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    掲載日:2021.02.04

    四国お遍路旅の最後はどんなところ? 88番札所「大窪寺」と周辺をご紹介

    心願成就のため、自分自身と向き合うため、そして近年はアウトドアとしても人気のある四国お遍路旅。徳島県から始まり、高知県、愛媛県を経由してたどり着くのが、香川県に位置する88番札所「大窪寺」です。全部で88ある霊場をすべて巡り、大窪寺にいたるのは容易ではありません。そこで、最後の霊場は一体どんな場所なのか、気になるお寺の見どころと周辺施設をご紹介します。

    雄大な自然に囲まれた88番札所「大窪寺」

    大窪寺南側の山門

    平安時代の僧・弘法大師(空海)にゆかりある八十八霊場。その遺跡を辿る巡礼の旅の、最後の霊場です。なお、お遍路旅には札所の順番を逆にまわる「逆打ち」という巡礼方法もあり、その場合は1番目の霊場になります。徳島県との県境に近いこの場所は矢筈山の中腹に位置し、平地と比べひんやりとした空気が漂います。

    本堂に向かう途中、右手に立つ立派なイチョウ

    南側の山門から境内に入ると、鮮やかに色づいたイチョウの木が目に入りました。境内にイチョウやカエデの木が生い茂る大窪寺は、秋になると紅葉のスポットとしても人気を集めます。

    本堂奥にそびえる胎蔵ヶ峰

    胎蔵ヶ峰を背景にして建つのが本堂です。御本尊の薬師如来がまつられ、病気平癒や健康長寿などのご利益を授かることができます。山々に囲まれた雄大な景色の中で心を鎮め参拝することができる大窪寺。参拝者の中には、お遍路旅の道具である金剛杖や白衣を身に付けたお遍路さんの姿もちらほら。

    無数の金剛杖が納められた寶杖堂

    大窪寺の特徴のひとつに、お遍路さんが道中をともにした金剛杖が奉納される寶杖堂があります。金剛杖は、巡礼の間、お遍路さんが弘法大師とともにあることを意味する「同行二人」を象徴するアイテム。最後の霊場である大窪寺で、その役割を終えた金剛杖を納めるのです。

    西の山門側に立つ弘法大師像

    また、お遍路では本堂に参拝後、弘法大師をまつる大師堂でも同様に参拝を行います。その大師堂のそばには弘法大師像が。日本の真言宗の開祖である弘法大師は、民衆の平和を願い八十八の霊場で修行を行いました。これまで多くのお遍路さんを見守り、広く人々の信仰を集めてきた高僧です。

    参拝を終え、さらに自然を満喫したい人には、大窪寺北西に位置する前山ダムまでの7.7kmのハイキングコースもおすすめ。清流が美しい来栖渓谷や、香川の豊かな動植物を楽しむことができます。前山ダムまでは歩いて約4時間。時間に余裕がある場合は、ぜひ訪れてみては。

    88番札所 医王山 遍照光院 大窪寺

    住所:香川県さぬき市多和兼割96
    TEL:0879-56-2278
    アクセス:高松琴平電気鉄道長尾線「長尾」駅より車で約30分

    巡礼の疲れも香川名物のうどんで回復!

    八十八箇所霊場の近くでは、お遍路さんに対し食事や休憩所を提供する接待の文化が残る
    大窪寺の南側山門を降りてすぐの通りに店が並ぶ

    大窪寺の門前には飲食店のほか、お遍路の巡礼用品やお土産を販売する店舗が並び参拝者をもてなしてくれます。

    香川県の名物といえば、欠かせないのはうどんですよね。特に県外からの旅人に人気のうどんを提供する2つの食事処をご紹介します!

    「八十八庵」の郷土料理「打ち込みうどん」でほっこりあたたまる

    大窪寺の向かいに店を構える八十八(やそば)庵
    テーブル席のほか、店内奥には十分な広さの座敷も

    「八十八庵」のおすすめメニューは「打ち込みうどん」(880円 税込)と「おでん」(1本130円 税込)。特にうどんを味噌で煮込む「打ち込みうどん」は、かけうどんが主流の香川県では珍しい郷土料理なのだとか。

    打ち込みうどん 880円(税込)、おでん(とうふ、こんにゃく、厚揚げ天ぷら) 各種130円(税込)

