新千歳空港から車で約30分の港へ
北海道は釣りが盛ん。地元には熱心なファンが多く、冬もオフシーズンにはなりません。有名なのは結氷した湖に穴を開けてワカサギなどをねらう氷上釣りですが、地域によっては海釣りも問題なく楽しめ、実はさまざまな魚をねらうことができます。
そのなかでも、近年、特に人気が高いのがサクラマス釣りです。サクラマスは渓流魚として知られるヤマメが、川から海へくだって大きく成長したもので、最大で70cm以上になります。ヤマメもサクラマスもルアーによく反応する性質があり、北海道の沿岸部は全国でもサクラマスが多い貴重なエリアとなっていて、エキサイティングな釣りが楽しめます。
船(釣り専門の遊漁船)からの釣りは、船長が釣れるポイントを熟知しており、レンタルタックルも利用できるのがメリット。旅行先でも挑戦しやすく、新千歳空港から車で約30分の苫小牧(とまこまい)市勇払マリーナには、そうした体験ができる遊漁船が複数あります。
釣り場は苫小牧近くの胆振(いぶり)沖。胆振沖はサクラマスの越冬場所になっていて、さらに冬でも海がしけにくい太平洋側にあたり、つまり釣りができる出船率が高いのも特徴です。
苫小牧遊漁船タマリスク
- 住所:北海道苫小牧市字勇払376番地勇払マリーナ
- TEL:090-8639-1012(船長:高野)
体力負担が軽いスロージギングで釣る
レンタルタックルを利用できる遊漁船なら、手ぶらで訪れても大丈夫。ただし、服装は暖かく動きやすいものをしっかり準備してください。釣り方は金属タイプのルアーを使うスロージギングが主流で、釣り場の水深は80~150mと深いですが、スロージギングはゆったりとした操作で釣りをするので体力的負担は軽めであり、女性でも十分に楽しめます。
釣果を得るコツは、サクラマスが回遊している泳層をいち早く探し当てること。船長の指示(水深何メートルを釣ってくださいとアナウンスされます)を忠実に探り、もし周りによく釣れている方がいたら、その方がねらっている深さ(釣りではタナと呼びます)に合わせるのが間違いありません。ただ、先ほどまで30mで釣れていたと思ったら、今度は海底付近で釣れたりと、タナも常に変化します。船上では、お客さん同士でもタナに関する情報を教えあう場面が多くなります。
苫小牧のご当地グルメも楽しみ
釣りを終えたら、苫小牧周辺はご当地グルメが大きな楽しみです。昭和29年まで苫小牧駅前にあった朝市をルーツとし、昭和47年に現店舗へ移転した「海の駅ぷらっとみなと市場」は、「新鮮な物を安く」というコンセプトを守り続け、今も苫小牧市民の台所になっています。市場内には豊富なラインアップの物販・飲食店が集まっており、ぷらっと立ち寄ったとしても、時間を忘れてつい夢中になってしまうかもしれません。
海の駅 ぷらっとみなと市場
- 住所:北海道苫小牧市港町2-2-5
- TEL:0144-33-3462
- ウェブサイト:海の駅 ぷらっとみなと市場
美味しいお店はもちろん周辺にもあり、「海の駅ぷらっとみなと市場」の向かいにある「魚金食堂」は、地元客の利用も多く質実ともなったリーズナブルなメニューが人気です。
魚金食堂
- 住所:北海道苫小牧市汐見町1丁目1-14
- TEL:0144-84-1198
- ウェブサイト:魚金食堂
苫小牧漁港にある「マルトマ食堂」も、連日行列の絶えない人気店です。苫小牧市が水揚げ日本一を誇るホッキガイを中心に、獲れたての海の幸を新鮮なまま調理・提供しています。このように多くのご当地グルメが味わえる苫小牧は、万一海がしけてしまい、釣りが中止になったとしても食べ歩きを楽しめます。さらにいえば、北海道の他のエリアを訪れていたとしても、帰りの飛行機に乗る前に足をのばしてみる価値は十分にあります。北海道ならではの冬の釣り体験やグルメを楽しみに、ぜひ楽しい旅行を計画してみてください。
マルトマ食堂
- 住所:北海道苫小牧市汐見町1丁目1番13号
- TEL:0144-36-2023
- 記載の内容は2023年12月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
協力:つり人社