亜熱帯のジャングル
沖縄県で本島の次に大きい西表島。島の90%が亜熱帯のジャングルで、大小40以上の川があり、河口域にはマングローブ林が広がっている。天然記念物のイリオモテヤマネコをはじめ、カンムリワシ、セマルハコガメ、キシノウエトカゲなど珍しい動物も棲息し、東の小笠原諸島などと並んで「東洋のガラパゴス」と呼ばれることも多い。
石垣島から高速船で約40分のこの島は、釣り人にも人気の島で、毎年県の内外から多くのアングラーが訪れる。
GTフィッシングとジギング
近年、西表島で人気が高いのがルアーフィッシングだ。この島のルアー釣りを大きく分けると、「GTフィッシング」「ジギング」「リーフフィッシング」「マングローブフィッシング」の4つになる。
GTフィッシングは、ジャイアントトレバリー(通称GT、和名はロウニンアジ)をねらう釣り。西表島のGTフィッシングの特徴は、ほかのエリアに多い一発大ものねらいではなく、15~35kgクラスを高確率でヒットさせるところにある。初挑戦でも釣れる可能性があり、20kg前後の魚が最も多いが、40kgオーバーという大もののチャンスももちろんある。通年ねらえるが、比較的海況の穏やかな3~11月がハイシーズンだ。
また、重めの金属製ルアーを使うジギングも、西表島周辺は沖縄本島に比べて、数・型ともにチャンスが多く、ジギングフィールドとしては比較的浅い水深30~100mのポイントでは、スジアラ、バラハタ、アオチビキ、イソマグロ、フエフキダイなどが、ディープジギングと呼ばれる水深100~200mのポイントでは、カンパチ、ハタ類、イソマグロなどの3~20kgオーバークラスがねらえる。そのほか、ボートからの五目ルアーフィッシングは誰でも手軽に楽しめる西表島のアクティビティーだ。
リーフフィッシングと マングローブフィッシング
リーフフィッシングとは、主にライトタックルを使い、サンゴの海に広がる浅場に立ち込んでねらう釣りのことだ。カンモンハタに代表されるハタ類や、イソフエフキ、ハマフエフキに代表されるフエフキダイ類などをねらう。上級者はもちろん、場所を選べば女性や初心者の方でも気軽に楽しめる。ただし、リーフフィッシングは海況の判断など安全の確保には一定の経験も必要なため、ベテランもしくはガイドの同行を頼みたい。
そして、西表島ならではのもうひとつの釣りがマングローブフィッシング。マングローブの林が広がる川の河口近くには、ルアーやフライでねらえる多くのフィッシュイーターが生息する。ここをカヌーでポイント移動しながら楽しむ釣りは南国ムード満点。
人気魚種のひとつ、マングローブジャックと呼ばれるゴマフエダイは、河口の岩盤帯やマングローブ林の根本に生息し、水面を動かすトップウオータールアーに盛んに反応してくる。また、チヌも人気のターゲット。西表島にはナンヨウチヌとミナミクロダイがいるが、マングローブで釣れるのはほぼナンヨウチヌ。口が小さいので、小さめのルアーでねらう。さらに最大で60cmほどになるパシフィックターポン(イセゴイ)は、ヒットすると盛んにジャンプしてスリリングなやり取りが楽しめる。
日本では西表島でしか釣れないテッポウウオ、ハゼの仲間では国内最大級のホシマダラハゼなど、ほかにもマングローブには西表島でしか出会えない貴重な魚たちが生息している。
ガイド利用がおすすめ
自然豊かな西表島は、ルアーフィッシング以外にエサ釣りも楽しめる。マングローブの川や河口付近では秋から冬にチヌの数釣りが楽しめ、砂浜や港周辺では投げ釣りでハマフエフキや、時には20kgオーバーのGTも釣れる。
そして、1年を通して釣り人が絶えない西表島で、ぜひ利用したいのがガイドサービスだ。本土とは大きく違う気候やマングローブフィッシングなど独自の釣りを楽しむにはやはりガイドが欠かせない。島を訪れる際は、まずはこれらのガイドに相談してみるのが充実した釣りを楽しむ一番のコツだ。
この釣り場へのアクセス
南ぬ島石垣空港からタクシーで石垣港へ向かい、石垣島離島ターミナルからフェリーを利用。西表島までおよそ40分。
釣り場情報
〈メジナ〉
シーズン | 通年(台風等で釣りができない場合を除く) |
問合先 | マリンボックス(西表島/フィッシングガイド・宿泊。http://www.marinebox.net/) ワン・オーシャン(西表島/フィッシングガイド。http://www.oneocean.jp/) |
- 釣り場情報は2015年7月現在のものです。