夏のアユ釣りで賑わう穏やかな流れ
伊南川は栃木と群馬との県境に接する檜枝岐村に源を発し只見川に注ぐ。川は急峻な山間の谷にある穏やかな平地流で、只見川水系の中でも大きな支流であり、大きな特徴として、上流にダムがないため流れの透明度が非常に高い。
川幅は20~40mと広く、瀬、トロ、淵、岩盤が随所にあり、川底には頭大の石が敷き詰められている。平成23年に豪雨による大きな水害があったが、現在、その傷跡も少しずつ回復してきている。
この川に全国から釣り人が集まるのは、なんといっても夏のアユ釣り。良質な水は食べても美味しいアユを育み、釣り場も広いことから、かつては大手釣りメーカーによる全国規模のアユ釣り大会が開催されていたこともある。近年は放流事業も成功し、解禁日ともなれば50尾前後、なかには100尾の束釣りをする人が出る時もある。
アユ釣りの解禁は毎年7月下旬で、9月下旬には終了となるため、実質的に2ヵ月ほどと釣期は短いが、それでもアユの生活環境は整っているため魚の成長は早い。
初期は伊那地区、後期は下流もおすすめ
伊南川は大きく分けると伊南地区と南郷地区に分けられる。上流にあたる伊南地区は水温が低く、石も頭大程度。ほとんどのアユは18㎝程度の小型で主に数釣りが楽しめる。下流の南郷地区は水温が上がり、また石のサイズも大きくなるため、20㎝の良型アユの釣り場となる。
伊南地区のおすすめは新伊南川橋の上下流。放流も多く川にも入りやすいため初めて訪れる人にも楽しみやすい。橋の上下にトロ瀬があり、両岸の際をねらうとよい。
南郷地区のおすすめは南郷橋の上下流。南会津西部漁協の近くにある釣り場で放流も多いため数も期待できる。それでいて大石も豊富にあるため型もよい。
そして、南郷地区の下流部は8月になると急に大型が釣れるようになる。お盆頃には25㎝クラスも珍しくない。最盛期のアユはアタリも引きも強いので、充分に強度のある仕掛けを使うことが確実に取り込むコツになる。
本流の大ヤマメも人気
そして伊南川の本流は型のよい渓流魚も育む。なかでも近年注目されているのが大型のヤマメだ。上流に舘岩川などの人気渓流釣り場があり、豊富な水量を保つ伊南川の本流では、銀色に輝く砲弾のような姿のヤマメがねらえる。
この大型ヤマメをねらって、アユ釣りファンだけでなく、エサ釣りやルアーフィッシングのアングラーも訪れる。こちらのおすすめ時期は、アユ釣りが解禁となる前までの7月中旬まで。ただし、アユ釣りの解禁後も、川に人が少なく、なおかつヤマメなどの渓流魚の活性が高い朝夕のマヅメ時などであれば、充分に大型をねらうチャンスがある。アユ釣りの人が増える日中の時間帯は、上流や支流を釣るのがおすすめだ。
この釣り場へのアクセス
福島空港または新潟空港からレンタカーで南会津町方面へ
釣り場情報
〈伊南川/アユ〉
解禁期間 | 7/18~ |
遊漁料 | 1日2500円、年券1万2000円 |
管轄漁協 | 南会津西部非出資漁協(http://inagawafish.org/) |
オトリ店 | 田吾作(http://www.tagosaku-ina.com/index.html)、宮川屋(http://www.miyakawaya.sakura.ne.jp/) |
〈伊南川/ヤマメ、イワナ〉
解禁期間 | 4/1~9/30 |
遊漁料 | 1日1100円、年券6500円 |
管轄漁協 | 南会津西部非出資漁協(http://inagawafish.org/) |
- 釣り場情報は2020年7月現在のものです。