる。また、コイ釣りファンがあまりサオをださない岩礁帯では、たびたび超大型が目撃されている。まだ見ぬ湖のヌシのような大ゴイも潜んでいる可能性がある。
なお、精進湖はヘラブナ釣りのボートを固定するためのロープやカヌー競技用のロープが各所に張ってあるので、コイ釣りなどでリールザオを使う際は引っかけないように注意してほしい。
この釣り場へのアクセス
羽田空港からレンタカーを使用。中央自動車道・河口湖ICを降りてR139を河口湖方面へ。R139をしばらく直進し赤池交差点を右折し精進湖へ。
釣り場情報
〈精進湖/ワカサギ、コイ、ヘラブナ〉
シーズン |
ワカサギ:11/1~3月末、コイ:通年、ヘラブナ:3/1~11月末 |
遊漁料 |
日券600円 |
管轄漁協 | 精進湖漁業協同組合(TEL:0555-87-2426) |
問合先 | ふじみ荘(釣り宿。http://fujimisou.com/outdoor/fishing/) |
- 釣り場情報は2017年9月現在のものです。