漁獲量は全道一
数多い北海道のワカサギ釣り場のなかで、魚影の濃さと型のよさに定評があるのが道東の網走湖。道内では14の湖沼でワカサギの漁獲が行なわれているが、網走湖の生産量が最も多く、近年は概ね100~150トンで推移している。厳寒期に氷の下で行なわれるワカサギ漁は冬の風物詩として有名だ。また、放流種苗の供給源としても知られ、同湖のワカサギの卵は全国各地の湖沼に放されている。
釣り場としての知名度も全国指折り。道内では13の漁協がワカサギについて遊漁規則を定めているが、遊漁券の発券枚数は札幌近郊の人気釣り場であるしのつ湖(新篠津村)と毎年1、2位を争う。
網走湖は網走川を通じてオホーツク海とつながっている汽水湖。ふ化したワカサギは海に下り、初冬に遡上してくる。豊潤なオホーツク海はワカサギを大きく育てるのか、15㎝ほどの“デカサギ”も珍しくない。
ワカサギ釣りの会場は呼人地区と女満別地区の2ヵ所。解禁期間は氷の厚さなどにより変動するが、近年は1月上旬~3月中旬。事前に確認してから訪れたい。
解禁直後から良型ラッシュ 【呼人会場】
呼人会場は網走湖の北側に位置し、海から遡上したワカサギが溜まりやすく、解禁直後は好釣果が望める。駐車場は管理棟横の第1と、キャンプ場側の第2と2ヵ所ある。
手ぶら派におすすめは、貸しザオ・仕掛け・エサ・イスに加えて穴開け料と遊漁料を含むセット。料金は大人1,800円、小学生1,400円。これならすぐに釣りを始められる。レンタルテントは2,000~4,000円。このほか、鍋や油などワカサギを揚げるのに必要な天ぷらセットのレンタルもある。
水深は1~3m。進入禁止のポール沿いにテントを設置するベテランが多いようだが、全域で釣果は期待できる。底は泥質でオモリを小突きすぎると濁り、外道のヌマガレイが寄りやすくなるので注意したい。とはいえ、海とつながっていることを実感できるターゲットでもある。
シーズン後半も面白い 【女満別会場】
女満別会場は網走湖の南側に位置し、呼人会場よりも釣れ始めるのが少し遅い傾向にある。春めく日が多くなる2月中旬から3月のクローズまでが人気。シーズン後半は産卵を控えて卵を抱えたシシャモのような大型のワカサギがねらえる。
なお、呼人会場より30分早く開場し、車は林道沿いに片側に停める。仕掛け付きの貸しザオは1本500円、エサは200円。手動のアイスドリルは無料で貸し出ししている。
こちらも水深は1~3m。底が泥質であるのも呼人会場と同じだが、シーズン後半になるほど水の透明度は低くなる。エサのサシは半分程度にカットし、そのエキス(体液)で魚を誘いたい。
豊かな自然を満喫!
ベテランはテントを設置して10束(1000尾。1束は100尾)を目標にするが、天気がよければのんびりと外でサオをだすとよいだろう。網走湖の魅力はワカサギの魚影の濃さとサイズのよさだけではない。
北海道東部は希少な渡り鳥の越冬地。天然記念物に指定されている日本最大の猛禽類・オオワシやオジロワシに出会えることもある。大空に悠々と翼を広げて飛翔する光景は圧巻だ。望遠レンズがあれば会心の一枚が撮れるかもしれない。
もちろん、観光もおおいに楽しみたい。日本近海ではオホーツク海にしか接岸しない流氷が網走なら見ることができる。その時期は概ね1月下旬~3月下旬で、ワカサギシーズンとそれほど変わらない。厳しくも美しい北海道ならではの景色を目に焼き付けたい。
この釣り場へのアクセス
女満別空港からレンタカーを使用し女満別会場は約10分、呼人会場は約20分
釣り場情報
〈網走湖/ワカサギ〉 遊漁規則
遊漁期間 | 2021年1月5日~3月21日(呼人)、1月5日~3月中旬(女満別) ※氷の状況などにより変動あり |
遊漁料 | 1日800円(小学生400円) |
遊漁時間 | 午前8時半~午後4時(呼人)、午前8時~午後4時(女満別) |
問合先 | 網走市観光協会 TEL:0152-44-5849(呼人) NPO法人オホーツク大空町観光協会 TEL:0152-74-4323(女満別) ※2021年シーズンはコロナ対策がとられているので、その指示にしたがってください |
- 釣り場情報は2021年2月現在のものです。