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    掲載日:2021.08.27

    創業100年の老舗から新進気鋭まで。進化する日本ワイン、話題のワイナリー5選

    勝沼醸造/山梨県

    最後にご紹介するのは、日本最大のワインの産地、山梨で1937年からワインを造り続ける勝沼醸造です。

    勝沼醸造といえば、甲州ワインをイメージする方も多いのではないでしょうか。実際、甲州だけで年間300トンを仕込むという、勝沼でも有数の甲州ワインのワイナリーです。そしていち早く甲州の可能性を追求しバリエーションの開拓に試行錯誤してきた、パイオニア的存在でもあります。

    ワイナリー裏手に広がるぶどう畑は、新たな試みのための試験農場でもある

    大きな転期となったのは2000年頃のこと。“軽くて水のように飲める甲州”から世界に通ずるワインになることを目指し、ぶどうの栽培方法、醸造方法ともに研究、改良を重ねました。

    それまではぶどうの糖度を補うために補糖し発酵させていましたが、それでは単にアルコール度数の高いワインができるだけと考えました。そこでぶどうジュースを凍らせ濃縮させることで、奥行きのある味わいのワインを生み出すことに成功しました。アルガブランカピッパ、アルガブランカドースがこの製法で造られています。

    レモンなどの柑橘香が爽やかなアルガブランカクラレーザは、どんな食事とも合わせやすい

    一方でぶどう自体の個性も大切にしています。それは“イセハラ”など特定の畑の名前を冠したワインをリリースしていることからもうかがえます。このイセハラは、笛吹市御坂町伊勢原地区にある契約農家、風間さんの畑で栽培されたぶどうのみを使用して造られたもの。ここのぶどうを使ったワインからは、なぜか桃やアプリコット、柑橘などの香りがします。それは土壌や気候など、ぶどうを取り巻く環境全般、つまりテロワールが作り出すもの。自然のもたらす不思議な力によって唯一無二のワインが生まれるのです。そんなワインに出合えることも、ワイナリー巡りの楽しみのひとつです。

    勝沼醸造を訪れてみましょう。明治中期に建てられた趣のある建物は、現在はショップ&試飲スペースとなっており、プリペイド式のサーバから好みのワインを購入し、試飲することができます。

    勝沼醸造の入口。内部にはテイスティングルームや貯蔵庫、グラスギャラリーなどがある

    目の前にはぶどう畑が広がり、吹き抜ける風が心地良く頬をなでます。より詳しく知りたいならワイナリーツアーへ参加するとよいでしょう。スタッフによる詳しい解説を聞いた後に直営レストラン「風」でのコース料理を楽しめる、食事付きツアーもおすすめです。

    勝沼ぶどう郷駅から車で7分ほどの、ぶどう畑を見渡す高台に位置する「レストランテ風」は、前述のとおり勝沼醸造直営のレストランですが、勝沼全般のワインを取り揃えています。地元の素材を中心に作られたフレンチベースの料理とワインのマリアージュを、心ゆくまで堪能することができます。

    重厚感ある「レストランテ風」。コース料理のほかアラカルトメニューも豊富
    勝沼醸造

    住所:山梨県甲州市勝沼町下岩崎371
    電話:0553-44-0069
    アクセス: 羽田空港から車で約1時間40分
    ウェブサイト:勝沼醸造

    勝沼醸造のワインは、ANAが運営するショッピングサイトA-styleでも購入することができます。

    今回紹介したのは、見学ツアーがあったりカフェを併設していたりと、訪れるのが楽しいワイナリー。タイミングが合えば、造り手からワイン造りについての話を聞くことができるかもしれませんよ。

    • ワイナリーの営業時間や見学ツアーの日時は、新型コロナウイルスの感染状況により変わります。
    • 記載の内容は2021年7月現在の情報です。変更となる場合があるのでご注意ください。
    ライター:Atoll inc.

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