玄界灘の冬から春を熱くするヒラマサに近場の福岡沖で挑戦
九州でヒラスと呼ばれるヒラマサは、玄界灘に多い魚。国内トップクラスの魚影の濃さから、全国の釣り人がその強い引きを求めてやってくる。玄界灘は、福岡や佐賀、そして長崎の沿岸から国境の島である対馬まで広い範囲に及んでいる。そのため、一口に玄界灘の釣りといっても本土の沿岸寄りから離島の沖まで釣り場にかなりの違いが出る。
しかし、ヒラマサの絶好期である冬から春にかけては、沿岸に近い場所でもよくヒットするようになる。福岡の都市部の近海でも釣果が出るようになると手軽にねらえる。福岡市内の港から一時間圏内で人気のヒラマサとの勝負ができるようになるのだ。博多湾の沖には玄界島が浮かび、それは市内の港からもはっきりと見える。最も近い釣り場はその玄界島周りで、そこまでは30~40分の距離。その近さでヒラマサが釣れるのだから、初挑戦にも適している。
沖釣りをガイドしてくれる遊漁船なら、レンタル道具を用意しているところも多く、まったく道具を持っていなくても釣りが可能だ。風に吹かれたり、波飛沫がかかったりしても寒くないウエアとグローブさえ準備しておけば、強い引きと端麗な身の旨さを誇るヒラマサと出会えるかもしれない。ただし、冬から春の玄界灘は波立つ日が多くなるため、船酔いする人は酔い止め薬が必需品だ。
ヒラマサ釣りを体験するならまずはジギングに挑戦!
遊漁船からのヒラマサのねらい方は大きく分けてエサ釣りとルアー釣りがある。エサ釣りは仕掛けなど小物類の準備が多くなるのに対し、ルアー釣りは道具立てがシンプルで、エサを使わないから手も服も汚れにくいため、手ぶらでやるならルアー釣りがおすすめ。ねらい方は主にキャスティングとジギングの2通りだ。
キャスティングとはルアーを投げてねらう釣りだ。遠くに飛ばせるほど有利で、ヒラマサねらいでは40~100gと重いルアーを投げる必要があるが、初挑戦で遠くまで投げるのはなかなか難しい。そこでルアーを投げることのないジギングがおすすめだ。
ジギングとはメタルジグという金属製のルアーを足元へ沈めていく釣り。ジグが海底に届いたら、サオをシャクってジグに動きの変化をつけながら巻き上げていく。海底の半分もしくは船長が教えてくれる層まで探ったら、再び沈めて同様の探りを繰り返す。
魚がヒットしたら、片手でサオをしっかり握り、脇を固めてサオがブレないように支え、もう片方の手でリールを巻いて浮かせる。魚は逃げようと下へ潜ろうとする。特にヒラマサは海底の岩礁帯に逃げ場を求め、そこまで到達されると岩にイトがこすれて切れたり、ハリが外されたりしてしまう。この一進一退の攻防こそがヒラマサ釣りの醍醐味だ。海面まで浮かせ、ネットに収めて船のデッキに取り込んだときの達成感はかなりのものだ。
福岡市街地の港から向かう沖の水深は40~80m。日帰り釣行であれば深くても100m前後だ。使用するジグは80~200gがメインだが、レンタルを利用すればこれも準備する必要はない。底取りを何回繰り返すか、どんなシャクリが適しているかといったその日の状況は、船長がアドバイスしてくれたり、ときには実演して手ほどきしてくれたりする。こうした点は初めてでも挑戦しやすい遊漁船での釣りのメリットだ。
福岡は自然・食・観光が三位一体となった便利な街
福岡は各都市との飛行機の便数も多く、さらに空港と市街地も近くて便利だ。そして、市街地から海までも近く、自然・食・観光が上手にまとまっている。 福岡市内から電車やバス、タクシーなどで太宰府市に足を延ばせば、学業の神さまとして知られる太宰府天満宮や社会現象にもなった『鬼滅の刃』の縁の神社である竈門神社もある。
冬から春先までは受験シーズンでもあるので、新型コロナ禍のなか、身近な人を祈りで応援するために参拝するのもいいのではないだろうか。
この釣り場へのアクセス
羽田空港から福岡空港で福岡市内に入り、空港から福岡市営地下鉄で博多駅へ。博多駅からタクシーで箱崎港へ。通常、出船時間が早いので宿泊施設からタクシーやレンタカーで箱崎港へ。カーナビ利用時は箱崎4丁目-38-4を入力すると確実
釣り場情報
〈玄界灘/ヒラマサ。ほかにブリも好機。タイラバをやればマダイのヒットも〉
シーズン | 冬~春(最盛期)ゴールデウイーク明けの5〜6月はオフシーズンでそれ以外は周年ねらえる。 |
問合先 | 遊漁船Lクルーズ(TEL:080-8391-8543)https://www.l-cruise.com/ |
- 遊漁船は朝が早いので、問い合わせなどで電話する場合は前日の夜7時までにしてください。
- 釣り場情報は2020年12月現在のものです。