人気のエギングも離島並みの高実績
宮崎県南部、日南海岸国定公園を抱える海の町・日南。温暖な気候のため、冬場は野球のキャンプ地としても賑わうこの町の周辺は、北西風の吹き荒れる冬でも風裏となる場所が多いことから、休日ともなると県内外から大勢の釣り人が訪れる。
磯釣り、投げ釣り、港内でのルアーフィッシングと楽しめる釣りはいくつかあるが、近年、タックルの手軽さもあって人気が高いのはアオリイカのエギングだ。「餌木(えぎ)」と呼ばれる和製ルアーを使った釣りで、港の堤防や海岸線に広がる磯場で楽しむことができる。
アオリイカは温かい海を好むイカで、一般的に海水温が低くなる冬場は反応が鈍くなってくるほか、最近は釣り人が多いこともあって、アクセスのしやすい釣り場ほど早く釣果が渋くなる傾向がある。
しかし、九州でも南に位置し、暖流の恩恵を受ける日南では、年明け1月頃から大型の目安となる1kgオーバーも釣れるようになり、さらに2月でも充分な釣果を期待できて、時に2kgオーバー、3kgクラスの超大型サイズもねらえる。その釣れぐあいは、釣り人の少ない離島にもひけをとらないほどだ。
開放感抜群のサーフのヒラメ釣り
そして冬場、日南で旬を迎えるもうひとつの釣りといえば、太平洋に面した広い砂浜(サーフ)がフィールドになるヒラメ釣りがある。 日南周辺の砂浜には、全国でもいち早く、年明け頃から産卵を控えたヒラメの群れが接岸してくる。そのヒラメがエサにしているのはイワシなどの小さな青魚。この時期、波打ち際にたくさんの小イワシが打ち上げられていたら、ヒラメ釣りには絶好のチャンスだ。
ヒラメもルアーでねらう。この時のルアーは20g以上の重めのものが基本。釣り場となる砂浜の海岸線は波が荒く、また周囲に遮蔽物もないので風の影響を受けやすい。そのため、手前の波をかわして遠くまでよく飛ぶ重いルアーが必要になる。
ルアーのタイプは、海の表層近くをさぐるフローティングミノー、中層から底までをねらいたい時のシンキングミノーやバイブレーション、さらに鉄片のような構造で遠投性能を重視したメタルジグなど各種。さらにソフトルアーと呼ばれる軟らかいラバー素材のルアー(遠投するためのオモリと組み合わせて使う)も用いられる。重いルアーを大海原やそこにつながる河川の最下流部で思い切りキャストする釣りは開放感抜群。夢中になるうちに冬の寒さも忘れてしまうほどだ。
大型ヒラメを手にするコツ
ヒラメというと、その扁平な魚体から、海底にじっとしていて上を見ながら獲物を待ちかまえているイメージも強いが、実際はイワシを食べるために表層まで泳ぎ上がることもあれば、ねらいを定めた小魚をしつこく泳いで追い続けることもある。そこで、ルアーでねらう場合も、海底付近ばかりを意識せず、魚の反応がない時は表層や中層も意識してルアーをこまめにキャストし直すとよい。
なお、開けた砂浜での釣りで注意したいのが大波。ヒラメは海が若干荒れ気味の時のほうが釣れやすいが、そうした条件の時に海に立ち込んでキャストしていると、見た目以上の強い力を持つ潮流に驚くことがよくある。ライフジャケットは必ず着用しておく必要があるが、目安として膝より深い場所までは海に入らず、釣りの最中、視線は常に遠くに保って寄せて来る波の動きに気を配りたい。冬場の熱いルアーフィッシングも、まずは安全が第一だ。
この釣り場へのアクセス
宮崎空港からレンタカーで日南市内の各釣り場へ。
釣り場情報
〈日南/アオリイカ、ヒラメ〉
シーズン | 通年(アオリイカ) 秋~冬(ヒラメ) |
問合先 | ポイント宮崎恒久店(http://www.point-i.jp/index.php?id=652) |
- 釣り場情報は2016年10月現在のものです。