    1959(昭和34)年の創業時から継ぎ足している秘伝の出汁を吸った「おでん」は、セルフサービスでとうふ、こんにゃく、厚揚げ天ぷら、卵などから好きなものをチョイス。「打ち込みうどん」は、味噌仕立ての汁に自宅で採れた野菜などなんでも入れてうどんと一緒に煮込む栄養満点の郷土料理です。八十八庵では自家製白味噌の汁で地元のダイコンやニンジン、サトイモ、油揚げ、豚肉などを煮込んでいます。また、麺にはさぬきうどんのために開発されたこだわりの小麦「さぬきの夢」を使用。もちもちとして、喉ごしのよい麺と白味噌が好相性のひと品です。

    自家製のこんにゃくはお土産に人気

    また、手作りのこんにゃくも名物のひとつで、大窪寺の参拝帰りに購入する人が多いとのこと。店内でも「こんにゃくのさしみ」(300円 税込)で味わうことができますよ。

    讃岐手打ち生うどん 八十八庵

    住所:香川県さぬき市多和兼割93-1
    TEL:0879-56-2160
    営業時間:8:00~16:30(16:00 L.O.)※季節により営業時間の変更の可能性あり/年末休(12月30日~12月31日)
    アクセス:高松琴平電気鉄道長尾線「長尾」駅より車で約30分
    URL:https://www.yasobaan.jp

    「野田屋」では名物「たらいうどん」がお遍路さんに人気

    2階の大広間では団体客も受け入れる

    現店主の祖父が露天商としてお土産を販売していたのが「野田屋」の始まりです。この地を訪れるお遍路さんの増加に合わせて食事を出すようになり、1968(昭和43)年に大窪寺門前にお店を構えました。

    たらいうどん 550円(税込)

    定番人気は「たらいうどん」(550円 税込)。さぬきうどんらしく、コシがありつるっとした喉ごしです。ほかにも名物の「打ち込みうどん」(880円 税込)や、丼もの、そばなどのメニューが揃い、長旅で疲れたお遍路さんのお腹を満たしてくれます。

    また、隣接するお土産店の店頭では焼きだんごや名物のこんにゃくなども販売。特に紅葉のシーズンはお遍路さんや観光客でにぎわいを見せます。

    お店の入り口でうどんを楽しむお地蔵さま

    お遍路旅の最終地点・大窪寺門前にお店を構える食事処「八十八庵」と「野田屋」。お遍路さんや旅人を癒し、もてなす「接待の心」が今も息づいていました。

    野田屋

    住所:香川県さぬき市多和兼割87-5
    TEL:0879-56-2028
    営業時間:7:00~17:00/無休
    アクセス:高松琴平電気鉄道長尾線「長尾」駅より車で約30分

    お遍路旅の締めくくりは温泉も楽しめる旅館「竹屋敷」で

    山間にひっそりと建つ旅館の竹屋敷

    大窪寺からほど近く、車で約5分の場所にあるのが旅館「竹屋敷」。館内では天然温泉の薬師湯に浸かることができ、体を芯から癒すことができます。また、会席料理や客室休憩とセットのコースを利用すれば日帰り入浴も可能。

    宿泊費は全室10,500円~13,500円(1泊2食つき)

    全部で10室ある畳の客室は、静かで落ち着いた雰囲気です。こちらで体を存分に休ませましょう。夏の夜には旅館周辺に生息するゲンジボタルやヒメボタルを楽しめるのも自然豊かなこの場所ならでは。お遍路さん用のお得なプランも用意されているため、お遍路旅で立ち寄る際は要チェックです。

    野田屋 竹屋敷

    住所:香川県さぬき市多和竹屋敷123-1
    TEL:0879-56-2288
    アクセス:高松琴平電気鉄道長尾線「長尾」駅より車で約30分
    URL:https://takeyashiki.com

    いかがでしたか? 香川の大自然に包まれながら、心静かに自身と向き合うことができる大窪寺や、参拝者をあたたかくもてなしてくれる門前の施設の数々は、お遍路旅でなくともぜひ訪れたいスポットです。また、お遍路初心者でも巡りやすい徳島県の1番札所〜6番札所からも比較的近い場所に位置するため、1番札所~6番札所までの巡礼の最後にこちらに立ち寄るのもおすすめです。

    • 記載の内容は2021年1月現在のもので、変更となることがあります。
    • 税抜価格を表示しております。
    ライター:Atori Hagiwara(minimal)
    Photo by Hiroshi Nakata

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