水面を漂うスイカに食いつくクロダイ
新潟県の沖合に位置する佐渡島は、面積約850km²、周囲約260km、わが国では沖縄本島に続いて2番目に大きな島である。新潟港からカーフェリーで2時間30分、ジェットフォイルなら65分でアクセスできる。島内には旅館、ホテル、キャンプ場などの宿泊施設が多くあり、温泉も豊富。四季折々、さまざまな魚が釣れるフィッシングパラダイスだが、佐渡島を代表するターゲットといえばクロダイだろう。クロダイは春夏秋冬、島のどこででも釣れるといっても過言ではなく、いい日並に当たれば1日に2ケタの釣果に恵まれることも。
水温の上がる夏場はなんとスイカをエサにクロダイがねらえる。細かく刻んだスイカを海に撒いていると、海面を漂うスイカ目指して、クロダイが水面直下まで浮上してパクリとスイカを食べる「ハネ」が見られる。
スイカのクロダイ釣りは神奈川県の三浦半島が発祥の地といわれ、三浦半島や千葉県の房総半島で盛んに行なわれていたが、今は魚がスレてしまったのかクロダイのハネが見られることは少なくなった。佐渡島は今でもクロダイのハネが見られる貴重な釣り場といえるだろう。
80~90cm超のマダイも毎年飛び出す
20年ほど前からクロダイと同じかそれ以上の人気になっているのが磯からねらうマダイである。マダイ釣りの最盛期はカンゾウの花が咲く6月前後の乗っ込み期と、秋の落ちダイシーズン。
マダイは群れで回遊しているため、1尾ヒットすると立て続けに当たる場合が多い。アベレージサイズは50cmクラスで80cm、90cmを超えるモンスター級も多くあがっている。50cmを超えるマダイの引きは強烈。しかも、磯からだと引き味がダイレクトに楽しめ、一度味わうと病み付きになってしまう。
佐渡島は大佐渡・小佐渡というように分かれている。マダイをねらうには大佐渡の外海府一帯、北は藻浦の二ツ亀、大野亀から南は高瀬(相川)全域の沖磯がねらいめになる。
また、例年5~6月には水温の上昇と暖流の影響で1mを超えるヒラマサの回遊がみられ、沖磯からのウキフカセ釣りでも、地磯からのルアー釣りでも1m超えのヒラマサが年に何尾も上がっている。さらに6月から7月には潮の速い沖磯ではクチブトメジナ、オナガメジナの40~50cmクラスが釣れる時もある。専門にねらう人は少ないがイシダイも3kg超が期待できるし、カンダイの大型もあがる。まさにフィッシングパラダイスだ。
夏はアユ、秋はアオリイカも
佐渡島には川もあり山もあり、景勝地も多い。
家族や大切なパートナーと一緒に観光で訪れて、空いた時間に砂浜や堤防でサオをだしても面白い。シロギスや小メジナ、クロダイ、アジはどこでも釣れるし、秋はアオリイカの数釣りも楽しめる。また、夏場に天然アユがソ上する川もあり、友釣りでねらう人もいるようだ。
釣り以外の楽しみといえば、近年はトレッキングやサイクリングが人気。
また、景勝地も多く、佐渡金山が繁栄した江戸時代に船大工が作った町並みが、往時を偲ばせる面影で残された宿根木は新潟県では唯一、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
この釣り場へのアクセス
佐渡へは新潟空港から新潟港へ向かい佐渡汽船のカーフェリー利用が最もポピュラー。所要時間は2時間半。料金は季節により変動するが最も安い二等船室で2,510円。クルマを運ぶ場合は全長により料金が大幅に異なる。5~6mで2万1,480円。
釣り場情報
〈佐渡/クロダイ、マダイ〉
シーズン | クロダイはほぼ通年。マダイは5~7月、9~11月 |
問合先 | 山田屋釣具店(佐渡市沢根/釣具店。http://park10.wakwak.com/~yamadaya/) ホテル万長(佐渡市相川/宿泊。http://www.sado-royal.co.jp/index.html) 佐渡汽船(カーフェリー。http://www.sadokisen.co.jp/) |
- 釣り場情報は2015年7月現在のものです。