通称〝利根マス〟の良型もねらえる
流域面積は日本最大で、「坂東太郎」と称される利根川。水源は群馬県大水上山の直下といわれ、群馬県、埼玉県、千葉県の関東平野を流れ下り、千葉県の銚子港で太平洋に注ぐ。流程約320㎞の大河川だが、主な釣り場となるのは群馬県内。なかでも現在人気があるのは、ヤマメやイワナなどの渓流釣りになる。
利根川の本流は開けた中に大きな変化がいくつも点在する。これらが大ヤマメを育む深みや流れの変化を生み出す
群馬県の利根川本流は、上流から利根漁協、阪東漁協、群馬漁協の3つ漁協が管轄しており、その中で阪東漁協を中心としたエリアは、主に大型のヤマメや川で大型化した体高のあるニジマスがねらえる。
なかでも人気の対象魚は、いわゆる居付きのヤマメ、次に下流から遡上してくる大型の通称〝利根マス(戻りヤマメ)〞、そして数こそ少ないが、海まで下って戻って来るサクラマスの3種だ。そのほかに、近年放流が多くなったせいか定かではないが大型のイワナ、さらに渓流禁漁後に設置される冬季ニジマス釣り場の残留個体と思われる大型のニジマスも、時にロッドを絞り込む。いずれの魚種も、豊富な川虫やアユ、ハヤなどの小魚を餌とし飽食しているので、驚くほど幅広でグラマスな魚体になっている。
利根川の魅力は、まずそのスケールの大きさといえる。阪東漁協区は水量の豊かさもさることながら、本流にもかかわらず大石が点在し、渓流をそのままスケールアップしたような渓相になっている。特に支流の吾妻川の合流点から上流は、高低差のある荒瀬が多くなり、それでいて大ものが潜むには充分な川幅と大淵を兼ね備えている。荒瀬、大淵、また荒瀬というような場所が連続しており、いかにも大ものが好みそうな場所である。吾妻川合流点より下流は水量がさらに多くなるが、その分大淵は少なくなり、押しの強い早瀬が主体となってくる。
季節はゴールデンウイーク以降
解禁期間は基本的に3月1日~9月20日であるが、阪東漁協区の場合、利根川本流が本流らしくなるのは、4月中旬以降で雪代(上流のダムに溜められた雪解け水)が流れ込んできてからである。それ以前はどちらかというと渇水気味だ。本流の醍醐味を味わえるベストシーズンとしては、水量が多く、雪代独特の濁りが取れてくる、ゴールデンウイーク前後から7月いっぱいくらいが目安になるだろう。
もちろん、それ以前にも魚は釣れるが、コンディションのよい魚をねらうのであれば、やはり雪代の濁りが取れてからのほうがおすすめできる。
6月後半になると上流部の各ダムが水位調整を行なうことがあり、その際に水位が極端に下がることがある。すると、魚たちは一時的に水深のある場所や水中の酸素の多い瀬に集まるので、そうしたポイントを見つけられれば思わぬ爆釣に恵まれることもある。
梅雨が明ける7月後半から8月に入ると、気温の上昇に伴って水温も上昇してくるので、釣り人には難しい季節となってしまう。しかし、その年の降雪量や梅雨時期の雨量によっては、上流部のダムから放水される冷水の量が増え、真夏のお盆を迎えるあたりまで充分釣りを楽しむことができる。とはいえ、ピークはやはり7月中旬くらいであろう。
なお、7月になるとアユ釣りが解禁になる。阪東漁協ではアユが解禁になると〝友釣り専用区〞が設けられる。〝優先区〞ではなく、あくまでも〝専用区(ルアー・フライは禁止)〞なので、釣行の際はそこへは入らないように注意が必要である。またこの季節になるとカヌーやラフティングで利根川を楽しむ人もいる。そのあたりはお互いできる限りの配慮を心がけ、楽しく釣りをしたい。
この釣り場へのアクセス
羽田空港からレンタカーを利用。関越道・渋川伊香保ICなどから利根川方面へ
釣り場情報
〈利根川/ヤマメ、イワナ、ニジマス〉
解禁期間 | 3/1~9/20 |
遊漁料 | 1日1500円(群馬漁協、阪東漁協)、2000円(利根漁協) |
管轄漁協 | 群馬漁協(https://gunmagyokyou.blog.fc2.com/) |
- 釣り場情報は2020年4月現在のものです。