阪神・姫島駅から徒歩ですぐ
大阪湾に注ぐ淀川の河口から約10kmの区間は、近年、テナガエビ釣りが楽しめる関西でも屈指のポイントとして知られるようになっています。地図上では「新淀川」とも表記されますが、元は放水路として整備された区間で、川幅は約800mでの直線的な流れが続いている場所です。
ここのテナガエビ釣りは、例年6〜8月がベストシーズン。秋も釣れなくはありませんが、同じ釣り場にハゼが多くなってくるので、テナガエビは釣りにくくなるのと同時に、釣り人もハゼねらいに切り替えます。
元々、大阪を含む関西圏には「テナガエビ釣り」という文化はありませんでした。一部の人が「テナガエビ獲り」として楽しんでいたくらいで、全国的に見ればこうした地域のほうがむしろ多く、「サオとハリでテナガエビを釣る」という遊びは、東京を中心と関東圏のスタイルという位置付けでした。しかし、最近は関東流のサオ釣りで繊細なアタリを楽しむ人が徐々に増えています。
淀川(新淀川)のテナガエビ釣りは、河川敷に消波ブロックが入っているところならどこでも楽しめますが、阪神電鉄の姫島駅周辺は人気ポイントの1つです。電車でも行けますし、近くにコインパーキングが数ヶ所あるので車でも問題ありません。
川は下流を向いて右側の岸を「右岸」、左側の岸を「左岸」といいますが、釣り場は電車の高架下の右岸側一帯です。そこから上流の国道2号線までの間の岸際は、捨て石や波消ブロックが多く入っており、テナガエビがよく釣れます。
ねらいは消波ブロックや岩の陰
周辺は足もとから浅いため、サオは少し長めのものを用意します。具体的には1.8~3.0mくらいのノベザオがおすすめです。一方、すぐ足もとの捨て石周りを釣る時は、1.2mくらいの短めのサオがあると釣りやすいので、可能なら2本用意してみましょう。
高架のすぐ下は足場もよく、日陰が出来て暑さもしのぎやすいので、家族連れの釣りにもおすすめ。多少の雨でも問題ありません。
テナガエビの釣り場は潮の干満の影響を受けます。たとえば姫島駅周辺の場合、満潮前後で川の水位が高い時よりも、徐々に潮位が低くなり、手前の波消ブロックや岩がどんどん露出してくるタイミングのほうが釣りやすい傾向があります。テナガエビが潜む波消ブロックの穴や岩陰が、時間とともに確認しやすくなるためです。
テナガエビに限らず、エビの仲間は居心地のよい穴に複数で入っているので、とにかく「釣れる穴」を見つけるのが、たくさんのアタリを得るコツです。1尾釣れたら同じ穴を集中して釣り、アタリが途絶えたら別の穴へという形で探ってみましょう。また、しばらく時間をおけば、ひとしきり釣った穴で再びアタリが出ることがよくあります。
仕掛けにほどこす一工夫
仕掛けはシモリ玉や玉ウキが付いた完成品を使います。サオやエサ(アカムシを使います)も含めて周辺の大型釣具店で入手できます。この時、完成仕掛けに付属しているものとは別に、少し大きめのガン玉4B(粒状のオモリの一種です)を購入しておくのもおすすめです。潮位の変化の影響で、川の流れが速くなった時に、オモリを大きめにすることで仕掛けが安定して釣りがしやすくなります。あとは前述のとおり、ここぞという穴に仕掛けを入れて、オモリを底に付けた状態でアタリを待ちます。
釣り方の基本は、ウキからハリまでの長さを水深よりも少し短くし、オモリが底に着いたら、ウキが水面下に見える範囲で沈んで漂うようにします。エビがエサを見つけてハサミでとらえると、それまでに自分がいた場所まで運んでから食おうとするので、ウキがスーッとスライドします。あとは、その動きが止まったところでゆっくりサオを上げてみます。
大切なのはタイミング。早くサオを上げすぎると、エビの口にまだハリが入っていないので、一呼吸置いてからわずかに持ち上げます。そうやってアタリの感触を聞いてみた時に、サオ先に「クックッ」と反応が出たら、そのままゆっくりサオで持ち上げます。それで掛からない場合は、再びサオを下ろし、じっくり待って食い込ませてからまた上げてみます。
テナガエビの釣りは、魚釣りとはまた違う味わいがあって、一度体験すると独特の感触が手に残ります。関西屈指の好釣り場で、ぜひチャレンジしてみてください。
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