美しい富士と青く輝く湖
山中湖は周囲14km、世界遺産富士山の麓にある富士五湖の中で最も大きな湖である。水深は最深部で13.5mと富士五湖中一番浅い。全体的に浅く、湖岸の斜度が緩いことから、貸しボート業が昔から盛んであった。
ボート釣りのターゲットは、主にワカサギやヘラブナなど。今ではすっかり山中湖のメインターゲットとなったワカサギ釣りは、以前はボート釣りや結氷期の氷上穴釣りが主体だったが、近年、多くの貸しボート業者が、屋根が付いていて内部が部屋のようになっている「ドーム船」の営業を始めた。現在、山中湖は日本で最も多くのドーム船が就航している湖になっている。また、ドーム船ではサオ、仕掛け、エサなどの必要な道具がすべてレンタルでき、手ぶらで気軽に楽しめるのも大きな特徴だ。
近年は暖冬傾向だが、年によっては今も結氷する山中湖。シーズンによっては氷上の穴釣りも楽しめる
関東甲信きってのドーム船パラダイス
山中湖でドーム船がこれほど流行った理由は、湖の標高が高いことがまず挙げられる。山中湖の標高は約1,000mあり、平野部と比較すると気温が10℃も低い。冬は冷たい西風が吹き、ボートでのワカサギ釣りはかなり厳しいものがあった。一方で、湖が全面結氷することは少なく、現在でも年によって湖東方面が凍るくらいである。また、東名高速と中央自動車道の両方からアクセスしやすい。つまり、ドーム船が運航でき、首都圏などから釣り人も集まりやすいという条件が整っていた。
現在では10艇以上のドーム船が湖面を彩っている。湖面に出れば、窓の外には富士山がドーンと聳え立ち、広々とした空間の中で釣れる。しかもドーム船の中は、最新設備が整っていて、快適に過ごすことができるのが魅力だ。シーズンは、山中湖の場合、ワカサギの禁漁期間が設けられていないため、湖とワカサギのコンディションに合わせて、例年9月頃からドーム船の就航が始まり、冬を挟んで5月頃までと長い期間楽しめる。
山中湖ドーム船の基本的な釣り方
山中湖のワカサギ釣りは、ドーム船が係留するポイントでも大きく変わってくる。それでも深さが最深部で13.5mなので、だいたい10m前後のポイントが多い。水深10mは、電動リールがあると便利な水深であることから、山中湖のドーム船では、最初から電動リールを使う人が多かった。水深がある程度あるポイントではオモリは重めのほうが、仕掛けが早く落ちるので手返しも速くなる。水深7m以上の深めでは3~4gくらいが目安。7m未満の浅めは1~3g。穂先もオモリに合わせて、重めでは硬め、浅めでは軟らかめにする。仕掛けは5~7本バリで、魚のサイズに合わせて1.5~2.5号を使い分ける。ハリ形状は袖でも秋田キツネタイプでもどちらでもよい。エサは通常はベニサシが使われるが、食い渋りの時は、アカムシが効く場合があるので用意しておくと便利だ。
誘い方は、オモリを底に着けたら、3~5cmくらい底を切った状態で、オモリが底を叩くようにコツンコツンと穂先を揺するようにして誘った後、リールを置いて、手を離してアタリを見る。オモリを底に着けたまま、少しラインを弛ませてから、ゆっくり張っていくといったフカセ釣りも有効だ。
バス、コイ、トラウトの釣りも
ワカサギ釣りのほかにも、山中湖ではバス、コイなどの魚影が安定しており、それぞれの釣りファンも通っている。また、山中湖から流れ出す桂川の上流部はニジマスやヤマメが釣れる名所として知られており、春からは毛バリやルアーの釣りが楽しい。湧水群として有名な忍野八海もこの桂川上流部の一部になっている。
この釣り場へのアクセス
東京方面からは、羽田空港を出て、首都高経由で中央自動車道に入り、河口湖IC、富士五湖道路・山中湖ICを経由して山中湖へ。中部方面からは、中部国際空港セントレアから東名高速に入り、御殿場IC、R138、富士五湖道路・須走ICを経由して山中湖ICから山中湖へ。山中湖ICから湖へは10分ほど。
釣り場情報
〈山中湖/ワカサギ〉
シーズン | おすすめは10~3月 |
遊漁料 | 1日600円(大人高校生以上)、300円(中学生)、小学生以下無料 |
ドーム船料金 | 大人(中学生以上)4,000円、小人(小学生)3,500円 |
出船時間 | 午前7時~午後3時30分くらい |
交通 | 中央高速・河口湖ICから富士五湖道路・山中湖ICから山中湖へ。東名高速・御殿場ICからR138、須走IC・富士五湖道路・山中湖ICから山中湖へ |
管轄漁協 | 山中湖漁協(http://www.lake-yamanaka.net/forms/top/top.aspx) |
問合先 | 旭日丘観光(ドーム船。http://www.asakan.gr.jp/) |
- ドーム船の料金や出船時間は目安。山中湖にはいくつかの船宿がある
- 釣り場情報は2015年1月現在のものです。