大ヤマメが育つ川
古くからの絹織物の産地として知られる群馬県の桐生市。関東平野の北端の1つ、足尾山地の南西端にあり、中心部には市民の憩いの場であるとともに、釣り人に人気の高い渡良瀬川が流れる。
現在、釣りの対象魚となっているのはヤマメだ。豊富な水量に恵まれ、春先から型のよいものが釣れるのが人気の理由だが、渡良瀬川は下流で鬼怒川に合流し、最後は利根川となって海に注いでいて、秋にはシロザケの姿も確認されている。そしてヤマメについても、上流部に居着いて大型化したもののほかに、海もしくは下流部にある広い水域に一度降り、大きく育ってから戻って来たと思われるサクラマスが釣り人により確認されている。
ルアー、フライ、エサ、いずれも人気
渡良瀬川のヤマメ釣りが解禁されるのは毎年3月。なかでも支流の桐生川が合流する地点よりも上流の両毛漁協・群馬漁協共同管内(桐生市内)には、キャッチ&リリースエリアが設置されていることもあり多くの釣り人が訪れる。下流の渡良瀬漁協管内(足利市内)もヤマメは釣れるが、解禁期間が短いので注意が必要。2017年は両毛・群馬漁協が3/1解禁、渡良瀬漁協が3/5解禁となっている。
釣りは解禁直後から楽しめるが、4月後半から5月初旬は、川に生息するモンカゲロウやヒゲナガカワトビケラといった水生昆虫がいっせいに羽化をする時期にあたり、特に毛バリでねらうフライフィッシングのファンが多い。浮かべて使うタイプのドライフライ、沈めて使うタイプのウエットフライ、どちらも有効だ。
その後、6月からは下流からソ上してくるヤマメの数が増える。田植えの時期を迎え、上流のダムから一定量の放水が行なわれることで、川の水位が上がり大型ヤマメのソ上がうながされるからだ。近年、この時期になると、ルアーフィッシングやエサ釣りで大ものをねらうファンの姿が増えている。
ルアーはヤマメのエサとなる小魚を模した5cmサイズのミノーが主役。渡良瀬川は川に入っている石が大きく、流れが複雑に変化しているので、その1つ1つにしっかりミノーを通すことを意識する。ミノーはフローティングタイプの3g、シンキングタイプの5gと5.5gの3種類があればまず困らない。
エサ釣りも同じように石の前や川底にできた溝などを意識し、この川に多く生息するクロカワムシ(ヒゲナガカワトビケラの幼虫)をエサにして、丹念にさぐるとよい結果が得られる。サオは開けた強い流れでの釣りに対応できる本流ザオを使い、ミチイトは0.8号、ハリはマス釣り用の6~8号を用意。そして強い流れの中でもしっかりエサを流せるよう、オモリ(ガン玉)の3~4Bサイズも忘れず併用する。
見どころも多い桐生周辺
桐生市の中心に伸びる本町通りは400年前に天満宮を起点に作られ、周辺には由緒ある寺社や明治の近代化の面影を伝える桐生明治館など歴史的建造物が多く残る。また、桐生市内と上流の足尾銅山跡地周辺を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」も、沿線に多数の見どころを抱え人気がある。釣りに没頭したあとは、散策などの観光にも時間を充てるとさらに旅を充実させられるだろう。
この釣り場へのアクセス
羽田空港から首都高速で関越道または東北道へ。北関東自動車道に入り、太田藪塚ICまたは太田桐生ICからおよそ30分。桐生市内の「相川橋」前後のおよそ3.7kmはキャッチ&リリース区間になっている
釣り場情報
〈渡良瀬川/ヤマメ〉
解禁期間 | 3/1~9/20(両毛漁協区間、群馬漁協区間)、3/5~9/19(渡良瀬漁協区間) |
遊漁料 | 1日1500円(両毛漁協区間、群馬漁協区間)、1200円(渡良瀬漁協区間) |
管轄漁協 | 両毛漁協(http://www.ryomo-fishing.com/)、 渡良瀬漁協(http://wagk.web.fc2.com/)、 群馬漁協(https://gunmagyokyou.blog.fc2.com/)
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- 釣り場情報は2017年2月現在のものです。