domaine tetta(ドメーヌ・テッタ)/岡山県
岡山県の北西部、山間地に突如としてコンクリート造りの、一見無機質とも言える建物が現れます。これから紹介するワイナリー、ドメーヌ・テッタです。しかしシンプルなのは見た目だけ。情熱にあふれた熱いワイナリーについて、少々語らせてください。
オーナーである高橋竜太さんは岡山県出身。もともとは建設業界で活躍していましたが、ある日、地元のぶどう農園が廃業すると聞き農園を引き継ぐことを決意します。岡山はもともと果樹王国。特にこの一帯の土壌は石灰質で水はけがよく、標高400〜500mのカルスト台地で寒暖差も十分。おいしいぶどうができる条件は整っていました。なんとかして地元の衰退を食い止めたい。その思いはワイナリーの名がこの地、哲多町の名に由来していることからもうかがえます。
高橋さんの熱意に引かれ、集まってきたのは同じく岡山にゆかりを持ち、現在は各業界の第一線で活躍するクリエイターたち。ワイナリーのデザインを手がけたのは世界各国のプロジェクトで活躍する片山正通さん。同じく岡山出身の実業家、Wonderwall®の石川康晴さんも賛同し、錚々たるメンバーを揃えてスタートすることになりました。
ワイナリーの完成は2016年。5年目となる現在は、シャルドネ、安芸クイーン、マスカット・ベーリーAなどを育て、リリースするワインはすべて自社栽培のぶどうを用いて自家醸造しています。
思わず手に取りたくなるキュートでユニークなラベルを生み出したのは国内外で活躍するアートディレクター・平林奈緒美さん。買い手にとってまず最初にそのワインと接することになるのがラベル。高橋氏の「ドメーヌ・テッタにかかわる人々やその想いを表現したい」という思いが表現されています。ところでワイナリーの入口に置かれ、ワインのラベルにも描かれているパンダ。実は農園を開墾しているときに偶然発掘されたものだそう。
ワイナリーにはカフェが併設されており、美しいぶどう畑を眺めながら食事とワインを楽しむことができます。地元で生まれたワインは、地元の素材で作られた料理とそれを育んだ空気のなかで味わうのがいちばん。土地の豊かさや人々の情熱を自然にじられるひとときとなることでしょう。
ワイナリーの見学ツアーなどは開催していませんが、カフェの営業日であればガラス越しにワイナリー内を見ることができます。もちろん、ワインを購入することもできます。
- domaine tetta(ドメーヌ・テッタ)
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住所:岡山県新見市哲多町矢戸3136
電話:0867-96-3658
アクセス:岡山空港から車で1時間30分
ウェブサイト:domaine tetta(ドメーヌ・テッタ)