諏訪湖で始まった冬の快適釣り
諏訪湖は、東側に八ヶ岳連峰を望む周囲約16km、最深部でも7mしかない浅い湖である。八ヶ岳や周辺の山から流れ出た水が貯まってできたこの湖は、静岡県で太平洋に注ぐ天竜川の源流部でもある。浅い湖は冬の山から吹き下ろす冷たい風で冷やされて凍る。氷った湖面が風で裂ける現象は、「御神渡」と呼ばれ、湖畔の諏訪大社の神事となっている。昔は冬の諏訪湖といえば、氷上の穴釣りが盛んだったが、近年氷が張らないことが多くなり、いったん遠ざかった釣り客を呼び戻すために誕生したのが、ワカサギ釣りの「ドーム船」だ。
諏訪湖のワカサギ釣りは、例年10月上旬に解禁し、3月下旬まで釣ることができる。10~11月までは、信州の秋の風を感じながらのボート釣りが楽しい。ボート釣りはノベザオを使った「ハネコミ釣り」という釣法がある。仕掛けを送り込んだら、手前に仕掛けを跳ねるように寄せながら誘って釣るのだ。浅い湖だからこそできる釣法といえる。
誰でも楽しめるドーム船
そして、ボート釣り期と並行して、ドーム船も就航しているので、寒さが苦手な人は、ドーム船を利用しよう。諏訪湖は全国の湖にワカサギの卵を出荷している一大供給地でもある。そのためワカサギの数はケタ違いに多い。初心者でも条件がよければ200~300尾は釣れるといわれている。かつて浅い所で釣る時は、リールを使用しない手バネ釣りが主流だったが、今では諏訪湖も電動リールが主流となっている。水深は5mくらいしかないが、電動リールは手バネ釣りでは必要なミチイトの処理をしなくてすむので、トラブルが少なく初心者におすすめなのだ。
そして、近年の諏訪湖のワカサギ釣りは、ドーム船の釣りに合わせて進化してきた。ドーム船の元祖といわれる「みなと」のオリジナル仕掛けは、全長が50cmと短く、5本バリだが、オモリに一番近いハリの枝スが、他の3cmに比べて6cmと長い。これによって底ギリギリもねらえる下バリを付けるのと同じ効果が得られる。さらにワカサギ釣り用としては全長が短い仕掛けは、初心者でもエサ付けがしやすく、扱いやすいという利点がある。ラインはPEラインの0.3号、オモリは0.5~0.8号を使用する。仕掛けのハリは秋田キツネの2~2.5号だ。
釣り方は、底釣りではオモリが底に着いている状態で誘う。「誘ったら止める」を繰り返すが、止める時間を短くし、誘う時間を長くするのがコツだ。ドーム船では乗船者が誘えば誘うほど、ワカサギの活性も上がるので全体的に釣果が上がる。
春はフナも人気
ワカサギのほかにも、諏訪湖にはコイ、フナ、ドジョウ、ウグイ、ヒガイ、カマツカ、オイカワ、ウキゴリなど、コイの仲間を中心に多くの淡水魚が生きている。なかでも寒ブナや子持ちブナの甘露煮は諏訪の味と言え、「フナ寿し」は今では琵琶湖のものが有名だが、江戸時代には諏訪湖から献上したとの記録もある。諏訪湖にはキンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナ、ナガブナの4種がいるが、諏訪湖ではこれらのフナ釣りも人気だ。特にゴールデンウイーク頃には流入河川のあちこちに型のよいフナが乗っ込んでくるので、のんびりサオをだすのも楽しい。
この釣り場へのアクセス
東京方面からは、羽田空港を出て、首都高経由で中央自動車道・諏訪湖ICへ。名古屋方面からは、中部国際空港セントレアを出て知多横断道路、知多半島道路経由で中央自動車道・諏訪湖ICへ。諏訪湖ICからは諏訪湖方面の看板にしたがってすぐ。
釣り場情報
〈諏訪湖/ワカサギ〉
シーズン | おすすめは解禁から3月上旬 |
遊漁料 | 1日1000円 |
ドーム船料金 | 大人3500円、4歳~小学生3000円、3歳以下1500円 |
出船時間 | 午前7時~午後3時くらい |
交通 | 上信越自動車道・諏訪湖ICから諏訪湖方面の看板にしたがって諏訪湖へ |
管轄漁協 | 諏訪湖漁協(http://www.suwakogyokyou.com/) |
問合先 | 民宿みなと(宿泊・ドーム船。http://www.lcv.ne.jp/~mminato/) |
- ドーム船の料金や出船時間は目安
- 釣り場情報は2015年1月現在のものです。