潮通しもアクセスも良好
長崎県にある平戸島は北部九州の西端に位置する。奈良・平安の時代から遣隋使や遣唐使の出発港としても利用され、海外との交易で栄えた歴史ある土地だ。16世紀には西洋との交流、南蛮貿易も盛んになった。島には今もそこはかとなく中国文化や南蛮文化の香りが漂っている。
平戸島は南北に32kmもある大きな島だ。西側に生月島、北に度島、的山大島などの他の島々も点在し、複雑な海岸線を成す間に親潮が流れ、多くの魚を育む。そのためさまざまな釣りが楽しめる人気の釣り場にもなっている。対象魚はアオリイカ、アジ、メバル、青もの、ハタ、クロダイ、メジナなど。島は橋で九州本島と結ばれており、高速船のほかにバスなどの車でも行くことができる。
おすすめはルアーでの“春告魚”ねらい
平戸で春の訪れを告げる魚がメバルだ。漢字では「春告魚」と書いてメバルと読む。これには早春に産卵をしたあと、体力を回復させようとエサを積極的に食べるメバルの習性が関係していると思われる。メバルは比較的寒冷な水を好む魚だが、九州でも宮崎と鹿児島を除く各県で釣れる。その中でも平戸島周辺は特に有名な釣り場だ。
現在、人気が高いのはメバリングと呼ばれるルアーでの釣り。メバリングは必要なタックルもコンパクトなため、観光旅行の先で楽しむのにもうってつけだ。例年11月中旬頃から釣れ始め、1~2月にかけて産卵の関係で少し釣りづらくなったあと、3~6月にかけてまたエサをよく追うようになる。
メバルの釣りは夜釣りが一般的で、ジグヘッドと呼ぶオモリの付いた小型のハリにプラスチック製のワームをセットしてルアーにする。ジグヘッドは1~3gくらいの重さでワームの長さは1~3インチだ。いずれにしても軽く、これを外灯の当たっている明暗部(明るいところと暗いところの境目)に投げてゆっくりとリールを巻いてくるだけでいい。表層で釣れなければ、段々と深いところを引いていき、メバルが食ってくる深さを探る。ロッドはサオ先が柔らかめのメバリング用、リールはロッドに合わせた1500~2500番台のスピニングリール、ラインはフロロカーボンの0.8号くらいが目安になる。
昼間はのんびり散策
夜がメインのメバル釣りだけに、昼間は情緒ある平戸市内を観光するのが一番。平戸城址や教会などの見どころが多数あり、平戸藩主であった松浦公が茶の湯が好きだったことから名物の和菓子が発達。カステラの原型とされるカスドースなども食べることができる。複数の温泉宿もあるので、ゆっくりと滞在して観光も釣りも楽しみたい。
この釣り場へのアクセス
平戸島へは長崎空港から佐世保に向かい、佐世保駅から路線バスか、駅から徒歩5分の佐世保港から出ている高速船などを利用する。
釣り場情報
〈平戸島/メバル、アオリイカ、アジ、青もの、ハタ、クロダイ、メジナ〉
シーズン | メバルのおすすめは3~6月。同じ時期にアオリイカもよく釣れる。その他にも秋には青ものやアジの回遊があり、春はメジナ、夏はクロダイなども釣れる |
問合先 | ポイント佐世保店(釣具店。http://www.point-i.jp/index.php?id=sasebo ) |
- 釣り場情報は2018年2月現在のものです。