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    掲載日:2021.08.20

    ニッポンの新しい世界遺産、西表島で。ネイチャーツアー&エコロジカルステイ

    2021年7月、日本で24件目となる世界遺産が登録されました。「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」は、世界自然遺産としては国内5件目。なかでも稀有な自然環境を誇るのが西表島です。大自然の懐に飛び込み、エコツーリズムを学ぶ、そんな島旅をご紹介します。

    新石垣空港から水平線の向こうに浮かぶ西表島へ

    「南ぬ島 石垣空港」の愛称で親しまれる新石垣空港
    空港を彩るシーサーの群れに、旅の気分もいっそう高揚する

    新石垣空港に到着すると、東京とは段違いに強烈な陽光に驚かされます。羽田空港から空を飛ぶこと約3時間。羽田空港から新千歳空港までが約1時間30分であることを思い出すと、石垣島の遠さがまるで異国のように感じられます。

    八重山諸島へのフェリーが就航する石垣港離島ターミナル
    石垣島の英雄・具志堅用高の銅像の奥に見えるのが西表島行きのフェリー

    今回の旅の目的地は、石垣島から海を隔てた西表島です。空港がないため、フェリーでしか上陸できません。起点となる石垣港離島ターミナルへは新石垣空港からバスで約30分。そこから西表島まではさらに約50分と、空の旅の次に海の旅が続きます。

    西表島は沖縄県内で2番目に大きな島でありながら、人口は2,500人にも満たない

    竹富島、小浜島と八重山の美しい離島が後方に去るにつれて、西表島の島影がだんだんと大きくなってきました。島の東側から北側へと回り込むも、視界に写るのは色濃い緑の森ばかり。風光明媚なリゾート地として名高い沖縄の離島にあって、大自然に覆われた西表島はいまもなお秘境のような土地なのです。上原港から上陸したら、さっそくその懐へと飛び込んでみましょう。

    大見謝ロードパークでマングローブ散歩

    日本にあるマングローブ全7種が生育しているのは西表島だけ

    西表島を象徴する自然として真っ先に思い浮かべるのがマングローブではないでしょうか。マングローブとは特定の植物名ではなく、満潮時に海水に浸る場所に生育している樹木類の総称。それをお手軽に見学できるのが、「大見謝(おおみじゃ)ロードパーク」です。上原港からレンタカーを走らせること約15分。駐車場から遊歩道を歩き出してすぐ、気づけばすでにマングローブの森の中に立っていました。

    マングローブの景色は潮の干満によって大きく変化する

    マングローブが海水からそびえ立つ満潮時の姿は神秘的。干潮時の根が露になった姿もまた威風堂々としています。周りの水域は落ちた葉などによって栄養豊富となり、プランクトンを食べる魚、その魚をエサとする生物など、豊かな生態系が形成されています。何匹もの魚が泳ぐなか、マングローブの森を空中浮遊するように歩けるのが、大見謝ロードパークなのです。

    大見謝ロードパーク

    住所:沖縄県八重山郡竹富町高那
    TEL:なし

    サキシマスオウノキ群落の複雑怪奇な板根

    木々が生い茂っているなかに遊歩道が延びる

    大見謝ロードパークからさらに南へ20分ほどクルマを走らせれば、西表島のもうひとつの個性的な自然が見られます。こちらも駐車場から遊歩道を歩いてすぐに出会える、国指定天然記念物の「サキシマスオウノキ群落」です。

    板根は1年に1cmのペースで成長。根っこの高さだけで3m以上になるものも

    サキシマスオウノキの特徴は、なんといっても生命力のみなぎる根です。巨大で複雑怪奇な形をしたそれは「板根」が愛称。湿地帯の浅い土壌において、下ではなく横に根を張ることで巨木を支える板状根は、自然の知恵の賜物。かつては島内で洗濯板としても利用されていたと聞いても納得のスケール感です。

    サキシマスオウノキだけでなく、2種類のマングローブも見逃せない

    遊歩道では、7種のマングローブのうち「オヒルギ」と「ヤエヤマヒルギ」も鑑賞できます。大見謝ロードパーク同様、駐車場のすぐ近くで豊かな自然を見学できるのも、西表島ならではの体験です。

    サキシマスオウノキ群落

    住所:沖縄県八重山郡竹富町古見
    TEL:なし

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